2013年2月24日、第85回アカデミー賞受賞式当日、
アカデミー長編ドキュメンタリー部門で栄えある賞を獲得したのは
無名の男性が主人公の
『シュガーマン』 ~奇跡に愛された男~ でした。
現在70歳の主人公ロドリゲスが1970年に作ったその曲は
アメリカでは6枚しか売れず、その後彼は
家族を養う為に 音楽の道から離れ、
ビル解体作業などの仕事を一生懸命していたそうです。
彼は良き家庭人であり、稀に見る 骨太の
素晴らしい男性であるという事を 昨晩放送中の
『奇跡体験アンビリバボー』を見てそう思いました。
彼の作った曲はアメリカでは売れませんでしたが、
数年後 その曲は 南アフリカへと渡ります。
彼の曲は 南アフリカの人々の心を揺さぶり、捉え、
その曲のタイトル、シュガーマンと呼ばれ親しまれ、
彼の曲は 南アフリカではプレスリーや
ビートルズと並んで有名だったそうです。
1998年3月6日、シュガーマンことロドリゲスは
彼を探していた人達の尽力により南アフリカに招かれ
海外では初となるコンサートを行います。
その当時の実際のコンサートの映像が流れましたが、
死亡説まで流れていた 南アフリカのヒーロー
シュガーマンは、ホームに帰ってきたように
「自分はこうして生きているよ」と微笑み話し、
ごく自然に歌い始めました。
会場の人々の溢れんばかりの笑顔と熱気、
スタンディングオベーション、そして彼の歌声に、
画面越しではありましたが、なんとも言えない
爽やかな感動に包まれました。
南アフリカでの複数のコンサートを終え帰国した彼は
今までと何ら変わらぬ暮らしを
淡々と続けていたそうです。
それから7年の時を経た2005年、彼の人生を
映画化するという話が出て、実際に映画化されても
彼は変わることなく、今までの家に住み、
70才となった現在も
ビルの解体作業をしているそうです。
番組の中では彼とは別に、彼の娘もインタビューに
応じていましたが、家族思いの誇れる父親であると
話していました。
コンサートで得たお金も全て家族や親戚に
あげてしまったそうです。
南アフリカに着き迎えに来ていた2台のリムジンを見ても
コンサート初日も、まるで自宅の椅子で
寛いでいるかのように、いつもと何も変わることなく、
リラックスしていたと娘さんは輝く笑顔で話していました。
40年の時を経て 本国アメリカでも認められた
シュガーマンこと、ロドリゲスさんは、
本当に素敵な方でした。
先月日本でもCDが発売され、
3月16日からは 映画も公開されるようです。
人はことお金が絡んだり、周りからもてはやされると
勘違いして自分が特別な存在と思ってしまったり
ふんぞり返ってしまう哀しいパターンも多々ありますが
ロドリゲスさんのような どんな時も 揺るがず
自分の足場をしっかり守っている方は 本当に
美しく 素敵だなぁ~と思いました。
(のちにマイケル・ボルトンもカバーしましたが)
私はパーシー・スレッジの「男が女を愛するとき」が
好きなのですが、何故かパーシー・スレッジの歌声と
ロドリゲスさんの歌声が重なりました。
今、最も観たい映画の1つです。