私が生れた時に祖母が買ってくれた七段飾りのお雛様。
とても美しいお顔だちに 素敵なお道具、
とても気に入っています。
ここ数年は段飾りをしなくなってしまいましたが
それでも大切なお雛様であることは変わりありません。
私にとって忘れられない、お雛様にまつわる
素敵なエピソードがあります。
あの時、あの瞬間のあの現象は今も鮮明に蘇ります。
何年か前、久しぶりに段飾りをしました。
それはお雛様をしまった直後のことでした。
テレビもつけていない、音楽も聴いていないのに
どこからともなく美しい雅楽が聴こえてきました。
不思議に思い 家族と共にその音源を辿っていくと
奥の和室の方から聴こえてきます。
キョトンとしながらも、和室に入ると
雅(みやび)な音色はより一層はっきりと聴こえます。
「えっ?どこから?まさか」と、ある部分を見た時、
演奏はピタッと止まりました。そうなのです。
嘘のような本当の話なのですが、音源は
お雛様をしまったばかりの天袋から聴こえていたのです。
久しぶりに段飾りをしたことをお雛様は喜んでくれて、
五人囃子が演奏をしてくれていたのだと
その時私は思いました。
今日は雛様のお顔を拝見しようと思います。
お雛様を思った時、この作品ができました。
ありがとうを込めてお雛様に贈ります