上砂理佳のうぐいす日記

やっと秋らしくなりましたが、まだまだ日中は陽ざしがきついです。寒暖差で風邪をひかないように★

アラン・ドロン死す★

2024-08-18 | うぐいすよもやま日記
1981年発行のアラン・ドロンのシネアルバムより。

夕方にラジオから「太陽がいっぱい」のテーマ曲が流れてきたのですが、アラン・ドロンが亡くなったのですね。88歳、米寿かあ。
私の世代ではドロンといえば「ハンサム」の代名詞でした(当時イケメンという言葉は無かった)。草刈正雄が「日本のアラン・ドロン」と呼ばれてましたね~。

ついこのあいだもWOWOW で「太陽がいっぱい」をやっていて、バッチリ高画質で録画。もう何度も見てるのに、年に一度は見返したくなる。あの宝石みたいな青い瞳と、長い睫毛ね。いじまし~い目付きで金持ちボンボンの友人に殺意を募らせていく、あの過程がたまらんとです。
ちなみにリメイク版の「リプリー」という映画では、現代的イケメンのジュード・ロウが金持ちボンボン、ドロンが演じた主人公トムはマット・デイモンです。
かなり改編されているので「太陽がいっぱい」とは別物と考えた方が。。。これはこれで面白かったけど。
ジュード・ロウも天下の美男だけど、ドロンみたいな陰りや鬱屈感は無い。お育ちの良いイメージなんでボンボン役はハマってました。
あ、「退廃」とは無縁なマット・デイモンはビミョーな役作りでした(笑)。

そう、「太陽がいっぱい」は、ヨーロッパらしい退廃感が好き。
港町の市場は魚の内臓の臭いがしそうだし、ヨットが着いたら黙々と荷物を運ぶ人たちは、遊ぶ金持ちに冷たい視線を投げかける。
貧富の差がトムの殺意の原動力で、無鉄砲で後先の事を考えない、その愚かさや幼さも魅力的でした。

ドロンの他の(若い時の)映画でオススメは「若者のすべて」と「世にも怪奇な物語」。
前者では「誠実で無垢で清らかなドロン」という珍しい役どころにシビれます。ドロンで「無垢・清らか」ってほぼ無い(?)
後者は全三話のオムニバス映画でホラーです。昔々深夜にテレビでやってて怖くて怖くて。
ドロンは第二話の「ウィリアム・ウィルソン」の主人公。原作はエドガー・アラン・ポー。
傲慢で非情な若い男の前に、ある日自分と瓜二つ、そっくりな男があらわれる。
主人公が悪事をはたらくたびにその男はあらわれ、罪を指摘して消えていく。
ある日、賭博場でイカサマをやっているところを、瓜二つ男に暴露され、町から追放される。
怒り心頭の主人公は瓜二つ男を殺そうと揉み合うけど、殺したと思ったらそれは自分自身だった。。。ドロンのクールな美貌と、賭博場でドロンと勝負をするブリジット・バルドーが妖艶でド迫力で。ゾクゾクします。

私がこれから見たいドロンはヴィスコンティの「山猫」。そして「地下室のメロディー」「冒険者たち」かな。
地上波でさあ、「太陽がいっぱい」を夏の終わりにやってくれー!★
コメント
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