先月チケットをいただき、国立民族博物館の「吟遊詩人の世界」展を観てきました。
いつも「みんぱく」の企画は気合入ってます。もっとお客さん入って欲しいです。。。でも今が観やすいからいいのかな?
動物や植物から作った楽器を奏でて、歌を歌って旅する人が、世界のあらゆるところに存在していて、今の「ラッパー」につながる着眼点がユニーク。
歌詞は古くからの伝承的なものだけでなく、今現在の社会への不満を訴えたものも多いとか。
女性の社会進出とか、なんと最近のコロナ禍を歌い、その歌詞を絵巻物化したものまであります。
日本の「瞽女(ごぜ)」を描いた映画が特別上映されました。満席。
盲目の女性がとても幼い時から師匠に弟子入りして、主に東北の地を一年中旅します。
「唄と三味線の娯楽」をその土地の人に提供して、一宿一飯の報酬を得る。
修行を積みながら、「歌い人」=「吟遊詩人」として一人前になっていく姿を描くのですが、その歌声の素晴らしいこと。しかし同時に、その仕事の厳しさに目をそむけたくなります。
身の回りの事が全て出来ないと生きていけないから、目が見えなくても針に糸を通す訓練。洗濯に炊事。上手く出来なければご飯抜き。師匠や先輩たちのいじめ。
三味線も唄の稽古も厳しいけれど、真冬の雪と氷の世界を、手探りで重い荷物を背負い歩かねばならない。
うちには、斎藤真一さんという「瞽女の画家」とも言える有名な方の画集があり、母がハマっていたせいで私も興味を持っていました。
幽玄で凛と澄んだ空気の、東北の冬の世界が、斎藤さんの絵に表されていました。
しかし厳しい修行の映画に接すると、綺麗ごとではなく、今なら虐待案件だよね。。。と複雑な気持ちになってしまった。
江戸時代から明治、大正、昭和になりラジオやテレビの娯楽が定着すると、瞽女文化は消滅していったそうです。
歴史のはざまで、こうやって懸命に生きていた人たちの存在を大事に残していくことも、「みんぱく」の使命なのでしょうね。
今週は抗がん剤7クール目。
フルに4時間近い点滴で、副作用きつし。ダウン中です。
雨のち晴れで行楽日和になってきた。ちょっと浮上なり★
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