要点のみですが長いです。
少子化と現役世代減少の記事等はチェックしていますが、前田教授の
意見はとても分かりやすいと思いました。
甲南大学 前田 正子教授
(横浜市副市長等を経て、2010年から現職。『無子高齢化』岩波書店
その他、著書多数)
「若者・子ども」は未来の担い手 社会全体で育てる覚悟が必要
今、日本は大変に深刻な状況にある。
日本の未来を支える現役世代が減り続けている。
さらに現役世代の中で、働きたくても十分に働けない若年世代が増大し、
晩婚化・未婚化が進み、少子化に歯止めがかからない状況がつづいている。
今、必要なのは、「団塊ジュニア・ポスト団塊ジュニア世代」
(30代から40代中盤)をはじめとする現役世代を社会全体で支援するとともに、
安心して結婚・出産し、子どもを育てられる社会をつくることです。
次世代育成に思い切った投資をしていくことが、「人生100年時代」を
生き抜く希望につながるのではないでしょうか。
「団塊ジュニア」の子どもたちが生れる、第3次ベビーブームが起こると
楽観視されてきた部分があった。ところがそれは起こりませんでした。
この背景には、急速に晩婚化・未婚化が進んだことがあります。
団塊ジュニア世代の多くは、「就職氷河期」に高校や大学を卒業した人たちです。
その数は1,700万人にも上がります。
バブル経済の崩壊後、企業や団体は自らの生き残りに必死で、
正規雇用の新規採用や給与支出を抑制しました。
さらには労働力の非正規化を進めたことで、
若年世代の雇用や経済状況が悪化し、働きたくても働けない、
いくら働いても必要な収入が得られない若者が多く生れてしまったのです。
(↑ 今更ですが、当時の会社のトップたちは、今、何を考えているのでしょうか?)
結婚願望はあったとしても、余裕などないと考える若者が、
男女ともに増えていった。
未婚になったのは、決して若者たちの自分勝手な都合ではありませんでした。
しかし、この世代への世間の風当たりは強く、
「就職できないのも結婚できないのも、本人が悪い」 「いずれ景気が良くなれば、
問題は解決する」と、その影響は軽視されてきました。
その結果、若者の就労や所得状況を改善するための支援は、断片的なものに
終わり、十分な取り組みがなされませんでした。つまり、
社会が目先の経済不況を乗り切るために、若者を犠牲にしてしまったといえます。
もちろん、少子化の要因にはライフスタイルに対する価値観の多様化など
さまざまありますが、最も子どもを産み、育てられる人たちを支援してこなかった
ことが、大きな要因になったと考えます。
前田教授は横浜市副市長(2003~07年)として、若者就労や子育て支援に
力を注いできた。その中で感じたことは何だろうか。
私は若者や子育て世代への社会の冷たさを感じています。
当時も、今も変わらず、若者や子育て世代を支援する施策に
「若者を甘やかすな」 「子育ては親の責任だ」といった厳しい批判の
声が寄せられています。
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時代、
日本企業の終身雇用・年功序列賃金・福利厚生制度が、世界から注目されていた。
その前提が崩れ、少子高齢化が進むという現実を、深刻に考える人は少なかった。
日本はこうした考えを引きずったまま、本来、社会を挙げて1日も早く取り組む
べきだった少子化対策を、個人の責任にしてしまったのです。
行政の現場にも「なぜ、他人の子どもにも支援が必要なのか」との
問いが殺到しました。
私は、そのたびに「皆さんの周りにいる子どもたちは、日本の将来を支える人たち
になります。その子たちが十分な教育も受けられず、安定して働くことも
できなければ、世の中全体が低迷します。子どもたち全体の底上げは、
皆さんの将来を良くすることでもあるのです」と語り、理解を求めてきました。
若者や子どもは社会の宝です。日本の未来の担い手です。
社会全体として、他人の子どもを育てていくという強い覚悟がない限り、
私たちの生活は維持できなくなってしまいます。
人生100年時代を生き抜くには、誰もが、途中でつまずくことがあっても、
何度でも学び直し、やり直せることが重要です。
とりわけ、一番の働き盛りである
「就職氷河期」世代が、その能力を発揮できるよう
社会を挙げて応援していくことが必要ではないでしょうか。
ここ数年は、団塊世代が本格的に引退したことで人手不足が強まり、
新規学卒者の就職状況は、改善されてきました。
一方で、初職が非正規という若者は、今も高い比率で推移しています。
就職活動でつまずき、ひきこもり状態になってしまう若者も少なくありません。
人口4千人余りの長野・下條村は、財政再建で予算を捻出し、村を挙げて子育て
支援を充実させたことで有名です。
村営の「若者定住促進住宅」の提供や、高校卒業までの医療費無料化等を実施
しました。助け合いの合意と行動が生れ、出生率も高まっています。
このように、地域コミュニティーから「私たちは若者や子育て世代を応援します」
というメッセージを社会全体に広げていってほしいと願っています。
「人がいない、子どもがいない」と実感した時には、すでに遅いという
状況があります。 (← 赤ちゃんが成人するには20年の時間がかかります)
誰もが人生100年時代を豊に生きるために、社会を支える現役世代が生き生きと
活躍できるステージを、用意しなければなりません。
私たちは今、次世代育成を他人ごとにするのではなく、社会全体で
若者や子どもを育てていくとう覚悟が求められています。 以上
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厚労省は厚生省と労働省が一緒になたのですね。
再度、労働省を独立させて、就職氷河期世代を応援する。ここ5年間くらいで
完了させるくらいの決意と覚悟を持って。
初代の大臣には、一番有名な進次郎議員(氷河期世代)が就任すれば
彼らの気持ちも分かっていると思うので最適ではと思う。
言動に注目の集まる人でなければならない。
労働省って地味な名前なので、誰でも1度聞いたら
忘れない名前にするというのもいいかも。
私は妄想癖があるのでしょうか!?
前田教授が言われるように、もう待ったなしなので・・・