Uさんの水彩画作品を2点続けてご紹介いたします。
「ごちそうさま」 水彩画 F4
今年は早く熟しすぎてしまったというお庭の柿の実。収穫する
前に様々な蝶が食事に集まった愉しげな光景を生き生きと描かれ
ました。淡い中に、広がる枝ぶりと遥かな秋空が想像されます。
近づいてみました。
細密に描いているわけではないのに熟柿らしさがよく伝わって
くる見事な表現は用紙の特質と透明水彩絵の具の魅力を理解して
おられるから。今作もどこをどう省くかの妙が際立っています。
2点目です。
「さんぽみち」 水彩画 F6
まだ梅雨のあけきらぬ頃、散歩道で出会った立派な山百合の花。
手漉きの生紙ににじませながら描くことで緑したたる瑞々しい
森の様子を鮮やかに表現されました。かおりたつような作品です。
近づいてみました。
月夜野で仕入れたという薄めの楮紙。洋紙とはまったく異なる
水の含み方に戸惑いながらも軽妙な線描とやわらかいにじみを
効果的に用いて色の響きあう素晴らしい仕上がりとなりました。
同じモチーフを繰り返し描きながら新しいことにも挑戦されている
Uさんの過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の
中のUさんのページに掲載されています。ぜひこちらもご覧ください。