梅雨空の一日

2010年06月15日 | 店内外の話
(激しい雨で円山川も泥水、上ノ郷の河畔林も雨にけむる)


梅雨入りした日曜日から日、月、火曜と三日間、梅雨らしいシトシト雨が続きます。
本日の降りようは、時にはシトシトを通り越して道路に雨粒を激しく叩きつける豪雨のような雨、車からお客様の玄関までのほんの数メートルで、着ている服も頭もびしょ濡れになりますね。
上ノ郷橋から見える円山川の流れは、普段のゆったりとした透明な清流が、本日は泥水で激しく波打ち、目の前のうっそうと茂る河畔林は雨で煙っています。
写真に写る茂みは、円山川河畔林(まるやまがわかはんりん)と云いまして、わが故郷日高町は上ノ郷地区の円山川右岸に見られる、長さ約1km、幅約100mのうっそうとした林の帯です。
河川敷に繁茂するケヤキやムクノキ、エノキなどの広葉樹の巨木が群生で、山のブナ林と同じような環境の原始林を想わせる風景、上ノ郷橋を真ん中に上流下流に広がる茂みは大迫力、近畿地方では最大級の河畔林として有名なのです。

「雨がよく降るので畑にも出られんし」と云いながらご来店のTさんは、電話機のご注文です、ありがとう。
『ありがとうございます。〇〇〇円とお安くさせて頂いています。』、
「ここからまだ引いて貰らえるんちゃ~うの」、
『アトムの特選品カタログの金額はどこよりもサービス価格です。配達、接続、設定の料金は只なので〇〇〇円はそりゃあ安いもんですよ』、
「接続ってちゃちゃっと誰でも出来るんちゃうの」、
『ハイ、ちゃ~んとさせてもらいますよ』、
何を云われてもノドに飲み辛抱辛抱、ドシャ降りの中をTさん宅へ急ぎます。
2万円にも満たないコードレス電話って、配達、接続、設定料金本当はいるのにTさんには大甘なのです。
Tさんは、ご主人の体が不自由で奥さん一人で頑張るおうち、ちょっぴりお茶目なとこありますが、どうも親切したくなるそんな訳ですTさんは。
『パナソニックの最新型は表示も大きく見やすいでしょう』、『あれに、これに、設定ちゃんと出来ました』、『親機の使い方、子機の使い方はこうですよ』と、徹底的に説明します。
「電話帳に、親戚や隣保の電話番号を入れてもらえんか」とTさん頼む、『ハイ入れますよ、広告のチラシの裏に書いてよ、入れていくから』と始めます。
最新型の電話機は名前が漢字に変換できる、それが案外手間なのですね。それに名前のふり仮名も変換の後に修正が必要、結構時間がかかります。
「ハイこれ、ハイこれも」と、Tさんは次から次からいつまでたっても、名前を広告の裏に書いてます。
『何人分させるの、いつまでさせるの』と云いながら、電話帳に入力続けてまいります。
この電話機には150件も入る、気が付きゃTさん宅に来てから1時間、延々、延々とお世話の作業です。
やっと終わってTさんは、「代金払うは、店で聞いた値段より安くならんか、まけといて」、「アトムさんは親切やし、安くしてもらえるんで買うんよ」、
もういっぺん云います。
2万円に満たない電話機買って、1時間もかかって設定、入力サービスさせておきながら、「まけといて」はないでしょう。
疲れますね、ちょっとお茶目で、ほんのちょっと厚かましいおばあさんと話すの疲れます。

《かなわんわ おばあさんには 手に負えん》