前回のつづき
3月9日
きのうの某喫茶店のモーニングがふるわなかったので今朝はどこかいい喫茶店を探そうかと思ってたのだが、ホテルで無料の朝食サービスやってるというのでもったいないからそれを利用することにしました。予約するとき「朝食なしのお値段ですが無料の朝食つきなのでどうぞ」と言われたのだが、だったら「朝食つきでこの値段です」と言ってもいいのにと思った。そしたら朝食に文句つける奴がいそうだけど。無料で食べられるなんてお得~!!という気持ちにさせる作戦だろうか。
というわけでそんなに期待してなかったんだけど、パンが何種類かとおにぎりと、ヨーグルトまであって、お茶やコーヒー・ジュース類も勝手に飲めてなんか良かった。
さて身支度を整えチェックアウトして名古屋駅に向かう。
今日の夜の帰り間際にわちゃわちゃするのが嫌だったのでお土産を買ったら膨大な数に・・・(この旅でいちばんの出費ではなかろうか)
今日は名古屋を離れてアグレッシヴに動く予定なので駅のロッカーに荷物を預けた。
そして名鉄犬山線で犬山へ行きました。名古屋から急行かなんかで30分くらいだった。
目指すは国宝・犬山城です。
私は犬山駅で降りたんだけどそひとつ先の犬山遊園駅のほうがちょっと近いみたい。でも犬山からのほうがたぶん道がわかりやすいと思うんだ。10時ごろに行ったかなあ、観光地だし、お城までの参道(とは呼ばないと思うがメインストリート)にけっこう観光客向けのお店がありそうな感じだったのに、早いせいか、もともとなのか、ほとんど閉まっててかなり淋しかった。駅から歩くこと20分・・・
着いたどー
しかしここからが長い。そして坂道。
この階段とも言えないようなボッコボコのうっすら段になってるようなとこを上ってゆくのだ。やはり城というからにはご老人の観光客が多いが、足腰の弱い方・杖が必要なかたはちょっと考え直したほうがよろしいかも。
名古屋城はあんなにバリアフリーだったのに・・・
でもまあ城というものは本来攻め落とせないように建てられた要塞であるからして、こうでなくてはならん。
そして辿り着いた犬山城の、そのお姿の美しさといったら・・・
うおっほー
コンパクトで上品なたたずまいである。城好きでもない私もさすがにぐっときた。
国宝に指定されてる4つの城(姫路城、彦根城、松本城、犬山城)のなかでももっとも古く1537年に信長の叔父の織田与次郎信康という人が建てたんだって(まあ建てたのは大工さんでしょうけど)。そのの戦国の世にいろいろ城主が代わって、1617年から尾張藩の成瀬家のものになってからもうずっと最近まで成瀬さんちで代々受け継がれてきたんだってさ。
スタンプはオリジナルのやつと100名城シリーズのやつ、あとスタンプラリーようのもあった。
お城に入ってみると薄暗く、階段も階段というよりハシゴのようで、その一段一段が高くて(一段が私の膝の下くらいの高さなのだよ)ジジババ客はもとより比較的若めのお客もヒーハー言いながら登っていました。
せまくて寒くて展示物も手作り感ムンムンで個人所有の城というのもうなずけるなあ・・・と思いました。最上階まで行くとさすがに高く、遠く名古屋駅周辺の高層ビルまで見えます。
監視員みたいなおじさんというよりもうおじいちゃんがいたので「犬山城は個人の所有なんですよね」と聞いたら、平成16年に財団法人化されて今は犬山市が管理してるんだって。で、いろいろ説明してもらって、周りに回廊があるから見てみなさいよと言われたのだが「いえ、怖くて無理です」と言ったら「怖くないよ」と言われたので出てみたら
めちゃめちゃ怖いじゃんかよ
なんだろうこの恐怖は。アンコールワットの第三回廊に行ったとき以来の感覚だ(あの時は外階段だったのでもっと怖かったが)
で、この↑写真でお城の足元に流れてる川が木曽川といって、その向こうはもう岐阜県なんだって。
岐阜かあ~
この人生で、この目に、生の岐阜県を映す日が来るとは思ってなかった(先月は生まれて初めてカエルの卵見たし、何が起きるかわからんね・・・)。そして「あの山の上に岐阜城があります」と言われて俄然いきたくなったのである。
もしかしたらいつの日か、岐阜の土を踏む日が来るやもしれぬ。
ありがとう犬山城。ちょっと天気悪くなってきた??
あまりに素敵なお城だったので名残惜しく後ろ髪ひかれる気持ちでお城をあとにした。
お城のチケットで別のふたつの施設(犬山市文化史料館と別館からくり展示館)も入れるそうなのでせっかくだから入った。私はまったく存じ上げなかったのですが、犬山は4月にやる犬山祭りというのが有名みたいなんですね。車山という、大きいものでは高さが8mくらいある山鉾みたいなやつが町に繰り出して、そのからくりなんかを競うみたいですね。今年は4月の3と4でやったみたいよ。
お昼は何を食べようかな~と思いながら朝は閉まっていた観光客相手のお店をちらちら見ながら歩いたのだがこれというものがなく、朝の行きがけに駅の近くで見て気になってたパン屋さんに行ってみようと思った。なにも旅に出てまでパン屋に入らなくてもよかろうとか言わないの。
城下町のパン屋さん「茶蔵 I’s(ちゃくらあいず)」というお店なのですが、これがまー良い店だった。こぢんまりとしたイートイン有りの、手作り雑貨もおいてるような、下北沢とか自由が丘にありそうな感じのパン屋さんなのですが、店員さんが素晴らしいのだ!「え~何?全員オーナーさんなの?」みたいなくらい、みんなが店を愛してる、よってお客様に対して非常に親切なのだなあという感じがした。なんか気分がすごく良くなった。たぶんもう一生逢わないかもしれないのに。やはり接し方というのは本当に大切なんだなあと思ったのだった。
パン3つ購入。どっかで食べよう。
時間がさしせまっているので急いで駅へ。お城は東側にあるのだが、この後に乗りたいバスは西口から出るので慌てて線路を越える。そして間に合った。
ちょっと予定より遅れてしまったが無事明治村行きのバスに乗れました。始発から終点まで乗るのだが時間にすると約20分。なのにどんどんどんどん景色が田舎めいてゆくのであせって無駄に緊張した。緊張感が妙に高まったころに明治村に到着。
明治村は、その名を正式には「博物館 明治村Ⓡ」といい、取り壊されてゆく文化財を惜しんで保存するために昭和37年に財団法人が発足し、そして40年に開村したのだ。
前々からその存在は知ってたので犬山城とあわせてぜひ訪れたいと思ってたのです。ただ、とにかく広いらしいので気合充分で臨まねばならない!
入村料は1600円もした。けっこう高いな。元をとるべく、あますところなく隅々まで観なければいけないなと決心する。でも到着したのが12時半で、閉村時間が17時ということだったので最後までいれば4時間半もあるし、そんなに急がなくても全部観られるのではないかと思った。事前にサイトで調べて園内スタンプラリーがあるのを知ってたので、正門入ってすぐのとこにある売店にてスタンプ帳(100円)を購入。
明治村はその100万平方メートルの敷地内に67もの建物やSL等が散在し全部みてまわると4時間かかるというが、時間のない方はこのスタンプラリーを中心にまわり方を組み立ててみたり、国の重要文化財に指定されてる物件が10個あるからそれだけでも観てみたりというやり方がある。私は全部回るつもりだが天気が良かったのでさっき買ったパンをベンチで食べることにした。あの、ものすごーく感じの良いパン屋さんのパンはとてもおいしかった・・・
さて、腹いっぱいになりましたら心おきなく見学させていただく。
広い広い敷地でいったいどうやって観てけばいいのじゃーと思ってたのだが、最初にもらった地図を見ながら番号に従って歩いて行くと自然と最短距離を歩けるようになってるのである。「あら、地図ではこういう順番になってるけどこっちからまわったほうが早いんじゃないかしら」と思って我を通してしまうと結局は遠回りになってしまうのだ。道や階段をうまく配置しているんだねーすごいね。
全部紹介してるときりがないので印象的なものをちょっとだけあげてみます・・・
西郷従道邸(重要文化財)
ここを観てるときに小雨が降ってきて、出て行こうとしたときに強めになってきたのでここの係員さんに心配されたので向かいにある休憩所で雨待ちするので大丈夫です~と言って出てったのだが、やむどころかどんどんひどくなり、やがて雪になりそのうちにけっこう吹雪いてきちゃったのだよ。
ガ~ン
まだまだ初めのほうなのに~
と思いながら休憩所でボーっとしたりおトイレに入ったりしてたら、そのうち晴れてきたのだ。
そういうわけで散策再開。でもなんか寒くなってきた。
その後もたくさんあったけど抜粋してご紹介します・・・
ここは森鷗外と夏目漱石が住んでた家なんだって。
なんと!鷗外と漱石は同棲してたのか~・・・
と思ったらそういうことではなくて、明治20年から1年半鷗外が住んで、そのあと時を隔てて明治36年から39年まで漱石が借りて住んでたんだって。元々はお医者様の家を借りてんだって。この家には上がれるようになっている。
明治村の素晴らしいのははさー、じゃんじゃん入れ、じゃんじゃん上がれって感じで出し惜しんでないとこだよ。
三重県庁舎(重要文化財)
あれーここなんか知ってる気がする。と思ったら、NHKの「坂の上の雲」というドラマで使われてたんだって。東大予備門の建物として出演している。ほれ、モックン演ずる秋山真之がバルコニーから子規(香川照之)とか漱石(小澤征悦)を見下ろすシーンがあったよね。
こんなふうに。
それにしてもさっき雪ふったくせにずいぶん晴れたなー。
さて次は
東松家(とうまつけ)住宅(重要文化財)
名古屋の中心部にあった商家で、増築を繰り返して元々平屋だったのを3階建にしたもの。私が行ったときちょうどガイドのおじさんがいて、たまたま一緒になった高校生(と思われる)カップルとともに案内してもらったのだ。
これがなかなか面白い家でねー
なんていうんだろうね、さりげない風流とかおしゃれとか、たぶんガイドさんがいなかったら見逃しまくるであろ細工や工夫があって面白かったっす。そして一緒にまわった高校生カップルが良い子でさ・・・日本の未来に希望が・・・。
他にも
品川灯台とか
六郷川鉄橋とか
とにかくいろんな建物があって、そんな中でも「これが観たくて来たのだ!」というもののうちのひとつ
新大橋である。これだよ。
隅田川にかかってたのを、長さを8分の1にして移築したんだって。新大橋は地元といっていいくらい近所だからのー。現在かかってる橋の前に使われてたやつが第二の人生(人じゃないから人生じゃなくて橋生だ)を遠く犬山で送っているのだ。トラス橋だったんだね~・・・
ママにこの写真見せたら、おぼえてた。
ちなみに今かかってる新大橋はこちら。
私が生まれた年に完成したんじゃなかったか。
(この写真だと手前側が中央区、向こうが江東区です)
もうここまで来るとかなり後半も後半で67個のうちの55番目なのだが、時間はもう4時過ぎ。もしや全部観てたら閉村時間に間に合わないのではないか?という恐怖から、あまり興味のないやつは中に入ったりじろじろ見たりせずにサーっと駆け足で通り過ぎながら横目で見るという作戦に切り替えた(切り替えるの遅すぎた気もしますが)。そしてサーっとやって来たのが最後の67番目のこれ。
もうひとつ楽しみにしてた帝国ホテルです。かのフランク・ロイド・ライトの設計による名門ホテル。1923年から1968年まで使われてた建物の玄関部分。
車寄せ
これよこれ~これが観たかったのよ!!と思ったんだけど、もう本当に時間がなくて隅々まで観てられない。内部も玄関ホールが再現されてて、もっとちゃんと観たかったんだけどさーっと観て出てきた。こんなことならば途中のブラジル移民の家とか病院とかまじめに観るんじゃなかった・・・
そして建物はここが最後なんだけど、私がやってるスタンプラリーはこの後にもうひとつSL東京駅というところがあるのだ。帝国ホテルを飛び出してそこへ向かう。小走りになりながら、犬山駅行きの最終バスの時刻表を取り出して見てみると、5時10分である。しかもそれまでに今まで来た道を引き返し、正門まで戻らねばならぬ。正門行きの園内バスに乗るにはどうしたらいいのだ、と案内書を見ると・・・
なぬー!!
帝国ホテル前発4時40分。
そして今は4時35分。
必死でSL東京駅まで行きスタンプ押して即引き返し、ハーハー言いながら帝国ホテルに戻ると、バスがいたのでホッとひと安心であった。運転手さんも親切で客は私ひとりだった。
5時ちょうどに正門に戻り、10分後のバスで明治村をあとにしました。ペース配分ミスで最後のほうは時間がなくなってとばしたところもあったが、67個中62個くらいはちゃんと中に入って観たし、入らなかったとこも通りすがりにさーっと眺めたからまあいいだろう。がんばったよ。
スタンプラリーも完成して、全部で18種類押せました。全部載せるのめんどくさいから1個だけ↓
犬山駅に着いて、思い立って駅近くのイトーヨーカドーに入った。昨日食べた味噌カツがおいしかったので、そういえば愛知県には「つけてみそかけてみそ」というご当地調味料があったではないか、あれ買って帰ろ!と思って名古屋駅のお土産屋を探したら、わざわざ2本入りにして700円という高値だったので(ひとり暮らしでいきなり2本はいらないよ)たぶんこっちの人は普段使いの調味料だからきっとスーパーとかで安く売ってるはず、と思いヨーカドーに行ったのだ。そしたら1本298円だったので迷わず購入。
これです
帰りにまたあの感じのいいパン屋に寄りたいなあと思ったんだけど、電車の都合もあって諦めた。再び訪れる日が来るのだろうか、来ないのだろうか。
そしてまた名鉄線に乗って名古屋へ帰った。
名鉄の駅ビルで夕飯を食べることにしました。山本屋総本家という味噌煮込みうどん屋さんに入った。卵入りのやつにしました。
ぐつぐつぐつぐつ
煮えとるな~
でも麺が生煮えのように固くて(こういうスタイルらしい)私は固め麺が好きなのでこれはよろしいと思った。味はめちゃくちゃ濃い目だ。別にご飯を頼んでかけて食べるのもよろしいみたい。
味噌煮込みうどんの有名な店は「山本屋総本家」と「山本屋本店」という、似た名前でまったく違うふたつがあるみたいなんだけど、なんでかしら。両社間でいろいろすったもんだがあったのかしら。
そしてその後は新幹線の出発時間まで駅ナカのイートインつきパン屋で時間をつぶしたのである。
ちなみにJR名古屋駅はメジャーすぎるほどメジャーな駅であるにも関わらず、いま現在は駅スタンプがないらしい。JR東海、なんという怠慢!!しかたないので近鉄の駅長室にお邪魔して押させてもらった。
近鉄には乗ってないけど。
そして21時半の新幹線で東を目指した。
何度も言うようだが新幹線は非常に速く、ついつい窓の外を観てしまうが夜おそいのでほとんど何も見えない。暗い中でいまどの辺を走っているのか当てようと、ずっと窓の外を観てたのだがあまりよくわからなかった。しかしどんなに速くとも暗くとも、ボウリング場だけははっききわかるのだ。あの巨大ピンのおかげで。
名古屋にいる間は全然花粉症の症状が出なかったなあ、やはりあれは東京の独特の病なのだろうか、と思ってたら、新横浜を過ぎたあたりから鼻がズビズバーハックシュンズビーとなり始めて、私だけではなくそこらじゅうでハックシュンズビーとやっているのだ。すごい、新幹線に乗ってても東京に近づけば症状が出始めるものなんだなあ・・・
東京駅に着いたのはもうすぐ日付が変わるという遅い時間だった。
前日の早朝から今日の夜まで、みっちりと名古屋・犬山を満喫できたので我ながらなかなかやるなーと思った。
ところで名古屋にははち丸くんという可愛いご当地キャラクターがいるのだ。
かわいいねえ~
(お土産のタオルを写した画像ですいません)
あれっ、ぜんまいざむらい・・・?と言ってはいけませんよ。
ちなみに犬山にもわん丸くんというキャラがいます。
目をつぶって股間をおさえてる写真しかなくてすいません。
それにしても、犬山のひとの異常な親切さに心打たれた旅だった。
おしまい
3月9日
きのうの某喫茶店のモーニングがふるわなかったので今朝はどこかいい喫茶店を探そうかと思ってたのだが、ホテルで無料の朝食サービスやってるというのでもったいないからそれを利用することにしました。予約するとき「朝食なしのお値段ですが無料の朝食つきなのでどうぞ」と言われたのだが、だったら「朝食つきでこの値段です」と言ってもいいのにと思った。そしたら朝食に文句つける奴がいそうだけど。無料で食べられるなんてお得~!!という気持ちにさせる作戦だろうか。
というわけでそんなに期待してなかったんだけど、パンが何種類かとおにぎりと、ヨーグルトまであって、お茶やコーヒー・ジュース類も勝手に飲めてなんか良かった。
さて身支度を整えチェックアウトして名古屋駅に向かう。
今日の夜の帰り間際にわちゃわちゃするのが嫌だったのでお土産を買ったら膨大な数に・・・(この旅でいちばんの出費ではなかろうか)
今日は名古屋を離れてアグレッシヴに動く予定なので駅のロッカーに荷物を預けた。
そして名鉄犬山線で犬山へ行きました。名古屋から急行かなんかで30分くらいだった。
目指すは国宝・犬山城です。
私は犬山駅で降りたんだけどそひとつ先の犬山遊園駅のほうがちょっと近いみたい。でも犬山からのほうがたぶん道がわかりやすいと思うんだ。10時ごろに行ったかなあ、観光地だし、お城までの参道(とは呼ばないと思うがメインストリート)にけっこう観光客向けのお店がありそうな感じだったのに、早いせいか、もともとなのか、ほとんど閉まっててかなり淋しかった。駅から歩くこと20分・・・
着いたどー
しかしここからが長い。そして坂道。
この階段とも言えないようなボッコボコのうっすら段になってるようなとこを上ってゆくのだ。やはり城というからにはご老人の観光客が多いが、足腰の弱い方・杖が必要なかたはちょっと考え直したほうがよろしいかも。
名古屋城はあんなにバリアフリーだったのに・・・
でもまあ城というものは本来攻め落とせないように建てられた要塞であるからして、こうでなくてはならん。
そして辿り着いた犬山城の、そのお姿の美しさといったら・・・
うおっほー
コンパクトで上品なたたずまいである。城好きでもない私もさすがにぐっときた。
国宝に指定されてる4つの城(姫路城、彦根城、松本城、犬山城)のなかでももっとも古く1537年に信長の叔父の織田与次郎信康という人が建てたんだって(まあ建てたのは大工さんでしょうけど)。そのの戦国の世にいろいろ城主が代わって、1617年から尾張藩の成瀬家のものになってからもうずっと最近まで成瀬さんちで代々受け継がれてきたんだってさ。
スタンプはオリジナルのやつと100名城シリーズのやつ、あとスタンプラリーようのもあった。
お城に入ってみると薄暗く、階段も階段というよりハシゴのようで、その一段一段が高くて(一段が私の膝の下くらいの高さなのだよ)ジジババ客はもとより比較的若めのお客もヒーハー言いながら登っていました。
せまくて寒くて展示物も手作り感ムンムンで個人所有の城というのもうなずけるなあ・・・と思いました。最上階まで行くとさすがに高く、遠く名古屋駅周辺の高層ビルまで見えます。
監視員みたいなおじさんというよりもうおじいちゃんがいたので「犬山城は個人の所有なんですよね」と聞いたら、平成16年に財団法人化されて今は犬山市が管理してるんだって。で、いろいろ説明してもらって、周りに回廊があるから見てみなさいよと言われたのだが「いえ、怖くて無理です」と言ったら「怖くないよ」と言われたので出てみたら
めちゃめちゃ怖いじゃんかよ
なんだろうこの恐怖は。アンコールワットの第三回廊に行ったとき以来の感覚だ(あの時は外階段だったのでもっと怖かったが)
で、この↑写真でお城の足元に流れてる川が木曽川といって、その向こうはもう岐阜県なんだって。
岐阜かあ~
この人生で、この目に、生の岐阜県を映す日が来るとは思ってなかった(先月は生まれて初めてカエルの卵見たし、何が起きるかわからんね・・・)。そして「あの山の上に岐阜城があります」と言われて俄然いきたくなったのである。
もしかしたらいつの日か、岐阜の土を踏む日が来るやもしれぬ。
ありがとう犬山城。ちょっと天気悪くなってきた??
あまりに素敵なお城だったので名残惜しく後ろ髪ひかれる気持ちでお城をあとにした。
お城のチケットで別のふたつの施設(犬山市文化史料館と別館からくり展示館)も入れるそうなのでせっかくだから入った。私はまったく存じ上げなかったのですが、犬山は4月にやる犬山祭りというのが有名みたいなんですね。車山という、大きいものでは高さが8mくらいある山鉾みたいなやつが町に繰り出して、そのからくりなんかを競うみたいですね。今年は4月の3と4でやったみたいよ。
お昼は何を食べようかな~と思いながら朝は閉まっていた観光客相手のお店をちらちら見ながら歩いたのだがこれというものがなく、朝の行きがけに駅の近くで見て気になってたパン屋さんに行ってみようと思った。なにも旅に出てまでパン屋に入らなくてもよかろうとか言わないの。
城下町のパン屋さん「茶蔵 I’s(ちゃくらあいず)」というお店なのですが、これがまー良い店だった。こぢんまりとしたイートイン有りの、手作り雑貨もおいてるような、下北沢とか自由が丘にありそうな感じのパン屋さんなのですが、店員さんが素晴らしいのだ!「え~何?全員オーナーさんなの?」みたいなくらい、みんなが店を愛してる、よってお客様に対して非常に親切なのだなあという感じがした。なんか気分がすごく良くなった。たぶんもう一生逢わないかもしれないのに。やはり接し方というのは本当に大切なんだなあと思ったのだった。
パン3つ購入。どっかで食べよう。
時間がさしせまっているので急いで駅へ。お城は東側にあるのだが、この後に乗りたいバスは西口から出るので慌てて線路を越える。そして間に合った。
ちょっと予定より遅れてしまったが無事明治村行きのバスに乗れました。始発から終点まで乗るのだが時間にすると約20分。なのにどんどんどんどん景色が田舎めいてゆくのであせって無駄に緊張した。緊張感が妙に高まったころに明治村に到着。
明治村は、その名を正式には「博物館 明治村Ⓡ」といい、取り壊されてゆく文化財を惜しんで保存するために昭和37年に財団法人が発足し、そして40年に開村したのだ。
前々からその存在は知ってたので犬山城とあわせてぜひ訪れたいと思ってたのです。ただ、とにかく広いらしいので気合充分で臨まねばならない!
入村料は1600円もした。けっこう高いな。元をとるべく、あますところなく隅々まで観なければいけないなと決心する。でも到着したのが12時半で、閉村時間が17時ということだったので最後までいれば4時間半もあるし、そんなに急がなくても全部観られるのではないかと思った。事前にサイトで調べて園内スタンプラリーがあるのを知ってたので、正門入ってすぐのとこにある売店にてスタンプ帳(100円)を購入。
明治村はその100万平方メートルの敷地内に67もの建物やSL等が散在し全部みてまわると4時間かかるというが、時間のない方はこのスタンプラリーを中心にまわり方を組み立ててみたり、国の重要文化財に指定されてる物件が10個あるからそれだけでも観てみたりというやり方がある。私は全部回るつもりだが天気が良かったのでさっき買ったパンをベンチで食べることにした。あの、ものすごーく感じの良いパン屋さんのパンはとてもおいしかった・・・
さて、腹いっぱいになりましたら心おきなく見学させていただく。
広い広い敷地でいったいどうやって観てけばいいのじゃーと思ってたのだが、最初にもらった地図を見ながら番号に従って歩いて行くと自然と最短距離を歩けるようになってるのである。「あら、地図ではこういう順番になってるけどこっちからまわったほうが早いんじゃないかしら」と思って我を通してしまうと結局は遠回りになってしまうのだ。道や階段をうまく配置しているんだねーすごいね。
全部紹介してるときりがないので印象的なものをちょっとだけあげてみます・・・
西郷従道邸(重要文化財)
ここを観てるときに小雨が降ってきて、出て行こうとしたときに強めになってきたのでここの係員さんに心配されたので向かいにある休憩所で雨待ちするので大丈夫です~と言って出てったのだが、やむどころかどんどんひどくなり、やがて雪になりそのうちにけっこう吹雪いてきちゃったのだよ。
ガ~ン
まだまだ初めのほうなのに~
と思いながら休憩所でボーっとしたりおトイレに入ったりしてたら、そのうち晴れてきたのだ。
そういうわけで散策再開。でもなんか寒くなってきた。
その後もたくさんあったけど抜粋してご紹介します・・・
ここは森鷗外と夏目漱石が住んでた家なんだって。
なんと!鷗外と漱石は同棲してたのか~・・・
と思ったらそういうことではなくて、明治20年から1年半鷗外が住んで、そのあと時を隔てて明治36年から39年まで漱石が借りて住んでたんだって。元々はお医者様の家を借りてんだって。この家には上がれるようになっている。
明治村の素晴らしいのははさー、じゃんじゃん入れ、じゃんじゃん上がれって感じで出し惜しんでないとこだよ。
三重県庁舎(重要文化財)
あれーここなんか知ってる気がする。と思ったら、NHKの「坂の上の雲」というドラマで使われてたんだって。東大予備門の建物として出演している。ほれ、モックン演ずる秋山真之がバルコニーから子規(香川照之)とか漱石(小澤征悦)を見下ろすシーンがあったよね。
こんなふうに。
それにしてもさっき雪ふったくせにずいぶん晴れたなー。
さて次は
東松家(とうまつけ)住宅(重要文化財)
名古屋の中心部にあった商家で、増築を繰り返して元々平屋だったのを3階建にしたもの。私が行ったときちょうどガイドのおじさんがいて、たまたま一緒になった高校生(と思われる)カップルとともに案内してもらったのだ。
これがなかなか面白い家でねー
なんていうんだろうね、さりげない風流とかおしゃれとか、たぶんガイドさんがいなかったら見逃しまくるであろ細工や工夫があって面白かったっす。そして一緒にまわった高校生カップルが良い子でさ・・・日本の未来に希望が・・・。
他にも
品川灯台とか
六郷川鉄橋とか
とにかくいろんな建物があって、そんな中でも「これが観たくて来たのだ!」というもののうちのひとつ
新大橋である。これだよ。
隅田川にかかってたのを、長さを8分の1にして移築したんだって。新大橋は地元といっていいくらい近所だからのー。現在かかってる橋の前に使われてたやつが第二の人生(人じゃないから人生じゃなくて橋生だ)を遠く犬山で送っているのだ。トラス橋だったんだね~・・・
ママにこの写真見せたら、おぼえてた。
ちなみに今かかってる新大橋はこちら。
私が生まれた年に完成したんじゃなかったか。
(この写真だと手前側が中央区、向こうが江東区です)
もうここまで来るとかなり後半も後半で67個のうちの55番目なのだが、時間はもう4時過ぎ。もしや全部観てたら閉村時間に間に合わないのではないか?という恐怖から、あまり興味のないやつは中に入ったりじろじろ見たりせずにサーっと駆け足で通り過ぎながら横目で見るという作戦に切り替えた(切り替えるの遅すぎた気もしますが)。そしてサーっとやって来たのが最後の67番目のこれ。
もうひとつ楽しみにしてた帝国ホテルです。かのフランク・ロイド・ライトの設計による名門ホテル。1923年から1968年まで使われてた建物の玄関部分。
車寄せ
これよこれ~これが観たかったのよ!!と思ったんだけど、もう本当に時間がなくて隅々まで観てられない。内部も玄関ホールが再現されてて、もっとちゃんと観たかったんだけどさーっと観て出てきた。こんなことならば途中のブラジル移民の家とか病院とかまじめに観るんじゃなかった・・・
そして建物はここが最後なんだけど、私がやってるスタンプラリーはこの後にもうひとつSL東京駅というところがあるのだ。帝国ホテルを飛び出してそこへ向かう。小走りになりながら、犬山駅行きの最終バスの時刻表を取り出して見てみると、5時10分である。しかもそれまでに今まで来た道を引き返し、正門まで戻らねばならぬ。正門行きの園内バスに乗るにはどうしたらいいのだ、と案内書を見ると・・・
なぬー!!
帝国ホテル前発4時40分。
そして今は4時35分。
必死でSL東京駅まで行きスタンプ押して即引き返し、ハーハー言いながら帝国ホテルに戻ると、バスがいたのでホッとひと安心であった。運転手さんも親切で客は私ひとりだった。
5時ちょうどに正門に戻り、10分後のバスで明治村をあとにしました。ペース配分ミスで最後のほうは時間がなくなってとばしたところもあったが、67個中62個くらいはちゃんと中に入って観たし、入らなかったとこも通りすがりにさーっと眺めたからまあいいだろう。がんばったよ。
スタンプラリーも完成して、全部で18種類押せました。全部載せるのめんどくさいから1個だけ↓
犬山駅に着いて、思い立って駅近くのイトーヨーカドーに入った。昨日食べた味噌カツがおいしかったので、そういえば愛知県には「つけてみそかけてみそ」というご当地調味料があったではないか、あれ買って帰ろ!と思って名古屋駅のお土産屋を探したら、わざわざ2本入りにして700円という高値だったので(ひとり暮らしでいきなり2本はいらないよ)たぶんこっちの人は普段使いの調味料だからきっとスーパーとかで安く売ってるはず、と思いヨーカドーに行ったのだ。そしたら1本298円だったので迷わず購入。
これです
帰りにまたあの感じのいいパン屋に寄りたいなあと思ったんだけど、電車の都合もあって諦めた。再び訪れる日が来るのだろうか、来ないのだろうか。
そしてまた名鉄線に乗って名古屋へ帰った。
名鉄の駅ビルで夕飯を食べることにしました。山本屋総本家という味噌煮込みうどん屋さんに入った。卵入りのやつにしました。
ぐつぐつぐつぐつ
煮えとるな~
でも麺が生煮えのように固くて(こういうスタイルらしい)私は固め麺が好きなのでこれはよろしいと思った。味はめちゃくちゃ濃い目だ。別にご飯を頼んでかけて食べるのもよろしいみたい。
味噌煮込みうどんの有名な店は「山本屋総本家」と「山本屋本店」という、似た名前でまったく違うふたつがあるみたいなんだけど、なんでかしら。両社間でいろいろすったもんだがあったのかしら。
そしてその後は新幹線の出発時間まで駅ナカのイートインつきパン屋で時間をつぶしたのである。
ちなみにJR名古屋駅はメジャーすぎるほどメジャーな駅であるにも関わらず、いま現在は駅スタンプがないらしい。JR東海、なんという怠慢!!しかたないので近鉄の駅長室にお邪魔して押させてもらった。
近鉄には乗ってないけど。
そして21時半の新幹線で東を目指した。
何度も言うようだが新幹線は非常に速く、ついつい窓の外を観てしまうが夜おそいのでほとんど何も見えない。暗い中でいまどの辺を走っているのか当てようと、ずっと窓の外を観てたのだがあまりよくわからなかった。しかしどんなに速くとも暗くとも、ボウリング場だけははっききわかるのだ。あの巨大ピンのおかげで。
名古屋にいる間は全然花粉症の症状が出なかったなあ、やはりあれは東京の独特の病なのだろうか、と思ってたら、新横浜を過ぎたあたりから鼻がズビズバーハックシュンズビーとなり始めて、私だけではなくそこらじゅうでハックシュンズビーとやっているのだ。すごい、新幹線に乗ってても東京に近づけば症状が出始めるものなんだなあ・・・
東京駅に着いたのはもうすぐ日付が変わるという遅い時間だった。
前日の早朝から今日の夜まで、みっちりと名古屋・犬山を満喫できたので我ながらなかなかやるなーと思った。
ところで名古屋にははち丸くんという可愛いご当地キャラクターがいるのだ。
かわいいねえ~
(お土産のタオルを写した画像ですいません)
あれっ、ぜんまいざむらい・・・?と言ってはいけませんよ。
ちなみに犬山にもわん丸くんというキャラがいます。
目をつぶって股間をおさえてる写真しかなくてすいません。
それにしても、犬山のひとの異常な親切さに心打たれた旅だった。
おしまい