今日は昨日のリベンジのためまた神保町シアターへ。
しかしまた満席で入れないとか嫌なので、出かける前にお席の予約状況を確認してみた。もし行ったあげく今日も観られないとなったら、クリスマスだし、寒いし、きっと死にたいような気持ちになってしまうだろう。
全部で99席の小さい劇場らしいが、電話かけた時点で三割くらい予約済みという。まだ3時間も前なのに!
「この作品は人気があるので、だいたい満席とか、満席になってしまいます・・・」と言われ、「満席とか満席って、つまり満席かな?」と思いつつ礼を言って電話をきり劇場へ急いだ。
神保町シアターはよしもとの神保町花月の地下にある。焦ってかなり早めに着いたので予約してから時間つぶしに古本屋街をぶらぶらひやかして歩く。ひやかすという表現がいちばん似合うのは古本屋だと思う。
古雑誌購入。この財政難に古雑誌なんか買ってる場合じゃないのに2冊も買ってしまった。そしてコーヒーを1杯飲んだら程よい時間になりましたので劇場へ。
今日は「小津安二郎の世界」という特集上映の「東京物語」という作品を観ました。小津監督は12月12日(私と同じ!)東京都は江東区深川(ご近所!)生まれというわけで勝手に親近感を抱いてたのだ(映画はひとつも観たことないくせに)。私が生まれるずっと前に亡くなってるけど。命日も12月12日。
さて「東京物語」ですが、これがなかなか長い話で(2時間16分だったかな)モノクロで、しかも特に何があるわけでもない一般的な家族の話で、それなのに最初から最後までずっと面白いとゆー奇跡のような映画だった。
知ってる俳優さんも何人か(笠智衆さん、東野英二郎さん、原節子さん、香川京子さん、杉村春子先生)出てるのだがあまりに昔で皆さん若過ぎて笠智衆と原節子以外は咄嗟にわからん。
原節子さん非常に良かった。昔の日本人は、こうも優しく他人を思いやることができたのかと。
まだ戦争が終わって数年しか経ってないから欲望の対象になるモノが絶対的に少なく、そのぶん他人に気を回すことができたのかなあと思う。今は欲望の対象が細かく多様化して膨大だからね。
尾道に住む老夫婦が東京で暮らす息子や娘たちをたずねるのだが、夜行列車で一日がかりでやって来てて、この時代の東京・広島間というのは現代でいうところの日本・アフリカ間くらいの距離感だったのかもしれん。
そして映画に出てくる東京の東の端の民家の古さとか狭さとゆーのが、うちのジジババんちに非常によく似ていて、ふすま越しに見える階段の角度なんてもうまさにそれだわ!と、思わぬ所で涙ぐんでしまった。
しかしまあこんなに面白いならもっと他のも観なきゃいかんね~