生活

とりとめもなく

龍臥亭

2012年05月11日 17時23分09秒 | Weblog
最近また島田荘司先生の本を続けて読んでますよ。
2001年の秋に読んだのだが、それをまた引っ張り出してきて読んだこれ↓

島田荘司「龍臥亭事件」(上下)
とにかくじゃんじゃん人が死ぬ。この頃になるともう御手洗くんは出てこずに、石岡くんがどうにかこうにか頑張って事件を解決すると言うスタイルになっている。あの天才的な御手洗くんと違って、自分はダメ人間だと思っている石岡くんが、龍臥亭の、素朴で正直で魅力的な人々のために文字通り命をかけてそれを守ろうとするけなげさに胸をうたれるし、ストーリー云々よりも登場人物を通して語られる人間の本質的な部分にうなずかされることが多い。島田荘司先生はこういうことを考えてるんだなーと思って面白い。
この本が書かれたころはまたインターネットや携帯電話が広く一般に普及してなかったのでノルウェーのオスロにいる御手洗に指示を仰ぐ際なんかは分厚い事件の報告をエアメールで送ったり国際電報で返事がきたり、ほんのちょっと前のことのようでいて(実際の話、前回(11年前)読んだときはあまり違和感を感じなかった)随分と現実世界は進歩したなあと思った。
この事件は都井睦雄事件(横溝先生の「八つ墓村」のモチーフにもなった「津山三十人殺し」ともいう)がフィーチャーされていて、これにも私は興味があるのでいろいろ読んでみたいなあと思っています。まだ八つ墓村でさえも読んだことないけどねー。
なぜまた龍臥亭事件を読んだのかといえば、これを読みたかったから↓

島田荘司「龍臥亭幻想」(上下)
前回の「龍臥亭事件」ではじゃんじゃん人が死んでしまったが、そこで生き残った人たちが同窓会のように8年ぶりにつどって、そしたらまた大事件が起きちゃうっていう話です。伝説のお殿様の鎧に入れられた死体がリビングデデッドのように人を殺すという、かなりアクロバティックなオチで、ああ島田先生もこういうのアリにしちゃうんだなあ、どんな不思議な話でも、ちゃんと納得できるように解決してきたのに・・・と思ってたら、ちゃんと種明かしがされたので安心しました。
これも、8年前に生死を共にした人たちが持つ連帯感みたいなものと、それぞれの人物の魅力が面白くてぐいぐい読めた。あれから8年もたつと携帯電話が一般化している。
今回も御手洗くんは出てこなくて石岡くんががんばるんだけど、解決ということにはならない。でも、めでたしめでたし。
次に読むのはもう決めている。龍臥亭のひとり娘・犬坊里美が主人公のやつ。
コメント
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