生活

とりとめもなく

氷壁

2017年10月08日 23時54分47秒 | 読書
最近読んでた本↓

井上靖「氷壁」
こないだ読んだ湊かなえさんのエッセイに出てきた作品でなんとなくよみたくなったんだけど、1957年に刊行された本なのでとても古いのだ。
親友の男同士が穂高岳に登り、頂上目前にしてひとりが滑落して死ぬのだがなぜ落ちたかというと切れるはずのないナイロンザイルが切れたからというのだ。
ひとり生き残って帰ってきた主人公は、あらぬ疑いをかけられたりして葛藤をかかえ、そしてその年の夏、またひとりで穂高を目指す。みたいな話で、600ページもあるんだけどなんか話のペースが遅々として進まないというか、なんか同じようなこと繰り返し書いてある気がすんだよなあ~
でも結末はすごく気になったので面白かった。でも楽しくはない。それにしても、人ひとり山で滑落死していて相方もいたというのに、雪が少ない季節になってから一般有志(死んだ男の登山の相方であり親友だった男も含む)が探しにいって見つけて、ちょっとした山小屋の外で連れてきた医者が検死してその場で火葬しちゃって、持ち物や重要な証拠であるナイロンザイルは遺族や友人にその場で引き取らせるというナントモ現代では考えられないようないい加減な事件処理だった。というか事件として扱ってないのね、でも登山中の事故として扱うにしてもなんかもっと検証したりしないものかねえ。
昔の小説を読むと警察とかいろいろユルいなあと思うけど、今が厳しすぎるのかしら。昔の人が現代のようすを見たら「がんじがらめか!」と思うのだろう。
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