今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

登頂 竹内洋岳

2014年12月02日 | 「本」のひきだし

ブクログより



竹内さんをテレビで見かけたことがあります。潜水夫(もっとスマートな呼び名があると思いますが)の方と対談されていました。
そのときの竹内さんの出で立ちは、ストールを巻き、素足に白いローファーかなんかを履いておられまして、おおよそ私たちが持っている山やのイメージを完全に覆すものでした。
そのときの内容はあまり印象に残っていませんが、竹内洋岳という人は私の中に強くインプットされたのでした。

本書はそんな彼が8000m峰14座完全登頂という偉業を成し遂げた記録です。といっても詳しい内容は最後にの2座に絞られていますが。

しかし私はびっくりしました。8000m峰全座登頂がまだなされていなかったなんて。彼が日本人で初めてだったなんて。
あれほどエベレスト、エベレストとどの登山家も競って向かっているこのご時世にねぇ、それほど大変なことだと言うことでしょう。

しかし彼はなんかそんなにがつがつしたところがないし、がむしゃらという感じでもないのです。
そう見せているだけかもしれませんが。
軽量化をはかるため、自分の体重もぎりぎり、筋肉もいらない、という人です。見かけも本当にひょろひょろですもんね。よくあんなで8000mの山を歩けるな、という感じの体です。

チョー・オユーの時は、パートナーをブログ上で募って、本当に連れて行ってしまいました。残念ながらアタック時には、同行できませんでしたが。
たくさんの人に8000mの山の感動を味わって欲しいって。

そして考え方が前向きというか、明るいです。
下山のルートを見失ったと言って、何回も登り返したあげく、着の身着のままでビバークしてしまうんです。
その時点での気象条件や気候を十分考慮してのことでしょうけど、ツエルトも被らず。昔だったら山で眠ったら死んでしまうとか言われていたのに・・・もうびっくりです。

14座目の山はダウラギリ、成功したときにメディアから14座登頂おめでとう!と言われて、「私は14座と言う山に登ったのではなく、ダウラギリに登ったんだ」って、ダウラギリは中学から知っていた思い入れのある山なのだそうです。ちょっと偏屈?
ともあれこれで終わりではなく、新たな挑戦はまだまだ続くらしいので、これからも目が離せません。

先日もエベレストの前人未踏の山に挑戦して、潔く撤退していましたねぇ。


登頂 竹内洋岳  / 塩野米松
★★★★☆

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