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ブクログより
10歳だったダニエルも17歳になった。
父の古書店を手伝いながら、敬愛する謎の作家フリアン・カラックスを追っている。
徐々にフリアン像が浮かび上がってくると同時に、次々と明らかにされる驚きの事実。とそれらが現在のダニエルの境遇とオーバーラップしていることに気づき愕然とする。
もしや同じ結末を迎えることになるのか?
作者の実に緻密で繊細な表現方法は、時にフリアンの恋人の乳母が入っている、暗くて死臭漂う養老院に、また逃避行をする日、不安な気持ちで恋人を待つフリアンがぽつんと座る霧に煙る早朝のプラットホームにと、様々な場所に瞬時に読み手を連れて行ってくれる。
内戦の前後という、陰惨な時代背景もあって、全体に流れる空気は重く暗いものだけれど、そこここに見える希望によって(読み手の勝手な希望か?)どんどん惹きつけられていく。
時代を超えて描かれる壮大なストーリーは、ミステリーでありロマンスでありハードボイルドである。
もうこのスケール感に圧倒されっぱなし!!
最後は、最後は・・・いつの間にか涙ぐんでいました。久しぶりに読書を満喫した!という感じです。
心にビタミンを補給しました。あっこのフレーズいいですやん?いま即興に浮かびましたが「心のビタミン」私にとっての読書とはまさにそういうことですわ。
紹介してくださったそよかぜさんに感謝です。有り難うございました。
風の影・下 / カルロス・ルイス・サフォン
★★★★★