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たなぞうより
面白かった! 楽しかった!
久々のノワールというのか、暗黒の世界、といっても犯罪とかではなく、合法的な組織が繰り広げる壮大な戦い。
だましあい、不意打ち、拷問・・・
今一緒に食事をしている相手が味方なのか敵なのか、一瞬の隙も許されない息詰まる展開に目が離せない。
そんな物語の主人公は、ロシアの貴族の末裔でありながら、熱い緑茶を好み、日本庭園を愛で、湯をはった浴槽につかり、状況を囲碁になぞらえて分析する日本の心を持った暗殺者。
張り詰めた緊張感のなかで、そういった「和」の部分をほどよく織り込んである。
そういう部分も読みやすさの一因かもしれない。
あとがきを読むと、これは「シブミ」の前日譚とある。後日譚ではなくて。
やっぱり読もうかな、大きい字の「シブミ」
これを読んでいるとき、今公開中の映画「シャンハイ」がオーバーラップした。時代は違っても、混乱の世の中では、常に駆け引きで成り立っているような、やるせない気持ちにもなる。
サトリ上・下 / ドン・ウインズロウ 著
★★★★★