院長のひとりごと

私、竹村院長が食べ物から健康まで基本的にノンジャンルでかきつづります。

スゴイマンガ「イキガミ。」

2007年03月06日 07時07分41秒 | ノンジャンル
「イキガミ」というすさまじいマンガを読みました。

なので感動を伝えるべく、プレゼンします。


時は200X年、日本国民は、この法律さえ守っていれば幸せに暮らせるのだと

信じ込まされ、日々を一生懸命に生きていた。

その法律の名は「国家繁栄維持法」。


日々、退廃的に、無為に時間を浪費する国民たちがいなくなるように国家は

国民に死へのわずかな恐怖を植えつけた。

この法のもとでは子供の頃に特定感染症の予防接種を全員が受けることを

義務づけられているが、その予防注射の1000本に1本、「ナノカプセル」と呼ばれる

時限爆弾が混じっているのだ。


このカプセルは体内に入ると肺動脈内にとどまり、あらかじめ設定されていた日時、時刻に

爆発し、その人を殺す。

1000人に1人が18歳~24歳までの間のいつの時かに爆発するというナノカプセルを

無作為に注射され、もしかしたら自分が・・・という恐怖をすべての若者に植え付けることで

生へのありがたみを実感し、日々を一生懸命生きなさいというのが、この法律の目的。




そしてその「選ばれし国民」の死亡予定24時間前に死亡予告を通知する1枚の紙が

配達される。


通称「逝き紙(イキガミ)」と呼ばれるその通知書を配る配達員が主人公です。

死亡予告通知を手渡すというなんとも嫌な仕事だけに、イキガミの配達員には

人知れぬ苦悩がつきまとうが、物語の主役はもちろん配達員ではなく、

不幸にもイキガミを受け取った人です。


自分に残された時間があと24時間と知った時、人は何を感じ、どう動くのか。


そこには各者各様のドラマがあり、見るものの魂を激しく揺さぶります。


長年、自分をいじめてきた奴らへの復讐を試みる者、

自分の夢に賭けるミュージシャン、

どこにでもいる等身大の若者の「出征前夜」の物語を描いたのが「イキガミ」という作品です。


よせばいいのに誰も患者さんのいないときに読んだら案の定、

「ギャーー!いい話だーーっ!」と号泣してしまい、赤く泣き腫らした目を

患者に気づかれないように下を向きっぱなしで午後をすごしたほどです。


一度でも「どう生きていけばいいのか」とか「何で生きてるんだろう」とか

自問したことがある人には読んで欲しい作品です。


考えるヒントがきっと見つかるはずです。


ちなみにこの「イキガミ」の1巻の初版本(定価505円)ネット上で価格が

爆発的に高騰して、一時期5000円(!)の高値で取引されてました。

何かと話題の多い作品です。