昨夜、公教育計画学会のメーリングリスト経由で、市川昭午さん(国立教育政策研究所名誉所員)がまとめられた、教育基本条例の修正2案(教育行政基本条例、学校基本条例)へのコメントが届きました。これを、ひとまず、このブログにアップしておきます。
ちなみに市川さんは、国立教育政策研究所などで長年、研究をつづけてこられた大ベテランの教育行政学者。また、市川さんは去年の暮れに、『大阪維新の会「教育基本条例案』何が問題か?」(教育開発研究所)を出版され、前の教育基本条例案を逐条解説的に検討し、「制定の必要がない」「適法性を欠く」「効率性も有効性も期待できない」など、厳しいコメントをしています。今回の文書は、その本の延長線上でのコメントにあたります。
中身は直接、市川さんの文章を読んでいただくのがいいのですが、たとえば今回の文書でも冒頭「はしがき」で、市川さんは次のように指摘しています。色を変えて表記しておきます。
〇教育二条例(案)は昨年秋の教育基本条例(案)と比べて簡単となり、また内容的にも国の法令が定めるところに近づいてきている。しかし見方を変えるならばそれだけ改めてこの二条例を制定する乏しくなったといえよう。このように教育二条例(案)は前案と比べれば若干穏当な内容になったものの、以下に指摘するようになお幾つかの問題点が残されている。
〇さらに見落とされてならないのは、職員基本条例(案)が相対評価について定めた第十五条を除き、府立学校教職員に全面的に適用されることになったことである。教育二条例(案)の内容が簡単となったのはそのためでもある。前案では職員条例(案)のうち学校教職員に適用されるのは、主に給与その他の勤務条件だけであり、任用、人事評価、懲戒処分・分限処分などは教育基本条例(案)で独自に規定されていた。
これ以降、市川さんは教育行政基本条例案・学校基本条例案の2条例案の内容について、各条文の内容をていねいに検討しながら、批判されています。このなかにはやはり、教育基本法や地方教育行政法等、現行の教育法例の趣旨にこの2条例案の中身が反しているとの指摘が多々見られます。
なお、詳しいことは、上記の市川さんの文書を直接、読んでご確認いただければ幸いです。