できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

2213冊目:渡邊啓貴『フランス現代史』

2015-12-29 23:49:42 | 本と雑誌

2213冊目はこの本。

渡邊啓貴『フランス現代史―英雄の時代から保革共存へ』(中公新書、1998年)

2015年11月の大阪首長W選で敗北したあと、ずるずるとおおさか維新の政治になびいていくかのように見える大阪の自民党を見ていて、「ここには『徹底抗戦』を説くド・ゴールはいないのか?」と思ってしまった。そんな状況下で読んだのが、この本。

フランス現代史―英雄の時代から保革共存へ (中公新書)


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2212冊目:桜井哲夫『占領下パリの思想家たち』

2015-12-29 23:43:54 | 本と雑誌

2212冊目はこの本。

桜井哲夫『占領下パリの思想家たち』(平凡社新書、2007年)

8年前に出た新書なんでちょっと古い本ですが、ひとまず「読みました」ということで。

橋下前市長が一応「政界引退」したとはいうものの、依然としておおさか維新の首長が府・市の行政を牛耳り、これを中央政界から安倍政権が後押ししているような状況下の大阪で、「いかにして抵抗することが可能か?」を考えようと思うと、どうしても「レジスタンス」に学ばないといけないかな・・・と思ったもので。

占領下パリの思想家たち―収容所と亡命の時代 (平凡社新書 356)


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2211冊目:日本再建イニシアティブ『「戦後保守」は終わったのか』

2015-12-29 23:27:46 | 本と雑誌

2211冊目はこの本。

日本再建イニシアティブ『「戦後保守」は終わったのか 自民党政治の危機』(角川新書、2015年)

かつての自民党田中派や大平派のような「保守本流」あるいは「中道保守」の政治は、この十数年の新自由主義的諸改革の流れのなかで、その存立の基盤を脅かされ、衰退の一歩をたどっているのではないか・・・。

このような私の疑問にまるで「そのような節あり」と答えるかのように、民間シンクタンクの自民党政治研究のこの一冊が答えてくれた。

と同時に、それは自民党の政治がだんだん新自由主義的諸改革のなかで、多様な人々を包摂する力を失い、社会的不平等(格差)の是正や社会的弱者の救済などの機能を失っていくプロセスでもあるのだが。

もう一度この「中道保守」の政治を復権させることができるかどうか。そこに日本社会の「包摂」力の回復、社会的不平等の是正等々、いろんな課題の解決がかかっているのでは?

「戦後保守」は終わったのか 自民党政治の危機 (角川新書)


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2210冊目:薬師院仁志『政治家橋下徹に成果なし。』

2015-12-29 22:58:39 | 本と雑誌

2210冊目はこの本。

薬師院仁志『政治家・橋下徹に成果なし。』(牧野出版、2015年)

この本もいわゆる「大阪都構想」は不要と思ったり、おおさか維新(旧・大阪維新の会)の政治にはとても共感できない私たちにしてみると、至極当然でまっとうなことしか書かれていない一冊。

でも維新シンパの人々は、こういう本を読まず、在阪マスコミ経由で垂れ流しの彼および維新の政治家のメッセージしかキャッチしないからなあ。

それと、大急ぎで大阪首長W選に間に合わせて出版したせいか、文中で誤植をいくつか見つけてしまった。そこが残念。

政治家・橋下徹に成果なし。


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2209冊目:平松邦夫『さらば!虚飾のトリックスター』

2015-12-29 22:53:09 | 本と雑誌

2209冊目はこの本。

平松邦夫『さらば!虚飾のトリックスター 「橋下劇場」の幕は下りたのか?』(ビジネス社、2015年)

この本も、いわゆる「大阪都構想」に対して批判的な立場でいろいろ動いてきた私たちにしてみると「当然」と思うような、そういう話が満載の一冊。

私はこの本を書いた平松さんとは直接面識があるだけに、余計にそう感じるのかもしれないけど。

それにしても、2015年秋の大阪首長W選では、とことんまで「ひとりにさせへん!」の彼を平松さん、応援しておられましたね。

たとえご自分は立候補しなくとも、ひとりの市民団体のリーダーとして、ほんとうに大阪をよくしてくれそうな候補者を支持・支援し、動けるところまで動こうとされている平松さんの姿に、あらためて敬意を表したいと思います。

さらば! 虚飾のトリックスター ~「橋下劇場」の幕は下りたのか?


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2208冊目:松本創『誰が「橋下徹」をつくったか』

2015-12-29 22:44:50 | 本と雑誌

2208冊目はこの本。

松本創『誰が「橋下徹」をつくったか―大阪都構想とメディアの迷走』(140B、2015年)

著者の松本創さんは以前、うちの大学案内の制作にも関わっておられて、そのために私のインタビューをしていただいたこともある方。

内容はフリーのライターの立場から、橋下前大阪市長・元大阪府知事と在阪マスコミとの関係を、「大阪都構想」問題をめぐる報道のあり方と関連づけながら問うた本。

一部知っている新聞記者さんのことも書かれていて、「これってご本人が読んだらどう思うかな?」と思うところもあった。

でも、大筋ではこの数年間の在阪マスコミと橋下前市長との関係をていねいかつ批判的に論じていて、好感は持てる。

要するに、日々彼が発信する情報を追いかけているだけに終始してしまって、結局いいように在阪マスコミは使われてしまっただけではないのか・・・という、私たち「都構想」批判派にとっては日常的に感じてきたことを、「ほらね、やっぱり」という形で明らかにしてくれた一冊ということ。

誰が「橋下徹」をつくったか ―大阪都構想とメディアの迷走


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2207冊目:山口義行『経済再生は「現場」から始まる』

2015-12-29 22:38:29 | 本と雑誌

2207冊目はこの本。

山口義行『経済再生は「現場」から始まる』(中公新書、2004年)

もう10年近く前の本だけど、いま、あらためて読むべき本かもしれない。

大阪の経済活性化を本気で考えるなら、大阪の中小企業や中小金融業の「現場」でどのような政策が求められているのか、足を運んで話を聴いて、「現場」で活性化策を考えなければ・・・。

まちがっても「都構想」だの「副首都」だの、「上から」しょうもない改革構想にすがってなんとかしようとしてはいけないのではないか・・・。

読み終えたあとに、そんなことを思った一冊。

 

経済再生は「現場」から始まる 市民・企業・行政の新しい関係 (中公新書)


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2206冊目:蓮池透『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』

2015-12-29 21:28:05 | 本と雑誌

2206冊目はこの本。

蓮池透『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社、2015年)

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)による日本人拉致問題について、被害者家族の立場から積極的に情報発信・問題提起を続けてきた方の本。

国交回復に向けた日朝交渉をすすめるなかで、何を「拉致問題の解決」目標として設定するのか。

また、その目標実現のために、具体的に誰がどのように交渉に臨むのか。

そのことに関する議論や説明なしに、ただ日本政府や有力政治家が「解決してみせる」と言ってきただけというのが、この本からわかる一連の経過である。

ある意味、そのような有力政治家の象徴としてこの本が取り上げたのが、安倍晋三(今の首相)ということなのでしょう。

また、被害者家族も一枚岩ではなく、支援者のあいだでもいろいろと日朝交渉のあり方をめぐって意見がわかれていることも、この本からよくわかる。

拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々


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2205冊目:内田樹・福島みずほ『「意地悪」化する日本』

2015-12-29 21:22:40 | 本と雑誌

2205冊目はこの本。

内田樹・福島みずほ『「意地悪」化する日本』(岩波書店、2015年)

この本の論調、内容には多くの点で共感するものの、「でも、多くの人がこの本を読まない」というところに、今の日本社会のさまざまな問題が集約されているんじゃないかな・・・・という気がした一冊。

「意地悪」化する日本


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2204冊目:仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』

2015-12-29 21:18:44 | 本と雑誌

2204冊目はこの本。

仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』(講談社現代新書、2009年)

この本は前にも読んだことがあるような気もするんですが・・・・。

一応「読みました」ということで、ここに記録だけ残しておきます。

特にコメントはなしです。

今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)


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2203冊目:楊海英『日本陸軍とモンゴル』

2015-12-29 21:09:54 | 本と雑誌

2203冊目はこの本。

楊海英『日本陸軍とモンゴル 興安軍官学校の知られざる戦い』(中公新書、2015年)

約1か月近くこちらのブログの更新をしないままに来ました。

冬休みに入ったので、ぼちぼち更新を再開します。

とりあえず、最近読んだ本なので、紹介しておきます。

この本は、日本の帝国主義(満州国建国に至る)と、支配地域拡大をねらう中国(これは国民党政権、共産党政権どちらも)のはざまのなかで、民族の自立を模索するモンゴル人のたたかいを、近代国家を担うエリート層としての職業軍人の育成という観点から論じた本。

日本のつくった傀儡政権ではあるものの、満州国の「五族協和」のスローガンのもとで、満州国の職業軍人としてモンゴル人の部隊を育成し、それを将来の民族の自立につなげようとした人々の存在が描かれている。

と同時に、日本の植民地支配が「五族協和」だのいいことを言っていても、くり返しモンゴル人を裏切り、自分たちの支配地域拡大のために利用しようとしてきたことも、これでよくわかる。

日本陸軍とモンゴル - 興安軍官学校の知られざる戦い (中公新書)


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