当寺の番犬「ぼたん」はとても神経質で足や、口に触ることはほとんどできません。
昨年、どうも犬の様子がおかしいので、よく体を見てみると、前足の地面に接していないちょっと上にある爪が羊の角のようにぐるぐるに伸びてしまっていました。
10年間、生まれてから一度も切ったことがないので、そこまでのびてしまったのでしょう。
でも、足に触ることができないので、獣医さんにお願いすることにしました。
しかし、獣医さんをとても嫌っているので、鎮静剤を注射して、それが効いてくるまで一時間ほど散歩をして、ぐったりしたところで切ってもらおうとしたのですが、ちょっとでも獣医さんが触ろうとすると、歯をむき出して威嚇します。
それで、口を包帯で縛って動かないようにして、やっとのことで爪を切ることができました。
もう、これで一生切らなくても大丈夫でしょうという獣医さんの言葉でしたが、たった一年でまた去年と同じくらいに伸びてしまっています。
去年は犬も人間も大変な思いをしたので、今年は何とか自分で切れないかと思い、作戦をたてたのです。
ぼたんは車でドライブをするのが好きなので、車で移動中に爪を切るという作戦です。
一人が車を運転して、私が助手席に座り、ボタンを膝にのせて座らせます。
車を走らせていると、ぼたんの興味が外に向きますから、その時に後ろから足の間に手を入れて、こっそり切ろうというのです。
二週間ほど前に、予行演習で、つつじが咲き霊園まで車を走らせ、その間、ぼたんを膝に座らせて、ずっと足を触りつづけて慣らしました。
最初は嫌がりましたが、慣れれば何ともないようです。 (外の景色や人に気をとられているという特殊な状態なのでなんとか触れたのですが)
そして、本日決行、無事成功しました。
爪を切られたことには、全く気づかなかなかったようです。
ぼたんは甲斐犬の血が入っているので、山が大好きです。
ご褒美につつじが咲き霊園でちょっとお散歩です。
ふつうは簡単にできることなのでしょうが、うちでは大変な作業です。
無事成功してホッとしました。
でも、もしかして、来年もまた、この作業をしなければならなかったりして・・・・。
<つつじが咲き霊園の階段、軽快に駆け上がっていきます。>
<駆け降りるのも速くて人間の方が追い付きません。>
<こういう山の斜面が特にお好きなようです。>
<切り取った爪、大きい方が左足で、小さい方が右足です。なぜか、左足の方が延びが早いようです。>