セレンディピティ ダイアリー

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ネイサンのジオメトリー・トースト &シネマの中のひとさら

2017年02月10日 | +映画のひとさら

映画「僕と世界の方程式」の中で、主人公のネイサンが食べていたジオメトリー・トースト。数字と図形が大好きなネイサンのために、お母さんが用意した朝食です。映画を見たら、私もまねして作ってみたくなりました。

食パンに柔らかくしたバターをぬってメイプルシュガーをふりかけ、映画と同じようにカットして焼きました。ヨーグルトにはいちご・ブルーベリー・チアシードを添えて。フレーク状のメイプルシュガーを使ったので、表面がでこぼこしてますが、ふくよかな甘みがあっておいしくいただきました。

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思えば映画に登場するお料理やお菓子が食べたくなって、これまでにも度々作ってきました。ここでふりかえってまとめておきます。(リンクをクリックすると関連記事に飛びます。)

マギーのレモンパイ @ミリオンダラー・ベイビー(Million Dollar Baby)

マギー(ヒラリー・スワンク)がフランキー(クリント・イーストウッド)とともに訪れた、故郷の田舎町のダイナーで食べたレモンパイ

ロレッタの目玉焼きトースト @月の輝く夜に(Moonstruck)

ロレッタ(シェール)のお母さんが作った、朝食の目玉焼きトースト

いちごとマスカルポーネのトースト @ニューヨークの恋人(Kate & Leopold)

レオポルド(ヒュー・ジャックマン)がケイト(メグ・ライアン)のために用意したヘルシーな朝食

ミニーのチョコレートパイ @ヘルプ 心がつなぐストーリー(The Help)

ミニー(オクタヴィア・スペンサー)が意地悪なヒリー(ブライス・ダラス・フォワード)に作った〇〇入りチョコレートパイ

ウォルターのクレメンタイン・ケーキ @LIFE!(The Secret Life of Walter Mitty)

ウォルター(ベン・スティラー)のために、お母さん(シャーリー・マクレーン)が作ったバースデーケーキ

シベリア @風立ちぬ

二郎が仕事帰りに買ったシベリア

いや~、映画ってほんとうにいいもんですね~

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僕と世界の方程式

2017年02月08日 | 映画

BBCのドキュメンタリーをもとに、国際数学オリンピックで金メダルを目指す天才少年を描いたドラマ「僕と世界の方程式」(X+Y / A Brilliant Young Mind)を見ました。

幼い頃に自閉症スペクトラムと診断され、人とのコミュニケーションがうまくとれないネイサン(エイサ・バターフィールド)にとって、数学は唯一の友だちでした。最愛の父を交通事故で亡くし、ますます心を閉ざすネイサンのために、母(サリー・ホーキンス)は数学教師ハンフリーズ(レイフ・スポール)に個人指導を依頼します。

やがて国際数学オリンピックの代表候補に選ばれたネイサンは、英国チームのメンバーとして台湾での合宿に参加。そこで出会った中国チームのチャン・メイと、少しずつ心を通わせていきますが...。

数学オリンピックを題材にした作品ときいて楽しみにしていましたが、私にはちょっぴりもの足りなかった...。数学の天才少年ということで、チェスの天才少年ジョシュ・ウェイツキンを描いた「ボビー・フィッシャーを探して」のような作品を期待していましたが、本作で言いたかったことは、別のところにあったようです。

これまで人との関係がうまく築けなかったネイサンが、国際数学オリンピックに出場したいとの思いから、初めて外の世界に飛び出して参加した台湾での合宿。彼にとっては初めて同世代の子どもたちと接する機会であり、寝食をともにし、とまどいながらも仲間と切磋琢磨していく姿を、応援しながら見ていました。

殻の中からそっと顔をのぞかせて、様子をうかがっていたネイサンを、何のてらいもなく引っ張り上げて、外の世界へと連れ出してくれるチェン・メイが実にチャーミング。2人のほのかなロマンスを微笑ましく見守っていましたが、ラストへの展開は思いがけないものでした。

ネイサンもチェン・メイも、せっかくここまでいっしょにがんばってきたのだから、たとえ結果が出せなかったとしても、最後までチャレンジして欲しかった、と個人的には思いました。2人が選ばれたことで代表になれなかった選手もいるし、途中棄権したことで、チームにも迷惑がかかるのですから。

数学オリンピックがすべてではないけれど、オリンピックが終わったあとに会うことだってできたはず。目の前にあることから逃げているように感じてしまったのがちょっぴり残念でした。

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ザ・カフェ by アマン

2017年02月07日 | グルメ

4月下旬の暖かさとなったこの日、大手町のアマン東京にあるダイニング、「ザ・カフェ by アマン」にお昼を食べに行きました。アマン東京は、東南アジアを中心に展開するアマン・リゾートの、日本初となる都市型ホテル。ザ・カフェは、ビルに隣接した緑の木立の中に建つガラス張りのレストランで、オフィス街の小さなオアシスといった雰囲気でした。

この日は、前菜、メイン、デザートをそれぞれ3種類の中から選ぶコースをいただきました。お料理はフレンチですが、軽やかな口当たりでおなかにやさしいのがうれしい。季節の食材を生かしたお料理は、どれもおいしかったです。

カリフラワーのヴェルーテ ズワイ蟹とミモレットチーズ

カリフラワーのクリームスープの中央に、セルクルで型取りしたズワイ蟹がのっています。淡白なカリフラワーにズワイ蟹がいいアクセントになっていました。

ラパンのクルスティアン トムチーズとポテトのアリゴ

私はこちらをいただきました。ウサギをクレープの皮で四角く包み、パリッと焼き上げたお料理。ジビエの季節にぴったりの一品でした。淡白なウサギがさわやかなグリーンによく合い、食感のコンビネーションも楽しめました。

寒鰤のポワレ サフランのソース

私はこちらをいただきました。ブリはザ・和風のお味だと思ってましたが、こういう風にいただくのもおいしいなーと発見でした。今度まねして作ってみようと思います。フルーティな白ワインによく合いました。

牛頬肉の赤ワイン煮

食べかけで失礼します。王道のお料理ですが、お肉が柔らかくておいしかった!

ドライフルーツとリコッタチーズのクレープ

軽く泡立てたリコッタチーズがふんわり優しい口当たり。

金柑のコンポートと栗のミルリトン

私はこちらをいただきました。名まえからあっさりしたデザートを想像していましたが、何層にも重なった一皿は圧巻。焼菓子が好きなのでうれしかったです。深煎りのコーヒーとともにおいしくいただきました。

店内はオープンキッチンで、外の緑が見渡せ、カジュアルで開放的な雰囲気。テーブルクロスの代わりに、蓮の葉を模したずっしりと重いアイアンのプレートがセットされています。このプレートは中国から取り寄せたとのことですが、他にもインテリアのそこかしこに、アジアのテイストが感じられました。

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スノーデン

2017年02月06日 | 映画

2013年に発覚したアメリカ政府による個人情報監視プログラムの正体を、内部告発したエドワード・スノーデンの目を通して描いたドラマ、「スノーデン」(Snowden)を見ました。「プラトーン」「ウォール街」などの社会派作品で知られるオリバー・ストーン監督が映画化。

先に昨年公開されたドキュメンタリー「シチズンフォー スノーデンの暴露」を見て、衝撃を受けました。本作はドキュメンタリーを肉づけするように、スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)のこれまでの足取りを軍人時代までさかのぼり、CIAに入った経緯や、NSA(国家安全保障局)での仕事などを、恋人(シャイリーン・ウッドリー)との関係を織り交ぜながら描いています。

NSAによる情報収集の方法と、情報監視プログラムを使うとどんなことができるか、具体的なドラマを通して見せているので、いつか自分にも降りかかるかもしれないという恐怖に震撼しました。愛国者だったスノーデンがなぜ国家に反旗を翻し、自らの命を危険にさらしてまで内部告発したのか、その決断を重く受け止めました。

最近は犯罪捜査で監視カメラやSNSの解析が普通に行われるようになりましたが、こうした監視社会は不気味ではあるけれど、治安を維持するためにはある程度しかたがない、と思っていました。アメリカの個人情報監視プログラムが明らかになった時も、当初政府はテロ対策だと反論していたのです。

しかし実際には、Microsoft、Google、Yahoo!などの協力を得て、テロとは関係のない個人情報を、国内外を問わず収集していたのです。これでは相手のカードがすべて見える状態でトランプをやっているようなもので、他国との外交において、アメリカは圧倒的に優位な立場で交渉ができることとなります。

以前スノーデンが、NSAが他国首脳の通話も盗聴していることを告発し、ドイツやフランスが正式に抗議したことがありましたが、映画では、スノーデンは横田基地にいたことがあり、日本のコンピュータシステムにマルウェアを仕込み、日本が同盟国でなくなった時にはシステムダウンするよう工作されている...と明かしていて絶句しました。

また、PCや電話の操作履歴やクレジットカードの使用履歴など、いくつかの情報を組み合わせることで、ターゲットの行動や家族、交友関係、発言まですべて把握でき、その中にわずかでも弱点があれば、それをもとにその人を簡単に失脚させることができるのです。それを目の当たりにしたスノーデンは、自分も監視されていることを確信し、恐怖に襲われます。

このままでは個人の自由と権利が失われ、民主主義をも崩壊すると予期したスノーデンは、慎重に準備を進めて、英ガーディアン紙とコンタクトをとり、内部告発することを決意。その後の展開については報道されている通りですが、現在は恋人リンゼイとともにロシアに潜伏しているというスノーデンのこれからが気になるところです。

シチズンフォー スノーデンの暴露 (Citizenfour)

2013年、ドキュメンタリー映像作家のローラ・ポイトラスのもとに、シチズンフォーなる人物が接触してきます。最重要機密情報を持っているというその人物こそ、エドワード・スノーデン。本作は、香港のホテルで行われたスノーデンへのインタビュー(=最初の告発)をもとに構成した、ドキュメンタリー映画です。スパイ小説顔負けの内容ですが、これが事実であることに驚愕します。

取材している最中にも、スノーデンが潜伏する香港のホテルに怪電話がかかり、恋人が待つ家の前には不審な車が停まり...スノーデンの証言を裏付けするような展開に背筋が凍ります。ドキュメンタリーならではのリアリティと緊張感があり、「スノーデン」とあわせて是非見ていただきたい作品です。

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