ゴールデンウィーク後半から読み始めた『ウルトラ・ダラー』(手嶋龍一著・新潮社)、昨日やっと読み終えました。
手嶋龍一さんとは、昨年12月に、高校の先輩の会社のパーティーでお会いし、講演「アメリカの現状と日本」を聴いたのですが、「不勉強ですみません。台湾海峡の問題をもう少し詳しく教えていただきたいのですが」と質問したら、「2月に本が出るので、ぜひ読んで下さい」とのことでした。
本の帯に、「衝撃のドキュメンタリー・ノベル」「これを小説と言っているのは著者だけだ!」・・・とあります。本当に、ドキドキしながら読みました。
この小説のタイトル“ウルトラダラー”とは、“北朝鮮の偽百ドル紙幣”のこと。朝鮮半島だけでなく、米国、中国、ロシア、ウクライナ、フランス、そして日本が舞台となっています。
そこで起こる数々の“事件”や“情報・諜報”のほとんどが現実のものと符合するので報道記事を読んでいるようでした。
それらひとつひとつの断片が、やがて関連しあいつながって、最後のジグソーパズルが埋まり、途方もない巨大な絵があらわれる・・・のです。
キーワードは“インテリジェンス(情報・諜報)”と“公電”でしょうか。(1990年の金丸信訪朝団から、今日の小泉純一郎首相の二度の訪朝にいたるまで、北朝鮮外交に関しては公電がきちんと残されていない・・・)
米国と中国という大国の世界戦略を日本は的確に捉えているのだろうか・・・?
詳細については読んでからのお楽しみということもあると思いますので、ここでは述べませんが、私が一番感じたのは、ようするに、「あまりにも貧しくて悲しいほどの日本外交。外交と呼ぶことさえためらわれる、と著者は訴えているのではないか」ということです。
国会議員はもっと外交に専念すべきであり、外交があって初めて「日本の国のかたち」も見えてくる、のではないでしょうか。
情報不足が前提では、何を議論しても新たな情報に振り回され、ジェットコースターに乗っているように、米軍基地再編の問題、靖国問題、イラン問題、石油問題、北朝鮮の覚せい剤問題・・・と、ニュースのジグソーだけを次から次へと見せられているようです。
「じゃあ、日本という国は、いったい、今、どういう立場と状況におかれているの?」という全体がまったく見えてこない。
全体をパズルのようにつなげて議論することで日本の外交も論じることが可能になり、日本の置かれている状況も理解しての「日本の国」ということではないだろうか、と思うのです。
現在、教育基本法改正の議論の中で、「国を愛する」というような表現が国会で取り沙汰されていますが、どうもそこにもこの本における“外交オンチ”があるような気がします。
戦争は最大の人権侵害です。日本が再びそういう方向に手を染めないでいる、そういう国の状態をずっと維持したいし、そういう国だから心から誇りに思うし「愛せるなー」と、私は感じるのです。
そのための外交だと思います。
外交レベルによって国はいくらでも変わり果ててしまう、だからこそ外交レベルを上げなくてはいけないのだと思います。(国会議員は地方議員と同じではいけないのです!地方議員のような国会議員は無駄!)
国(国会議員)の仕事は、「外交と安全」(それに尽きると言ってもいいくらい)だと考えます。
日本の外交(のまずさ)を見ていると「これで大丈夫なのだろうか?」と、以前より感じてはいましたが、この小説(ノンフィクション??)を読み終わったら、ますます背筋が寒くなるようです。
すでに読んだ方はどのように感じられたでしょうか。
手嶋龍一オフィシャルサイトには、“ウルトラ・ダラーの主人公スティーブン・ブラッドレー”と読者を結ぶ“Stephen’s Club ”が開設されていて、登録すると『スティーブン通信』が届くようになっています。なかなか興味深いです。
手嶋龍一さんとは、昨年12月に、高校の先輩の会社のパーティーでお会いし、講演「アメリカの現状と日本」を聴いたのですが、「不勉強ですみません。台湾海峡の問題をもう少し詳しく教えていただきたいのですが」と質問したら、「2月に本が出るので、ぜひ読んで下さい」とのことでした。
本の帯に、「衝撃のドキュメンタリー・ノベル」「これを小説と言っているのは著者だけだ!」・・・とあります。本当に、ドキドキしながら読みました。
この小説のタイトル“ウルトラダラー”とは、“北朝鮮の偽百ドル紙幣”のこと。朝鮮半島だけでなく、米国、中国、ロシア、ウクライナ、フランス、そして日本が舞台となっています。
そこで起こる数々の“事件”や“情報・諜報”のほとんどが現実のものと符合するので報道記事を読んでいるようでした。
それらひとつひとつの断片が、やがて関連しあいつながって、最後のジグソーパズルが埋まり、途方もない巨大な絵があらわれる・・・のです。
キーワードは“インテリジェンス(情報・諜報)”と“公電”でしょうか。(1990年の金丸信訪朝団から、今日の小泉純一郎首相の二度の訪朝にいたるまで、北朝鮮外交に関しては公電がきちんと残されていない・・・)
米国と中国という大国の世界戦略を日本は的確に捉えているのだろうか・・・?
詳細については読んでからのお楽しみということもあると思いますので、ここでは述べませんが、私が一番感じたのは、ようするに、「あまりにも貧しくて悲しいほどの日本外交。外交と呼ぶことさえためらわれる、と著者は訴えているのではないか」ということです。
国会議員はもっと外交に専念すべきであり、外交があって初めて「日本の国のかたち」も見えてくる、のではないでしょうか。
情報不足が前提では、何を議論しても新たな情報に振り回され、ジェットコースターに乗っているように、米軍基地再編の問題、靖国問題、イラン問題、石油問題、北朝鮮の覚せい剤問題・・・と、ニュースのジグソーだけを次から次へと見せられているようです。
「じゃあ、日本という国は、いったい、今、どういう立場と状況におかれているの?」という全体がまったく見えてこない。
全体をパズルのようにつなげて議論することで日本の外交も論じることが可能になり、日本の置かれている状況も理解しての「日本の国」ということではないだろうか、と思うのです。
現在、教育基本法改正の議論の中で、「国を愛する」というような表現が国会で取り沙汰されていますが、どうもそこにもこの本における“外交オンチ”があるような気がします。
戦争は最大の人権侵害です。日本が再びそういう方向に手を染めないでいる、そういう国の状態をずっと維持したいし、そういう国だから心から誇りに思うし「愛せるなー」と、私は感じるのです。
そのための外交だと思います。
外交レベルによって国はいくらでも変わり果ててしまう、だからこそ外交レベルを上げなくてはいけないのだと思います。(国会議員は地方議員と同じではいけないのです!地方議員のような国会議員は無駄!)
国(国会議員)の仕事は、「外交と安全」(それに尽きると言ってもいいくらい)だと考えます。
日本の外交(のまずさ)を見ていると「これで大丈夫なのだろうか?」と、以前より感じてはいましたが、この小説(ノンフィクション??)を読み終わったら、ますます背筋が寒くなるようです。
すでに読んだ方はどのように感じられたでしょうか。
手嶋龍一オフィシャルサイトには、“ウルトラ・ダラーの主人公スティーブン・ブラッドレー”と読者を結ぶ“Stephen’s Club ”が開設されていて、登録すると『スティーブン通信』が届くようになっています。なかなか興味深いです。