野毛のつり橋から。
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冬に向かって空気がピンと澄んでくると
富士はよりはっきりとみえるようになります。
昨年の暮れのことですが、野毛のつり橋の上で富士山を
熱心に写メしていた女性がいました。
会社帰りだそうで
実はまったく正反対の方向なんだけれど、
ここに来れば富士山がみえるかもしれないと、
わざわざ寄り道したのだとか。
『いいですねえ、こんな風に富士山が見えるなんて。
私は●●区に住んでいるんですけど、もうコンクリートのビルばかりでとっても窮屈なんです。
今日はこんなきれいな稜線も緑も見られて感激。
遠回りして良かったわ－♪』
そういってとても楽しそうに帰っていかれました。
近くにあっていつでも見える事が当たり前だと思っていた風景を
こんな風に楽しんで喜んで幸せに感じる人がいる、とあらためて教えていただいた日でした。
以来、このつり橋から富士山を見る度に
あの時の女性の姿を思い出します。
このつり橋は私にとってはいろいろな出会いや体験をさせてもらえる場所だと、
再認識しているこの頃です。
今日も鮮やかな夕焼けにシルエットが美しい冬の富士でした。