明治から昭和にかけて日本の画壇の一翼をになってきた人々の展示会です。
村山隗多は天才とよばれ、その独自の作風で将来を嘱望されつつ夭折。
その親友山崎省三は彼の意志を引き継ぎ、日本の近代絵画を農村生活市民生活に還元しようと尽力、自らの作品を描きながら後進の指導にも熱心だった作家。
彼らを中心に様々な才能が集い、春陽会の基礎を築きあげました。
昭和初期の若い画家たちの展示会です。
油絵にとどまらず、インダストリアルデザイン、インテリアデザイン、グラフィックデザイン、そしてそのイメージトレーニング方法から美術教育へ。
暗中模索しながら、力強く歩みを進める若い彼らの熱気が伝わります。
同時に
展覧会に出そうと描いた油絵を、滞納した家賃代わりに大家に持って行かれ急遽別の作品を出品したとか、
療養中に姉夫婦にカステラ一箱無心するために,描いた小さな風景画など、小さなエピソードとともにその作品が掲げられ、ぐいぐいと引込まれてしまいました。
彼らの意志を未来を信じて物心両面からサポートした多くの人たちの影も織り交ぜながら、見応えのある作品展。
ターナーもミュシャも素敵ですが、こんな風に近代日本絵画の原点のひとつを見つめ直すのも良いのではないかしら。
横須賀美術館は京浜急行で浦賀下車。
京急バスで観音崎まで。そこから海岸線にそって徒歩5分。
海を正面に眺める小高い丘にあります。
母と行ってきました。
山崎省三は母の油絵の師匠、今関鷲人先生の姑にあたり、今回の展示レイアウトを先生が監修されたのだそうです。その縁でこのエネルギッシュな展示会を知ることができたのでした。
美術館の中から外を見ると海と直結しているようなふしぎな感じ。
この日は快晴。
遠く千葉のコンビナートまで見えました。
明日はここでいただいたお食事のお話です。
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