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「感」(目のつけ所)の鋭さ

2018-12-12 08:07:06 | 歴史から学ぶ

@事件にはどこかに必ず何かの証拠が残る。同心祖式弦一郎の鋭い「感」は様々な事件をその証拠から解決する事件簿だ。 人間誰でも「感」はある、と思う。それがどんな「感」なのかはそれぞれ違うだろうが、仕事、生活にもその「感」が生かせるのは羨ましい。この小説にあるような刑事捜査など、それに商売を始めるアントレプレナーの「感」(どんな商売を起こせば成功するのか)など感を磨くにはどうしたらいいのだろうか。それは日頃から何か集中する心構えが必要だろう。集中するためには、何をしたいのか、するべきマト(目標・目的)を絞り、目指す初期行動が必要で、それを補うための「発信力」、「情報収集力」、「情報分析力」それに「行動力」等も必要だろう。 何気ない発信でも今はネットからでも教えてくれる、それを利用しないのは勿体無い。

『悪の狩人 非道人別帳』森村誠一

  • 太平の世の人心を引き締めるため幕府が復活させた「鋸挽きの刑」、しかしその最初の科人となった美しい娘は、ある夜晒し場で考察されてしまう。抜群の臭覚を持った同心・祖式弦一郎は、事件の裏に潜む巨悪の存在を突き止めるが。 この事件を皮切りに江戸市中で起こる怪事件を影で操る姿見えぬ敵との戦いが始まる。
  • 「悪の狩人」
  •             引き回し、磔で恥を晒したくないと美しい娘に頼まれて鋸挽き で刺殺される。娘(養女)は育ての親が不治の病から楽に死なせるため毒殺を盛った。それで刑を受けるが、実は親の財産を狙った後妻が養女に仕掛けた罠だった。
  • 「供養千両」
  •             子供の病死から「かどわかし」(誘拐)を装い主人への恨みから仕掛けるが失敗。同時に刺客が間違って主人の子供を「かどわかし」で刺殺、千両も取られる。その千両は病死の子供の棺桶に隠された。
  • 「猫の御落胤」
  •             「上がり込み」という新手の犯罪が多発、隠居人に猫を使い若い女が上がり込み財産をむしり取るという新手。ある隠居人の死体から下手人を探る、そこに珍しい猫の存在から下手人を捕まえる
  • 「恨み茸」
  •             耳削ぎ事件。耳を揃えたものがお守りとして商売が成り立つ。そこに刺客が人の耳朶を狙った殺人事件を起こす。売人は武家だとわかり一戦するが失敗、逃げられる。
  • 「女神の焚殺」
  •             茶屋の売り子の娘が水死体で発見される。多くの下手人があげられたが最後に娘を孕ませた犯人の殺害とわかる。
  • 「誘死香」
  •         「かどわかし」と似た誘拐事件が起きるが、事件を起こしたのは薬香料で眠らせ女を鑑賞するという奇妙な坊主の仕業だった。
  • 江戸時代の刑は獄門、磔、火炙り、鋸引きなど残酷刑があった。復興した理由は平和ボケしてたるみきった武士階級に活を入れるためだとした。戦国の気風うの残る徳川の初期体制に戻す事であった。
  • 鋸引きの刑とは親殺しをした者への刑で、2日間晒し、鋸引きの上1日引き回し、磔となる。朝昼晩と3回握り飯と水が与えられる。首まで埋められているので使役が口元まで運んで飲食させる。鋸引きは昼間だけ晒して午後4時には穴から出して牢に帰す。