@人間の行動にはまれに不可思議なことも多い、それはこの「思考の落とし穴」に嵌るからだ。その主なものは先入観から直感的に判断している所為だという。
下記にあるフレミングの罠、選択のパラドックスの罠、サンクコストの罠、結果による錯覚の罠、集団思考の罠、アンカーリングの罠、マイナス過大評価の罠、倍々ゲームの罠など実にその通りだと思いつつ行動するのは面白い。
『Think Right』ロルフ・ドベリ
正しい決断を下すために、知っておくべきこと。「思考の落とし穴」について心の羅針盤となる
「誤った先入観を捨て、より良い選択をする為の思考法」
・フレミングの罠
「脂肪分99%カット」と「脂肪分1%」どっちを選ぶ
聞こえをよくするための表現に惑わされない
・確証の罠
賢い人ほど「自分の誤りを証明する」に目を向ける
・権威の罠
無意識のうちに「権威のある人」に服従してしまう
権威を信じるあまり、自分自身で考えなくなってしまう
・希少性の錯覚の罠
「珍しいものには価値がある」と思い込む(古代ローマ人が言う)
「最後の1枚」二度と手に入らない=どれほど役に立つのか基準に判断すべき
・選択のパラドックスの罠
選択肢が多ければ多いほど良いものを選べない
理由:選択肢が多すぎると、考えることをやめ、誤った決断を下し、不満を感じる
・「貴方が好き」の罠
自分に似ているほど相手を好きになる(ミラーリング)
「好感」の要因:外見が魅力的・人間性が似ている・好意を抱いてくれている
「人間と似たような目をした動物」により大きな親しみが湧く
・お返しの法則の罠
もらったときの「負い目」を感じる
寄付の手口:何かを無償で貰い、その後寄付を要求、助けてほしいと要求される
・生き残りの罠
生き残るには、何度でも「失敗」から学ぶべきである
・サンクコストの罠(sunk cost:埋没費用)
「もったいない」は命取りになる
投資を回収するため続けたいという欲求が高まる(コンコルドの誤謬)
・コントラスの罠
「比較するもの」があると正常な判断ができない
より良いものを欲しがる人の欲求
デートにはモデルの友人は連れて行かないほうがいい(比較対象となる)
・自信過剰の罠
専門家の方がかかりやすい・自信過剰が原因
あらゆる予測に対して「疑いの目」を向ける
・社会証明の罠
他人と同じような行動をしていれば正しいと思ってしまう
「大勢の人が空を見上げる」と貴方もきっと空を見る
一番売れているからといって一番優れているとは限らない
・ストーリーの罠
人間は「物語」で説明しようとする(わかりやすくするため・惹きつけるため)
宣伝効果があるが、「隠されているものは何かを知ること」
・知識の罠
本物の知識(自分自身で体感)、もう一つは見聞で知った知識
本物の知識と偽物を見分ける方法は、本物を知らない事と本物を知っている事を理解すること
・報酬という刺激の罠
古代ローマで新しい橋が開通するときに設計者を橋の下に立たせていた(実証実験)
事前に報酬を決めておく(中長期的)
「散髪した方がいいかどうかは、理容師に聞いてはいけない」
・結果による錯覚の罠
正しく判断するには「過程」と「数」に注視する
・集団思考の罠
賢い人間が集まっても愚かな決定を下してしまう
理由:集団的圧力 よって必ず「自分の意見」を言っておく事
・確率の無視の罠
宝くじの「金額」と「確率」、どっちを重視すべきか、もちろん「確率」
・基準比率の無視の罠
「直感」だけでは間違える、だから「統計的割合」に考えるようにする
・ギャンブラーの錯覚の罠
ルーレットの赤と黒は交互に出るものだと信じる=±0に調整する力が働くから
・アンカーリングの罠
商談をするときには高い価格から始めること
決められた金額に引っ張られる習性
・帰納的推理の罠
株の儲けで大金を注ぎ込む心理
1つの観察結果でそれがいつも当てはまると結論づける傾向がある
・マイナスの過大評価の罠
「1万円失う」方が「1万円もらう」より印象に残る
下降するときは上昇する時よりも衝撃が大きい(利益よりも損失)
・社会的手抜きの罠
会議の参加者の増えると参加意欲は低下する
責任の分散とリスキーシフトに気をつけるとは手抜き加減を知ること
・倍々ゲームの罠
倍々増加は思考停止になる
毎日10万円もらうより、毎日一円の倍数の方が多額となる考え方
「インフレ率年5%」より「14年後に百円が五十円になる」方が衝撃
・ハロー効果の罠
1つの視点だけで全体像を推測してしまうこと
美の意識はその人が親切で賢いと想像してしまう(夢中になり周りの視野が見えない)
・予測の幻想の罠
専門家の予測がどれだけ当たっているのか、ほとんどが外れる事実
米国の経済専門家6万人が億万長者になっている人はほとんどいない
予測に対応するには、予測者の背景、的中率を確認する(1回もしくは2回だ)
・連想の罠
先入観に囚われすぎると合理的な行動ができなくなる
悪い知らせを伝える人を好まない傾向がある
経営者は「いい知らせはいらない、悪い知らせだけを単刀直入に報告するように」と言う
・目先の利益の罠
時期が迫っているほど、目先の利益に気を取られる
「今日10万円もらう」か「1ヶ月後に11万円もらう」かどちらが得?
褒美を「我慢」できる子供が大成する理由:「自制心」能力
・所有の罠
「貯めること」より「手放すこと」の方が難しい
所有意識を最初から無くす努力
・「不合理な行動」=感情と理性の関係
「不合理」な行動は感情が抑えきれない時に現れる=論理的ではない考え
人間が変わる=変わったのは環境
「人間の思考は決して合理的ではない。思いもよらぬ不合理な行動をとってしまい、それが失敗や想定外の間違いを引き起こす。失敗を招きそうな「落とし穴」に嵌る。それは感情的に振る舞い直感だけを頼りにしているかに気づかされる」
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