私が死んだあとであなたが読む物語

基本的には「過食症患者の闘病記」、と言っていいでしょう。

過食の報告(前編)

2020年07月21日 04時28分29秒 | 過食症

過食をしてしまいました。

7月14日(通常状態105日目)の朝の体重測定は、55.05kgでした。

55キロを下回りそうだし、危険な減量ペースだしということで、その日はいつもよりたくさん食べることにしました。

前にも実施したメニューで、ヨーグルトをメインにたくさん食べます。

トータル摂取カロリーはだいたい1150カロリーほど。

すると次の日、7月15日の朝の体重は55.75kg。

700グラムも増えました。

これで安全圏内に入った。

7月15日は、通常の750カロリーの食事メニューを食することにしました。

まず1食目はホエイプロテイン。

これは問題ありませんでした。

次に3時間ほど経過後に2食目、豆腐を食べます。

ここで問題発生。

豆腐を食べ終えても、全然足りていない感じがする。

物足りない。

飢えている。

ここでちゃんと食事を終えたとして、次の食事はまた3時間経過後にソイプロテインと皮つきピーナッツ。

足りない。

そんなんじゃ全然足りない。

次の3時間を待てない。

あの感覚を抑えつけて、ちゃんと正しく食事を終えることができれば、強いんだけどな。

豆腐を食べ終えた直後、衝動を抑えられず、バナナを4本一気に食べる。

そうなるともう、スイッチオン。

皮つきピーナッツもバリバリ食べるし、バイト先で貰ってきてそのまま放置してあったラ王の袋めんも食べる。

その後、コンビニに行って菓子パンを買う。

それだけじゃ飽き足らず、スーパーにも行って過食買い。

バナナを食べ終えたとき、せめてあそこでストップできていれば思うけど、一度壊れてしまうと、もうどんだけ壊れても同じ。

むしろ中途半端に壊れた状態が一番気持ち悪いって思ってしまう。

壊れてしまって、精神状態がおかしくなって、自分を保てなくなる。

何も手に就かない。

そんな壊れた自分とじっと向き合うのが怖くて、過食に走る。

過食しているあいだは忘れられる、落ち着く。

でもずっと食べ続けることなんかできず、やがて物理的に過食は止まる。

でも一時的で、ちょっとでもお腹が空けば、隙あれば、すぐまた過食する。

そのままダラダラと過食状態が続く。

それがいつものパターンでした。

しかし今回は、そのダラダラ過食状態が、わずか一日で止まりました。

というのも、7月16日はアルバイトがあります。

そのことをわかっていたのに、冷静さを失い過食したわけですが、過食したので休みますなんて言えるわけもなく、仕方なく翌日の朝、過食した体で家を出ます。

バイトはこの先3週間ほど続きます。

当初、この3週間、過食しながら働くかって考えていました。

その証拠に、その日は財布を持って家を出ました。

勤務終わりに過食買いをするために、です。

でも、家を出て駅まで向かう徒歩の最中、考え方が徐々に変わります。

過食した体とはいえ、まだそこまで醜くなったわけじゃない。

これから3週間、過食しながら電車に乗って通勤するのって、それもきついぞ。

なによりも、通常状態の日々は安定していて心地よかった。

そっちのほうがよっぽどいい。

今日はもう過食状態にかまけて、いつも持って行ってるお弁当やプロテインを持って行ってないけど、今日はとりあえず、何も食べずに働こう。

そう考えた。

一日働いてみて感じた、体や精神がいつもと違う。

それはけして、マイナスな意味じゃない。

なんか元気な感じだ。

余計なことができる、とでもいいましょうか。

いつも以上に他人に関わることができそうな感じ。

いつもは、とにかくおとなしく、無駄なことはせず、最低限で乗り切ろうとする感じ。

それがなんか、いくらでも余計なことができる。

帰りの、駅から自宅までの20分の徒歩なんか、いつもならヘトヘトにくたばって帰っているのに、この日は全然へっちゃらです。

走ることだってできる。

階段をのぼるのも、いつもならヨイショヨイショって一歩ずつ足を持ち上げて、登り切ったときには息を切らしていたのに、軽快に一段飛ばしで階段を上ることができる。

過食直後の重たい体のはずなのに。

それくらい体にエネルギーが満ちている。

全然違う。

これがチートデイによる代謝スイッチの切り替えってやつなんだろうか。

帰宅後、過食で散らかった家の中を掃除します。

日をまたいで7月17日、体重を測定してみたら56.85kg。

まあこんなもんか。

でも1150カロリー食べて700グラム増えて、この上なく過食して(たぶん1万カロリーくらい摂取したんじゃないかな)1100グラム増えただけなら、儲けもんな気もする。

とにかく今日からまた、通常通りの食事を再開します。

過食状態を、こんな1日ですぱっと切り替えられたのは初めてのことです。

アルバイトが無かったら確実にダラダラ過食に走っていた。

間違いなく。

自力では止めれなかったはずだ。

でもそれを自力でできるようになったら強い。

過食するにしても、その日1日だけにする。

下手にたくさん過食買いすると、食料が余って次の日もそいつを食べてダラダラと過食に流れる。

だからほどほどに、次の日に持ち越さないように、その辺も考えて過食買いをする。

アルバイトの他にもう一つ理由を挙げるとすれば、歯、です。

実は過食する前日の7月14日、歯医者に行ってきました。

奥歯が欠けたんです。

すると虫歯で神経まで届いているので、痛みがひどくなる前に神経を抜きましょうと言われた。

医者に言われたら、もう随うしかない。

言われるがままに神経を抜く。

でも家に帰って調べたら、神経を抜くと歯が脆くなるってわかった。

そのことに対する説明は一切なかったのが不満だ。

まあそんなのもあって、精神的に落ち着かず、過食に走ってしまったのかもしれませんが、そんなことよりも、抜髄治療の直後だからでしょうか、歯が痛いんです。

何もしてないときはそこまで痛くもないのですが、食事の際、咀嚼すると痛みが走る。

だから過食に夢中になれないんです。

それが一つ、過食がストップした理由にもなっている気がする。

あと、やっぱり職場に向かう通勤の最中に考え方が改まったっていうのもでかい。

いわば強制的に過食から距離をとったわけです。

なので考え方が冷静になった。

過食崩壊しそうなとき、こちらの対抗武器としまして「強靭な意志」がありますが、この武器は何も過食崩壊のときだけに有効なものじゃない。

過食崩壊した後、ダラダラ過食に流れないように、すぐに復帰するためにも、この「強靭な意志」が必要になる。

今回は強制的に元に戻れましたが、仮にバイトが無くてダラダラ過食ができる状態だったとしても、それでも自分の力ですぐに元に戻す。

とにかく、今回のことで、過食を1日で終えることの強みを知ったから、次からはなんとか自力でやってのけてみせたい。