MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

極王5

2020-05-30 23:51:59 | Vシネマ
今月のオールイン作品の最後は、松田一三プロデュースの「極王」シリーズの第五弾です。
前作では、阪田組の三代目は算盤がはじける丹羽を四代目に押し上げたために
若頭で阪田組の跡目を継ぐと思われていた小沢仁志演じる川路たちは
阪田を離れ双竜会という組織を立ち上げて、本流の阪田を凌ぐ勢いをまし
阪田の本流と小競り合いを行っていて
阪田は関東の組織を後ろ盾に攻勢をかけてきてなんと主役の松田一三が撃たれて病院送りでしたが
 
双竜会は大阪の一本どっことかと組もうとして
双竜会最高顧問の石山雄大演じる加納の平和工作の一環として大阪の組との兄弟盃が成功し双龍会と阪田組の抗争は、不思議な均衡が保たれてしまうものの
 
なんと単に分派しただけだった双竜会が大阪の暴力組織と組んだことで
双竜会は警察から暴力団組織と認定され暴対法指定を受けてしまうのであった、
そうですね暴力団には暴対法、暴力組織と関わった堅気の方は暴排法で
資金源を断つという警察の二重の締め付けですよね
暴排法が生まれたお陰で、実は小沢仁志主演の「制覇」シリーズは
完全にシリーズ途中から山口組六代目を三代目の実子に据えて架空の物語へと変貌させてしまいましたよね
そういや「制覇」も2作目まではブログにアップしていたものの
これは時代が時代だけにやばいなぁって
勝手に思って個人的に2まで書いてやめてしまいましたが
日本映画専門チャンネルでは、「制覇」のシリーズをOAし始めましたので
「日本統一」もママならないんですが、来月の“3”OAあたりから再びブログアップしてってもいいかなって思ってはいるんですが・・・
 
そのため双竜会には木下ほうか演じる府警の4課刑事が挨拶がてらに嫌がらせの家宅捜索に入ってきたりするんですね
関東の大東亜連合会も四代目阪田組に対応を求めてきたものだからなんと再び
吉田佑健が吠える吠える
って事で穏健な加納のタマをとることを画策する
そんな中、三代目阪田組組長黒木が倒れ、病院で昏睡状態に陥ってしまった
実子である神崎は阪田組員に、自分は黒木の実子であると名乗り黒木に
なんで丹羽に跡目を譲ったんだと愚痴るものの黒木には聞こえていたのかいなかったのか
黒木は意識不明のまま逝ってしまう
 
そして加納は一人で釣りに出かけて阪田組のヒットマンに殺されてしまう
 
結構な役者さんたちが総出演されているんですね
今月は抗争らしい抗争はありませんでしたが、加納の爺さんをトラれた双竜会は黙っているわけもなく
第六弾が楽しみになってきた、抗争アクションがないと監督を港雄二にしてる意味がないよね
 
2020年製作、日本Vシネマ、「極王」製作委員会作品
港雄二監督作品
出演:松田一三、小沢和義、武田幸三、西守正樹、永倉大輔、古井榮一、GDX aka SHU、桑田昭彦、舘昌美、江原シュウ、江口ナオ、樋口隆則、御木裕、中西良太、石山雄大、下元史朗、木下ほうか、団時朗、小沢仁志

 
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楽園

2020-05-30 19:47:50 | 邦画
セットに組み込む作品を探してて、行き着いた作品
最近邦画も見なくては、とは思ってはいるものの
見る前から、情報は入れなくても、どうやら15年前の今市市(現在は市政再編で今市は日光市と併合され日光市今市になってます)で起きた小学生幼女の帰り道でのY字路での失踪事件を扱ってる作品だっていうのがわかってますから
重たい映画って敬遠していたんですが
 
つい手にとって裏面見たら、なんと出演者のそれもかなりな助演として片岡礼子さんのお名前見つけてしまって
レンタルしてきちゃいましたよ
「悪人」や「怒り」の原作者である吉田修一さんが書かれた『犯罪小説集』から
瀬々敬久監督が自ら本までお書きになっての作品でして
 
とっかかりは先に書いたように長野の田舎町で起きた少女のY字路での失踪だか誘拐だかの事件が起きた12年後の物語で
この12年前の事件の日が全ての物語の始まりで
 
その幼女失踪事件の犯人に仕立てあげられてしまう移民というか(実際この事件では台湾からの帰国青年が犯人として捕まってる)日本語も辿々しい綾野剛演じる豪士
失踪した女児と友達でY字路まで一緒に帰宅してきた杉咲花演じる紡
父親の介護のためと妻の病気療養を兼ねてUターンして養蜂を営む佐藤浩一演じる善次郎
それぞれの田舎における立場から巻き起こる悲劇が
 
そうなんですね舞台は長野の山奥の限界集落でのお話ですから
三人の当事者というかメインキャスト以外も、ある意味限界を感じていたり
己の居場所さえ分かってなく無事平穏に暮らしていくためには、受け入れられない異質なモノは排除すると言うような閉鎖空間の中で
まずは幼女誘拐の犯人だとはわからぬまま集団心理で綾野剛を追い詰めて
焼身自殺させてしまう集団心理の怖さ

杉咲花は誘拐された幼女の友達で、誘拐された直前にたわいもないことで喧嘩し
そのまま心にとげのようなものが刺さったまま大人になってそれを抱えて生きていくことが辛く東京に逃避してる人物であるが
唯一綾野剛と心が通じ合ったかの人物となって

佐藤浩市は、ここで育った人物だが親の介護で出戻ることになり、養蜂を通じて村の活性化を図るが
勝手に市役所から村おこしの助成金を交付されて、集落のコミュニティに苛まれ
なんとこの現代で村八分に
それでもなんとかこの村で生きていこうとするものの彼の行い全てが悪い方向に転び
閉鎖社会に嫌気がさし、ついに村人6人の連続殺人を決行してしまう
ってこれはぁるいみ津山30人斬りの事件の再来ですよね
そう、二つの現実の事件を一本の映画に詰め込み

良くも悪くも団結思考な限界集落のコミュニティのあり方と閉塞社会に嫌気を感じる人々と、それに嫌気が差した人との現代社会が抱えてる問題を提起した作品となってて
実に重たい映画
津山30人斬りは犯人がわかっているんですが
今市事件は犯人と目される帰国子女の若者は一応捕まって犯人と裁判では裁定されていますが
この映画では綾野剛が犯人だったかどうか断定してはいないんですね
 
唯一の希望は杉咲花さんですが、彼氏?になった同郷の若者に”楽園“を作れ
って言われるのですが
ここの映画で示される”楽園“って言うのは、アイロニーとして使われているんですねぇ
このアイロニー自体映画この日本の原風景というか、実はいわゆるコロニー至上主義というような、他者を受け入れない閉鎖的な風習を皮肉ってるんですね

そんな代表を演じた柄本明の演技力は実に凄かった
って肝心な片岡礼子さんですが寡婦として、寡夫の善次郎に想いを寄せる役でアラ50での全裸シーンがありましたねぇ
 
2019年製作、日本映画、「楽園」製作委員会、角川映画配給作品
瀬々敬久脚本・監督作品
出演:綾野剛、杉咲花、佐藤浩市、柄本明、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、根岸季衣、石橋静河
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