本家イタリアがマルコ・ベロッキオ監督(81歳だそうで)ですが作った
実録コーザ・ノストラ映画
実録ものですので、もう所謂80年代のマフィ、パレルモ派vsコルレオーネ派の抗争実名で描いた作品
私は完全なるジャケット借りの人間ですので
このジャケットに魅了されてマフィアの実録作品
それもジャケットから重厚な作品と見てとって借りてきたので他何もみてなくて
プレイヤーにかける寸前に“ぇ、尺が152分もあるの?”
でも躊躇いもなく見ましたが
でも躊躇いもなく見ましたが
確かに重厚なファミリー主義のマフィア映画ではあるんですが
見てて感じたのは“実録マフィア裁判“映画だった
でもオチもせずに2時間半映画にのめり込んで見てしまったんですね
さすがマルコ・ベロッキオ、老いてますます演出作劇に冴えを見せてくれてました
さすがマフィア本家のイタリア映画
少なからず映画界でもマフィアの影響を受けていたはずなんですが
時間がそこいらを風化させて、当時の人間はみんな故人となってしまったから作れた作品だったんでしょうね
マフィア自体家族主義の組織ですからね
家族が殺されて、残りの家族の安全が保障されれば
この映画の主人公のように身を司法に売って自分と家族の安全を担保にコーザ・ノストラの全貌をバラし
裁判にまで出頭してくるんですね
そんな所謂邦題にあるように”裏切りの美学“を貫いたパレルモ派の大物幹部であるトンマーゾ・ブシェッタを主人公にした法廷劇でしかないんですが
先に書いたように息子二人を殺され、家族はアメリカで安全を保障された上で
イタリアの法廷に証人として立つわけで
彼の証言によってコーザ・ノストラの幹部たちはほとんどが有罪になっていく過程を丁寧に描いていて
これが法廷での会話劇であるにもかかわらず、実に面白い
駆け引きは常に行われてて、どっちが嘘で真かなんてわかりゃしない
どうにかして犯罪者として有罪にさせるかって言う言葉での駆け引きとか面白かった
まぁイタリアは法廷では、被告人は檻に入れられてるんですね
そして、檻の中から野次ったりもするは、タバコ吸うは
結構判事さん静粛にさせるのに苦労してたし
報道陣は日本と違って写真撮ってよかったし
と裁判の方法も違ってるのも面白かった
法廷劇での会話だけでなく、ちゃんと証言の映像化も回想としてあるので適度な銃撃での殺し映像とか、拷問とかも入れて映画的な娯楽的な要素もちゃんと見せ場として入れてるとこは流石
ブシェッタが組織を裏切り、司法側についたのは検事さんとの交流だったんですね
そんな検事さんまでを殺害してしまう力がマフィアにはあったんですね
司法と犯罪組織との間にブシェッタが介在しなかったらイタリア国家は一体どんな国家になっていったんだろうって思わされる作品だった
ある意味長さを忘れて見ていられた作品
2019年製作、イタリア・ドイツ・フランス・ブラジル合作映画
マルコ・ベロッキオ共同脚本・監督作品
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ルイジ・ロ・カーショ、ガブリエル・アリーナ、マリア・フェルナンド・キャンディッド、マルコ・ガンビノ、ファウスト・ルッソ・アレシ