海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

コミュニケーションギャップの話

2024-02-13 | 写真日記

春節中に近所のショッピングモール前でスマホに夢中のオッサン(iPhoneで)

 

春節期間中に、上海の自宅から一番近いショッピングモールに行ってみると、閉鎖中で中には入れず。そのモールの路面店だけ営業していたが、営業しているのはスターバックス・ビザハット・KFCのみで、モール内にあるサイゼリアは営業してない。このモールは昨年まで味千ラーメンやユニクロもあったが、2023年末までに全て撤退。ひと昔までは、カルフールもあったようだ。

コミニュケーションギャップ

1980年代の事だが、アメリカの教科書に掲載された日本を紹介するイラストは、ちょんまげを結った男と和服を着た女がチャブ台で飯を食っているイラストが掲載されていた。これが経済大国になった日本では大きな問題になり、日本国民も唖然とした。それくらい日本の情報が海外で更新されてなかったと言う事。これを逆手にとって、当時のKDDIがTVCMで派手な花魁の衣装を着た女と髷を結った男がチャブ台で飯を食っているシーンのCMを制作し、コミュニケーションギャップを無くそうというTVCMで話題になった。監督は一昨年亡くなったが、大変お世話になった監督。

1985年のプラザ合意以降の日本はバブル絶頂期の超円高時代で、外国人旅行者は物価の高過ぎる日本には気軽に旅出が出来ないと嘆いていた時代だったので、外国人観光客は東京でさえ少なかった時代。そして、日本人は海外旅行絶頂期だったので、海外でブランド物を買い漁っていた時代でもある。その時代に日本人の旅の教科書は、「地球の歩き方」だった。そして最近は、世界中ネットの情報が旅の教科書に変わったが、日本は言語の問題もあり海外発信の情報を積極的に受け入れてないのが実情。

昨年の暮れから先月まで日本に一時帰国した時に思った事は、海外在住や仕事も含めて海外を行き来している人とそうでない人とのギャップだ。海外を知っている人とは、会話のキャッチボールがとてもスムーズで話が早いのだが、日本はそうでない人の方が圧倒的に多いので、言葉を選びながら会話しないとコミニュケーションギャップが起き誤解曲解が生まれるのだ。これは、新型コロナの問題もあるが、今は海外の物価の高さも大きい。そして、日本はビザ無し渡航が出来る国数が世界一だが、日本はパスポート保有率が異常に低い国。それと、ネット情報も含め海外の新しい情報の更新スピードに追い付いてない人が多いのは、日本のTVニュースが主の情報源だからだろう。その情報だけで、世界が分かったような気になっているのだ。

春節期間中、中国人の人気観光地に岐阜と青森が人気とのニュースが入って来たが、これは中国国内の旅慣れた個人(リピーター)が発信したネット情報の影響だ。他国から見ると日本ほど都市部から地方へのアクセスが良く自然や古い街並みや伝統(祭りも含め)が残っている国は、世界でもほとんど無いという事を日本に住む日本人は認識した方が良い。地方の市町村は、今までの概念を捨て一度リセットして、海外から日本を見るとどう見えるかを考え直した方がイイね。高層ビルが増え過ぎた大都会上海に住む私から見ても、日本は距離的に近くて物価も異常に安く自然も多く様々な異国文化が体験出来て楽しめる国は他に無いし、それは欧米も含めた他国の人も同じ気持ちなんだよね。私が思うに海外に向けて今の日本の売りは、文化・伝統(祭りも含め)・自然・食がテーマの観光産業しか思いつかない。

☆私が生まれた岡山は海外からの観光客が少ないようで、それは情報発信がド下手。岡山の売りは、瀬戸内の島々とあまり知られてない県北をPRすべきだ。岡山の県北にある津山市なんて相当寂れているらしいが、ここを拠点に周辺と隣の県などと一緒に組んで様々な観光ルートを提案をすれば面白いと思うけどね。LCCが無いのと便の少な過ぎる不便な岡山空港は無視して、新幹線岡山駅から在来線で北へ向かい日本海側に抜け京都へ向かうルートと、もしくは高松空港から瀬戸内の海を楽しだ後にJRで県北へ向かい日本海を楽しみながら京都方面へ向かうルートがベストかな。海外から来る観光客は最低でも一週間は滞在する人が多く、日本人のように二泊三日なんてスケジュールは絶対に組まないので時間には余裕がある。在来線の列車の車窓から見える自然や農村風景を見るだけでも、外国人には新鮮で感動するんだよね。それと、中国人に限っての事かも知れないが、日本の観光地で中国人が少ない穴場を探しているのも事実。そして、その場所をSNSにアップして自慢するのも彼らだ。と言う事は、日本の地方の小さな街が行きたい場所のランキングに突然上位に上がる事もある。SNSは世界スタンダードなので、それを見た様々な国の人が訪れる人気観光地になる事もある。

☆1990年の事だが、私も一度だけイタリアのミラノからボローニアまで一人で電車で向かった事があったが、車窓から眺める風景や人々を見るだけで新鮮で楽しめたのを思い出す。その後、ボローニアからレンタカーを借りてリミニまで向かったが、高速道路なんてただ運転するだけで何の思い出もない。(この時は仕事だったので、計5日間毎日リミニとイモラをレンタカーで往復)

☆私が今回の日本帰国中、LCCを使った事が無いという人に四人も会った事に驚いた。その多くは、会社の総務でチケットを取ってくれるような企業に勤めている人や年配者に多い。日本は世界中で一番LCCが出遅れた国なんだよね。LCC航空料金は変動料金なので日々変わるのと荷物制限もあるし海外便は毎日飛んでいる訳ではないなど、LCC のシステムを理解してない人には、それを説明するのが大変なので自分でネットで調べてねと言葉を返す事にしている。


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