海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

消逝的老街1996-2000 Panorama 2 山陰路

2016-11-30 | 消逝的老街1996-2000 panorama

虹口区山陰路 2000年

 

虹口区山陰路 2000年


虹口区山陰路 2000年

 

虹口区の山陰路は、日本人が多く住んでいたので日本租界とも言われていた場所。この撮影場所の山陰路をはさんだ対面には魯迅故居がある。ここは租界時代に日本人が建てた家が多くとてもしっかりと造られているので今でも人気が高い。この一角の奥には高い塀で囲まれた旧日本軍将校専用のプチホテルがあったが今では住居になっていて、一度この敷地内に入って見せてもらった事があるが、今でも階段の手摺の柱には菊の紋が入っていた。

 

Noblex135U TX-1 45mm 

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消逝的老街1996-2000 Panorama 1

2016-11-29 | 消逝的老街1996-2000 panorama

今年に入ってから「消逝的老街1996-2000」写真集5000部が完売になったので、その中身を少しずつアップしていく事に。写真集は第一版と改訂版の第二版があるが、中身は少し写真を変えてあり、撮影年月日と場所は第二版が正しい。第一版と第二版の見分け方は、表紙に写真があるか無いかなので判別可能。付録のミニCD(MP3)は前世紀に街で拾った音が録音されていて、すでに物売りの声など消えてしまった前世紀の街や路地裏の音が収録されている。

 

外灘の歩道から1999年 TX-1+TX30mm f5.6

 

1999年撮影の外灘遊歩道から見た和平飯店南楼(中央)は上海万博前なので改装前。前世紀に何度か泊まったが、内装の雰囲気が租界時代を思わせるクラシカルで落ち着いた雰囲気だった。1906年竣工で当時パレスホテルと呼ばれていた。

1996年から始めた上海旧城内の撮影には、ドイツの「Noblex135U」をメインに「WIDELUX F8」をサブに1999年まで使用してきた。途中富士フィルムからパノラマカメラTX-1が発売され1999年の途中からはおもにTX-1をメインカメラに切り替えた。カメラを変えてから、今まで回転式パノラマカメラでは撮れなかった写真も生まれ、また三脚からも解放されて撮影は随分と楽になったし、レンズが3種類選べるのも大きな利点。

Noblex135UとWIDELUX F8の大きな違いは、前者がモーター駆動で後者が機械式。WIDELUXは26mmレンズ付でピントは5mに固定されていてピント合わせは出来ない。シャッタースピードは1/15 1/125 1/250の三種類のみで、フォーマットは24mm×56mm。この26mmレンズは路地裏などの比較的近距離ではワイド過ぎて歪が強調されやすく路地裏などの狭い場所では使いにくいカメラだったが、安定性ば抜群で信頼出来るカメラだった。

もう一方のNoblex135Uは、ドイツのドレスデン製でレンズはワイドラックスより29mmとやや長くシフト機能あるのと固定焦点だがピント位置はワイドラックスより近距離だったと記憶している。フォーマットは24mmx65mmとワイドラックスより横長な画面で、フジのTX-1と同じ。このカメラが優れていたのは、シャッタースピードが1secから1/500までをカバーしているので、暗い室内ではこのカメラには随分と助けられた。ただ、このカメラはシャッターを押すと最初の半回転はレンズの回転を安定させる為に回転し、後半の半回転で露光するタイプなので露光が終わるまで時間がかかる。曇の日の常用スピード1/60を例にとると、シャッターを切ってから露光が終わるまで2.5秒もかかり、人など動いている被写体の先読みが必要だ。ちなみに1sec露光するためにはシャッターを切ってから約2分半もかかってしまう。また、このカメラのレンズは29mmとワイドラックスより焦点距離が長いので、歪がワイドラックスよりかなり少ない事が利点。わずか焦点距離3mmの違いはワイド系なので結構大きいのだ。

フィルムは初期の頃イルフォードのXP2を使い、途中からコダックのT400CNに切り替えた。これらフィルムはネガカラー現像のC-41処理に対応している新しいタイプのフィルムで、ラチチュードがとても広く少しオーバー露光で撮影しておくとシャドウ部の階調が豊富で微粒子なままという不思議なフィルムだ。これは上海の細い路地裏は一日中陽の当たらない場所もあり、明暗差の激しい場所でも対応出来るので重宝したフィルムだった。ただ、フィルムの抜けが悪いので慣れないとプリント時に戸惑う人も多いようだが、当時はマルチグレードの印画紙があったので私はさほど気にしなかった。

☆今やこの二台のカメラも製造中止していて中古しか市場には無いが、Noblex135Uは発売当初からフィルムにキズが入る個体が多く、またモーターのトルク不足で縦位置に構えると回転が途中で止まってしまう個体も多く購入する場合は注意が必要。一方のワイドラックスはほとんどメンテナンスフリーのカメラと言われているくらい故障知らずだが、すでに製造会社は無い。

 

 

 

 

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過去の画像から発掘

2016-11-28 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

久しぶりの食中毒で寝込んでいたが、本日復活。食事も二日抜いてりんごとバナナだけだったので、何だかよいダイエットになった。

 

旧城内のすぐ外側付近

 

上海でこんな風景もあまり見られなくなった昨今、今は虹口区の北外灘付近が再開発されているが、以前のスピードから比べると勢いはかなり落ちスローペースに。私が今住んでいる新華路から近い場所も同じで、何だか資金を少しずつ捻出しながら工事を進めているようにしか見えない気がする。近くの空き店舗もずっと借り手が付かず、ひっそりと佇んでいる状態。今年に入ってから、こんなに勢いの無い上海は初めて見る。

☆来年の3月から上海では禁煙条例が厳しくなり、公共の室内及び室外も禁煙になり違反すると罰金となる。また、飲食店なども同じく禁煙になるのだが、客が煙草を店内で吸った場合に店側は5000元(約8万円)の罰金だそうだ。ただ、飲食店内に閉ざされた喫煙スペースを設ければ問題ないと言われているが、その規格は国が指定した規格でないと申請が下りないのと指定の業者しか使えずかなり高額だそうだ。

まぁ、この禁煙令は悪い事ではないが、喫煙天国の上海ではどうなる事やら。

 

 

 

 

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上海の大世界は再度改修工事中

2016-11-25 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

前世紀の上海の大世界はレトロ漂う娯楽施設だったが、今世紀に入り閉園し上海万博前に大幅な改修工事が始まった。でも、その改修も終わったの後に放置され、今また改修工事が始まったようだ。

 

改修工事を終えた時の大世界

 

1996年頃の大世界

 

租界時代の大世界は娯楽のデパートとして知らない人は居なかった。そこには麻薬や売春なども含まれ、この中は治外法権状態だったと聞いている。私が最初にこの大世界に行ったのは1996年で、昭和の浅草花やしきを思わせるレトロな雰囲気は私にとって懐かしい風景だった。上海人がここに来る事はなく、ほとんどの客が地方から上海に来た観光客で、子供の雑技を見ていると時々失敗するし、客の入りも少なく何だか物悲しくなった記憶がある。舞台の右に自転車が置いてあるが、あれはクジの景品一等賞。当時は自転車が当たると大喜びしていた時代。

 

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夜上海 深夜の外灘

2016-11-24 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

2009年頃

 

最近のブログ画像をモノクロにしている理由は、やっぱり上海の写真はモノクロがよく似合う。特に夜の画像は街灯の色がオレンジに被り、あまり美しいとは言えないからだ。上の画像は写真展で使ったコマの隣の画像。

補正レンズ付アダプターをFD85mm f1.8に付けて使っているので、レンズ収差のデパートのような画質になり光源の滲みが激しいが、むしろその方が写真らしいと私は思っている。

Canon FD85mm f1.8+補正レンズ付アダプター

 

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