柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

家族葬、直葬は大人気ですが・・・

2010年12月08日 | お葬式
今や、家族葬、直葬という言葉を出せば、テレビは視聴率が上がり
雑誌や本は売れ、葬儀社は問い合わせが入る、という事になるそうです。

家族葬、直葬ってどうしてそんなに魅力があるのでしょう?

安い、イメージでしょうか?
無駄のないイメージでしょうか?
親しい人だけの別れのイメージでしょうか?

どちらにしても
以前の葬儀が
高くて
不必要なものがたくさんあって
義理で参列する人いが多く、遺族は悲しんで居られない、
と言う事だったのでしょうね。
その反発で家族葬や直葬が持て囃されているのでしょう。

家族葬が悪いと言っている訳ではありませんよ。
だって、以前から少人数の葬儀はちゃんと行われていましたから。
今に始まった訳ではありません。

先日も知り合いのお宅で、おじいちゃんが亡くなり家族葬をしました。
もう年だし、家族葬がいい、と皆で一致したらしいんです。

終わって、喪主の人が言ってました。
「やっぱり近所を断るのって大変ですね。結局お参りに来られて
かえって疲れちゃいましたよ」

この場合は、家族葬を受けた葬儀社が
家族葬の告知範囲をきちんと確認し
その告知通りに出来るように、周囲への対処を教えないといけません。

それには、葬儀社が家族葬を受けた時
どういう聞き取りをするのか、という決め事が出来ていないのだと思います。

それは、各形式の葬儀をどう説明し、どのように進めるのか、決めごとがないのでしょう。

従来の葬儀のやり方で全ての葬儀を行おうとしているだけです。

家族葬は、自社ではこう考えて遺族に説明しています。
(家族と親しい人の温かい葬儀、なんてことじゃなく)
直葬はこう考える
無宗教はこう考える
遺族から依頼があったら、それぞれの考え方ややり方
長所や短所を説明して、それから再度選択してもらう、事が大事です。

先日も、親戚で無宗教葬をした時
『間が持たないから、読経のテープを流しましょう』と言われた
と、セミナーに参加された人が言ってました。
実はこのセリフ、十数年前から聞いてますよ。

私が葬儀社ならこんな恥ずかしい話はできません。
それなら仏教葬儀を勧めた方が、まだましです。

家族葬が良いといっても
日本中の大半の家庭が家族葬、直葬に向くとは思えませんし
家族葬にしても色々なやり方がある事を
一般の方ともども葬儀社自体が知らないといけません。