西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

自分が子供の頃(というよか、もっと遥か以前)から続いてきたお祭がなくなるとか悲しすぎる。こんなところにも高齢化の波を感じずにはいられないわけで。。。

2017-08-29 16:07:55 | すべての人にやさしいまちを実現するために

毎年8月末に開催される、前浜町自治会主催の「納涼盆踊り大会」。
私、例年、準備・片付け等のお手伝いに伺っているのですが、今年は中止になってしまったそうでして。
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昭和21年から続いてきた、この催しが今回中止されるに至った最大の原因は、自治会長によると主催者側の高齢化だそうです。
こういう話を目に耳にするにつけ、高齢化の厳しさを、ひしひしと感じます。
なんとも厳しい話やなあ...

そんな中、愛読している構想日本さんのメールマガジンで、方向性は違うものの高齢化に関する内容が取り上げられていました。
この内容、とても示唆に富んでいると感じており、多くの方に読んでいただきたいと思ったことから先方の許可を頂き、以下転載します。
それではどうぞ。

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【1】「タブー視される 行政と民間企業のサービス連携」

豊明市健康福祉部高齢者福祉課
課長補佐   松本 小牧

豊明市では介護保険では対応できないニーズに対し、民間サービスを市民に積極的に紹介する取り組みを始めた。
1時間三千円で自宅の片付けをする廃棄物処理業者、カラオケボックスで開催する健康体操教室、無料の送迎バスで割安に利用できる温泉施設。
これらは、市と民間企業が協議を重ねて作り上げたサービスの一例である。

市では今年2月に9つの民間企業・団体と「公的保険外サービスの創出・活用促進に関する協定」を締結した。
きっかけは、急速に進む高齢化である。
豊明市は名古屋市の南東部に隣接し人口6万8000人、市の高齢化率は25.1%。
団塊世代の人口が多く、2025年には後期高齢者が現在の1.5倍となる見込みで、今後医療や介護のニーズが急激に増えることが予想されている。
それを予感させるのが、近年の軽度要介護者数と給付費の急激な伸びである。
特に急増しているのがデイサービスであり、平成22年からのわずか5年間に、給付費は2.5倍、年平均35%の伸びを示していた。
しかし問題なのは給付費の伸びではなく、それが本当に利用者の健康維持・改善につながったのかという視点である。
そこで一番軽度である要支援1認定者の1年後を調べたところ 57%が悪化、4人に1人は要介護状態となっていることが明らかになった。

公的保険で専門的な介護予防サービスを提供しながら、なぜたった1年で要介護状態になってしまうのか。
要支援1.2といえば、歩行、入浴などに必要な身体機能はほとんど介助を必要としないが、掃除や調理、買い物、外出といった生活行為に困難を抱え始めた程度である。
多くの症例を分析して見えてきたのは、要支援者がこれまで送ってきたふつうの暮らしを維持していくには、単に外出をデイサービスに、家事をヘルパーに置き換えることでは決して達成できないこと。
魅力的な外での活動や、自立した生活手段の提供を通じて、本人の意欲にまでアプローチできなければ、結果として重度化してしまうということであった。
例えばある地域では、本人が自力で行ける生活圏域に牛乳屋さんと新聞屋さんしかない。
であればこの2軒を巻き込んで、いかに生活を支えるかを考えていかなければ、高齢者は「地域」で暮らしていけないのだ。
こうして職員の中に、地域にあるものはなんでも活用するという発想が生まれていった。

ある時、名古屋市にある温泉施設の無料送迎バスが豊明市内を走っているのを非常勤職員が見つけた。
出かける足がないために、週1回、唯一の外出先としてデイサービスを利用している高齢者は数多くいる。
無料送迎バスに乗って温泉施設に行けば、お風呂に入って食事ができ、半日過ごして帰って来れる。
温泉施設には床屋や地元野菜を売るコーナーもあり、高齢者の生活を支えるサービスとなる可能性がある。
そんな場所を、行政の支援もなく企業独自のサービスとして提供してくれているのである。
しかし、そのバスにはほとんど乗客がいなかった。
そこで翌日すぐに訪問し、市として利用客を増やすお手伝いをしたいと申し入れをしたところ、大変驚かれた。

またコープあいちは市との協議で、店舗購入した商品をすべてその日の午後に自宅まで無料配達するサービス「ふれあい便」を始めた。
コープは個人宅配を行なっているが、注文票のマークシート記入が難しい等、利用しにくいという高齢者は多い。
ふれあい便は、商品を自分の目で見て選べる楽しさと、持ち帰りの心配をせずに購入できる便利さが好評を得た。
さらに、店舗に行けない高齢者のために電話注文サービスもスタートさせた。

人口の年齢構成が急激に変わる中、企業が高齢者のニーズにあった商品やサービスを開発していくことは当たり前であろう。
しかしながら、いいサービスや商品を開発しても、利用する市民がいなければ、やがて地域から撤退していってしまう。
特に使って欲しい高齢者は、情報が届かなかったり、慣れた生活を変えることを好まない傾向があるため、新しい商品やサービスが浸透しにくい。
地域包括支援センターや、ケアマネジャーと現場にいて感じるのは、老いを支えるサービスや商品を「使いこなすための支援」が不可欠であるということだ。
また、利用する市民があってこそ、高齢者の生活も支えてくれる使いやすいサービスが地域に根付いていくのではないか。
企業は高齢者のニーズがどこにあるのか、どうすればサービスを高齢者に知ってもらえるのかが分からず、一方高齢者は自分が欲しいサービスがどこにあるのか分からずにいる。
その点基礎自治体は、高齢者のニーズをすばやくキャッチし、高齢者やケアマネジャー等の支援者に直接情報を伝えることができる強みを持っている。

行政が民間企業と高齢者の間で情報の仲介をすることで、生活を支える質が高くて利用しやすいサービスをたくさん創出し、地域に根付かせることができないだろうか。
こうした想いから、市は協議を重ねて作り上げた民間サービスを、市民に積極的に紹介する取り組みを始めている。
前述の温泉バスの乗車率は2.5倍に増え、ふれあい便はサービス開始から利用者は2倍、一回あたりの客単価(購入額)も6000円を超えているという好調ぶりである。
また一連の取り組みを経て、昨年度(平成28年度)のデイサービスの伸び率は、対前年比2.5%増に収まった。
これまで高齢者支援は、どうしても介護保険サービスに利用者を当てはめるだけの支援となりがちだった。
その結果が給付費の増大と、高齢者の急速な重度化である。
これからはその人に本当に必要な場所や支援を、介護保険に限定せず幅広く探し、もしなければ地域で共に創り出す。
公的保険サービスで対応できなければ、しかたなく保険外の市場サービス利用という思考を、まずは市場サービス、その後に公的保険でという、高齢者支援に関わる者の思考プロセスの転換が必要なのではないか。
こうした実践を通じて、一地方自治体の現場から日本全国へ、問題提起をしていきたいと考えている。

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日本全体の中で見ると、西宮市は総じて恵まれた自治体だと思います。
人口は増えてるし、若年人口も多いし。
でも日本全体の流れと関係なく、西宮市だけが今のまま行けるわけがありません。
また地域ごとに子細に見ていくと、また違った姿も見えてきます。
そう考えると、他の自治体での事例も参考にいろんなことを考えていくことが、ものすごく重要だと思うんですよね。
民も官も力を尽くし、足らずを補い合うことこそが、とても重要なはずですし。
微力ではありますが、私も、その中で役割を果たすことが出来るよう頑張ります。

というわけで今日のブログは、このへんで。

それでは失礼いたします。