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西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

老朽化対策が急務です。

2012-12-03 14:10:12 | 安心して暮らせる安全なまちを実現するため

↓これ、多分、ここだけの話ではないと思うのですよ。↓
天井支える「つり金具」脱落 中日本高速「老朽化原因」
そして、トンネルだけの話でもないし、中日本高速道路だけの話でもないと思うのです。
以下、昨年5月発行の「朽ちるインフラ  ~忍び寄る もう一つの危機~」よりの抜粋文をご覧ください。
   ↓

~前略~ 1981年、米国の経済学者パット・チョートは、著書「荒廃するアメリカ」で社会資本の老朽化と、それを通じた米国経済社会の衰退を指摘した。現実に、同書の刊行前後に橋の機能不全や崩落事故が起きた。米国国民や政治家は、一連の出来事を単なる例外的な出来事としてではなく、社会資本を軽視し続けた社会が確実に迎える末路として深刻にとらえた。その後、米国政府は、社会を安定的に維持するための道路・橋梁のマネジメントに力を入れ始める。驚くべきことに、現在の日本は、「荒廃するアメリカ」が書かれた当時の米国と同じ状況にある。 ~後略~


「荒廃するアメリカ」が刊行される約50年前、1929年10月24日のいわゆる「暗黒の木曜日」をきっかけに世界恐慌が起こりました。
アメリカでは、これ以前の時期に続いていた経済の過熱時期と、恐慌発生後の不況対応が行われていた時期に該当する1920~1930年代に、膨大な量の社会資本に対する投資が行われました。
この時期に集中的に整備された社会資本の老朽化による危機を訴えたのが「荒廃するアメリカ」です。

で、引用文中の『現在の日本は、「荒廃するアメリカ」が書かれた当時の米国と同じ状況にある。』という内容なのですが。
日本では1950~1960年代に大規模な公共投資が行われました。
戦後の復興期と、いわゆる高度経済成長期の頃です。
アメリカでの建設ラッシュ時期が1920~1930年代なのに対して、日本での建設ラッシュは1950~1960年代と、ラッシュの時期には概ね30年の差があります。
引用文中の、「荒廃するアメリカ」が発行されたのは1981年のことですから、それから30年が経つ、今の日本はまさに「当時の米国と同じ状況にある」と言えるでしょう。

繰り返しになりますが、この話、ここだけの話でもなければ、トンネルだけの話でもないし、中日本高速道路だけの話でもないと思っています。
例えば、西宮市の場合。
道路・橋・上下水道・学校・幼稚園・保育所・公民館などなど、著しい老朽化が問題となっている施設は、たくさん存在します。
これを、放っておけば、どんな形で、どんな問題が起こるか、誰にも分かりません。

建築物であれ、設備であれ、他の何者であれ、施設は、必ず、老朽化します。
だから、それを前提に老朽化対応を、事前に、計画的に、ちゃんと財政的な根拠も持って、行っていかねばならない!
それが、いわゆるアセットマネジメントとか公共施設マネジメントというものです。
これは、もう、したいとかしたくないとかではなく、絶対に取り組まねばならない問題です。
   ↓
( 参考:公共施設マネジメントについて。 ①
     :公共施設マネジメントについて。 ② )

今回の事故を「単なる例外的な出来事」としてではなく、「社会資本を軽視し続けた社会が確実に迎える末路として深刻にとらえ」る必要があると思うのです。
それこそが、この悲惨で重大な事故を、そして、それによる被害者の方々の思いを受け止めることだと思うのです。


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