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☆浜木綿の花も曼殊沙華も似てますね。
☆詩歌
こんばんは!!
本日は久しぶりに詩歌の世界に誘ってみましょう。実は大学時代のお友達である正原久美子女史が第二歌集を出されたのです。個人的にはとても好みの詩情感を展開されます。決して露骨なところはなく、抑えた感情が知的に滲みでるのです。前回は平成23年か24年あたりで「ひなげしの花」というタイトルでした。今回は「浜木綿の夢」と題されています。
このタイトルを見て、う~~んと唸る思いというか、彼女の心の変化を見た思いでした。浜木綿というのは添付の通りの白い花です。それも浜辺に咲くのだろうと思うのです。以前の歌集では彼女にも話したのですが百万本の曼殊沙華だったよねと。涅槃に住む亡き息子さんに逢える気がするというような内容の歌で、群れ咲く曼殊沙華が詠まれていました。痛いほどの悲しみから数年経ったのかやや客観的な抒情の中に読み込まれているものでした。
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今回の白い浜木綿というのは海に花びらが流されていくだろうという想定の下、どこかで生きているかもしれないし、生まれ変わっているのかもしれない。人の生き死にの輪廻転生を感じ取り、どんな形にせよ、いずれ我が身も抗うことなく大海原を追いかけているだろうというような魂の夢物語ではないかと思うのです。
そんな遥かなる人生観の合間におこる現生の生身の思いを詩情に託したものが今回の歌集かなと勝手に解釈して読みました。間違っていたら、ごめんなさいというところです(;^_^A
さて、ご紹介しましょう。私、詩子の好きな歌を抜いてみました。
〇小諸なる 古城のさくら 石垣を 登りて花の 雲海に立つ
〇潮風に 白き花びら なびかせて 大海(わたつみ)を行く 浜木綿の夢
〇水芭蕉の 墓標のごとき 花群(はなむら)を 蝶離れねば 亡き子思ほゆ
〇花かざし 袂を揺らす 初孫の 小さき手をひく 小春の神社
〇散骨は 海に溶けゆき 海になる 浜木綿の実を 乗せ来る海に
正原久美子 「浜木綿の夢」より