神奈川県川崎市に日本理化学工業株式会社という、ダストレスチョーク(粉の飛ばないチョーク)を製造している会社があります。50年ほど前から障害者の雇用を行っているそうです。
”50年前に知的障害をもつ二人の少女を「私たちみんながカバーしますから」という社員たちのたっての願いで採用した日本理化学工業。今、この会社の障害者雇用率は、社員の七割に及んでいます。
会社は、売上げを上げるために、利益を上げるために存在しているのではありません。本当に人々に必要とされ、社員たちも誇りをもって働くことができる、その結果、みんなが幸福を感じることができる、そんな会社になるために存在しているのです。”
”障害者を少しずつ採用するようになってきましたが、大山さん(社長)には、一つだけ分らないことがありました。どう考えても、会社で毎日働くよりも施設でゆっくりのんびり暮らした方が幸せではないかと思えたのです。
なかなか言うことを聞いてくれず、ミスをしたときなどに「施設に帰すよ」と言うと、泣きながら嫌がる障害者の気持ちが、はじめはわからなかったのです。そんなとき、ある法事の席で一緒になった禅寺のお坊さんにその疑問を尋ねてみたそうです。
するとお坊さんは
「そんなこと当たり前でしょう。幸福とは、①人に愛されること、②人に褒められること、③人の役に立つこと、④人に必要とされることです。そのうち、人に褒められること、人の役に立つこと、人に必要とされることは、施設では得られないでしょう。この三つの幸福は、働くことによって得られるのです」
と教えてくれたそうです。
「その四つの幸せの三つは、働くことを通じて実現できる幸せなんです。だから、どんな障害者の方でも、働きたいという気持ちがあるんですよ。施設の中でのんびり楽しく、自宅でのんびり楽しく、テレビだけ見るのが幸せではないんです。真の幸せは働くことなんです」
普通に働いてきた大山さんにとって、それは目からウロコが落ちるような考え方でした。これは、働いている多くの人たちも忘れていることかもしれません。それを障害者の方によって教えられたのです。”
”大山さんは「人間にとって、”生きる”とは、必要とされ働き、それによって自分で稼いで自立することなんだ」ということに気づいたそうです。
「それなら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。企業の存在価値であり社会的使命なのではないか」それをきっかけに、以来50年間、日本理化学工業は積極的に障害者を雇用し続けることになったのです。”
『日本で一番大切にしたい会社』より抜粋 坂本光司 著
企業には、障害者の法定雇用率を達成することを義務ずけられているそうです。達成できない企業は納付金を徴収されます。47都道府県の法定雇用率達成企業は42%ほど。日本の6割の企業が納付金を払ってよしとしているのが現状のようです。
仕事とは、会社とは、社員が協力して助け合い、働くことによって幸福を実現する場であり、社員の幸福が会社の幸福、そして社会の幸福につながるということなのでしょう。その取り組みを50年継続している、”継続する”ということも信念がないとできないことです。
経営、仕事、会社、考えさせられます。人生とは深い
二葉鍼灸療院 田中良和
”50年前に知的障害をもつ二人の少女を「私たちみんながカバーしますから」という社員たちのたっての願いで採用した日本理化学工業。今、この会社の障害者雇用率は、社員の七割に及んでいます。
会社は、売上げを上げるために、利益を上げるために存在しているのではありません。本当に人々に必要とされ、社員たちも誇りをもって働くことができる、その結果、みんなが幸福を感じることができる、そんな会社になるために存在しているのです。”
”障害者を少しずつ採用するようになってきましたが、大山さん(社長)には、一つだけ分らないことがありました。どう考えても、会社で毎日働くよりも施設でゆっくりのんびり暮らした方が幸せではないかと思えたのです。
なかなか言うことを聞いてくれず、ミスをしたときなどに「施設に帰すよ」と言うと、泣きながら嫌がる障害者の気持ちが、はじめはわからなかったのです。そんなとき、ある法事の席で一緒になった禅寺のお坊さんにその疑問を尋ねてみたそうです。
するとお坊さんは
「そんなこと当たり前でしょう。幸福とは、①人に愛されること、②人に褒められること、③人の役に立つこと、④人に必要とされることです。そのうち、人に褒められること、人の役に立つこと、人に必要とされることは、施設では得られないでしょう。この三つの幸福は、働くことによって得られるのです」
と教えてくれたそうです。
「その四つの幸せの三つは、働くことを通じて実現できる幸せなんです。だから、どんな障害者の方でも、働きたいという気持ちがあるんですよ。施設の中でのんびり楽しく、自宅でのんびり楽しく、テレビだけ見るのが幸せではないんです。真の幸せは働くことなんです」
普通に働いてきた大山さんにとって、それは目からウロコが落ちるような考え方でした。これは、働いている多くの人たちも忘れていることかもしれません。それを障害者の方によって教えられたのです。”
”大山さんは「人間にとって、”生きる”とは、必要とされ働き、それによって自分で稼いで自立することなんだ」ということに気づいたそうです。
「それなら、そういう場を提供することこそ、会社にできることなのではないか。企業の存在価値であり社会的使命なのではないか」それをきっかけに、以来50年間、日本理化学工業は積極的に障害者を雇用し続けることになったのです。”
『日本で一番大切にしたい会社』より抜粋 坂本光司 著
企業には、障害者の法定雇用率を達成することを義務ずけられているそうです。達成できない企業は納付金を徴収されます。47都道府県の法定雇用率達成企業は42%ほど。日本の6割の企業が納付金を払ってよしとしているのが現状のようです。
仕事とは、会社とは、社員が協力して助け合い、働くことによって幸福を実現する場であり、社員の幸福が会社の幸福、そして社会の幸福につながるということなのでしょう。その取り組みを50年継続している、”継続する”ということも信念がないとできないことです。
経営、仕事、会社、考えさせられます。人生とは深い
二葉鍼灸療院 田中良和