二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

酔耀会(鍼灸手技療法勉強会) 平成22年 10月 

2010年10月26日 | 酔耀会(すいようかい)
10月20日(水)、恒例の酔耀会へ行ってきました。

この勉強会も発足してから今年の12月で確か、まる5年が立ちます。早いものです。当初5人で始めた勉強会も、今では全員参加で13名にもなりました。それも、私を含めピチピチの若手鍼灸マッサージ師がほとんどです。

ということは、未熟だから勉強しないといかんという自覚のある若手が多いということですね。常に自分を直視し、謙虚でいること、そして、患者さんの喜ぶ顔を見るため、声を聞くため、自分の足らない所を常に把握し、努力すること、そんなことが患者さんの身体を預かる私たちにとっては責任であり使命であるのでしょう。

来年からは6年目に突入。志高い皆が地域に喜ばれ、そして不況に負けない治療院になっていくべく努力しているのであるざ~ます。

☆ 内 容 ☆

・第6回(社)日本鍼灸師会全国大会in京都 参加報告:不妊症に対する鍼灸治療

 【豊島先生】
10月10日・11日に行われた上記大会の11日に参加。これだけのために聴講しに行った、臨床特別講演「不妊症に対する鍼灸治療」~妊娠100例から参加者が選ぶ症例報告~についての報告であった。鍼灸の不妊治療では経験の豊富な、福島県の三瓶真一 先生、京都府の中村一徳 先生が各々、様々な形で妊娠に至るまで関わった50例ずつの中から会員がどうしても聞きたい3例ずつをピックアップして症例報告を行うという講演でした。三瓶先生の治療院の場所は田舎にあり、不妊カウンセラーの資格もあり、患者さんの精神的な要因にまで深く入っていかれる治療スタイル。中村先生は京都の街の中に治療院があり、産婦人科や大学などと提携しデータを重視する治療スタイルだとか。その両先生に共通していたのは、現代医学的、東洋医学的観点から身体を診ているが、決して特別な治療方法はしておらずオーソドックスな治療穴を使用していたとのことでした。また、データを重視する先生の研究意欲は分かるが、あまりにも自身のデータに科学的根拠を強引にくっつけてしまうところが、少し?だと感想を述べてました。私も行きたかったのですが、ねんりんピックがあり行けなかったので、たいへん勉強になりました。

・症例報告:肩関節治療に対する鍼灸マッサージ施術の症例

【元茂先生】
本日は、福井からの両先生が発表。元茂先生は、72歳の女性で、左首から腕にかけての痛みと、右肩の痛みを主訴に来院された方の症例報告でした。5年以上前にやっていたバレーボールで右肩を痛めて以来、現在、水泳をやっているのだが、水をかく時に右肩が痛み、1週間前から左の首から腕にも症状が出てきた。11月に出場するマスターズに向けて調整するため来院しました。耳鳴りや水泳している時に足がつりやす症状もあるとのこと。12回の治療経過で、現在も通院中。症状は良好な経過を辿っている。病態把握をもっと深く捉えることが肝心であると指摘があった。治療方法はたくさんあるが、なぜ、ここが痛くなるのか、なぜこの症状が現れるのか、それらを問診と身体所見や症状から的確に把握し、重症疾患や潜在的な内臓疾患がないかを鑑別することが大切だとの指摘もありました。左の首から腕だと狭心症などの心疾患ですね。ここに鍼灸やっとけは楽になるだろうではなく、考えて、悩んで治療することが自分の臨床能力をあげ、患者さまのためにもなるんですね。だから、症例報告を行い、皆に指摘を受けることは必要なので~す。次回も頑張ってね!

・症例報告:中心性網膜炎(中心性漿液性網脈絡膜症)に対する鍼灸治療

【吉田先生】
福井からもう一題。聞き慣れない疾患でしたが、目の疾患で中心が見づらくなったり、暗く歪んで見えたり、小さく見えたり、色が違って見えたりという症状が出現します。目の画像を映している網膜に、網膜を栄養する脈絡膜から水のような成分が流れ込み症状を発症するようです。3~6ヶ月で自然治癒するが、再発傾向も強い。過労や睡眠不足、ストレスなどが引き金になるという疾患です。症例は36歳の男性。鉄工所勤務。6年ほど前から眼科にてこの疾病と診断。1年に1回ほど発症するが通常数カ月で改善するが、今回はなかなか改善されないことと、頭痛や頸肩部のコリもあり来院されたよう。過労やストレスがこの疾病の引き金であることから鍼灸も効果があるのではといことで治療を開始。約2カ月の治療で目の症状は改善。いつもより早期の回復。頸肩部のコリはまだ残るので治療を継続されているとのこと。試行錯誤し、悩みながら治療を行い良好な結果が出ました。病態の考察こそなかなか難しいですが、鍼灸治療が何らかの症状回復の支えになったことは確かだと思います。適応なのか、どうかは、一例では分かりませんが、改善する症例もあるということは治療を行う自信になります。まあ、根本的には生活習慣を患者さま自身が改善していくことが大切なのですが…その指導をお願いしま~す、吉田先生!

・実 技:筋肉の触診 ~筋肉を触ろう!~

【粟 先生】
本日のメニューは、広背筋の触診です。その名の通り筋肉の面積はとしては身体で一番広い面積を持ちます。腰から背中に始まり、肩関節(上腕)の内側に終わる筋肉です。野球の投球動作において、コッキング後期あるいはフォロースル―期に大きな力を発揮する筋肉です。薄い筋肉ですので、胸腰筋膜部分の触診は難しいんですね。でも勉強していると臨床の時に体の内部を意識しやすいんですね。次回は、今までやってきた背中の筋肉の触診の総おさらいと、その機能的関係、そして経穴などの確認に決定しました! 

※最後に、12月12日(日)に石川県鍼灸マッサージ師会 青年女性部主催で行う「こころ」と「からだ」のための講演会の報告と、協力のお願いを私(青年女性部長)から。


やはり、終了時間は1時近くなのですね~エキサイトしますよ。そして、眠たくないんですね。交感神経緊張状態ですか~。身体には良くないのかな

”学問を為す効能は、人の気質を善く変化させるところにある。そして、それを実践するのは立志に他ならない”
『言志四録』より

皆さん、臨床後、遠い所から近い所から、患者さまが良くなって、幸せになってもらうために勉強に集まる。これは立志に他なりませんね。そして、常に刺激を受けながら良き変化をしていく。進化とも言えるかな。

酔耀会のメンバーは、そんな志を持つメンバーばかりなのであ~~~~~る 

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (4)
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