9月25日(日)、平成23年度の(社)全日本鍼灸学会の中部支部学術集会が名古屋で開催されましたので参加しました。
(社)全日本鍼灸学会 第29回中部支部学術集会
日 時:平成23年9月25日(日) 午前10時30分~午後4時30分
テーマ:『国民に理解される鍼灸科学性の確立』
主 催:(社)全日本鍼灸学会
担 当:中部支部
会 場:愛知県産業労働センター(ウインクあいち)10階
愛知県名古屋市中村区名駅4-4-38
中部支部長 富山の津田先生 開会の挨拶
内 容:
≪特別講演≫
①演 題;「経絡の形態学的表現について ~視床下部-下垂体系もう一つの濾胞星状細胞の存在~」
講 師; 曽爾 彊 先生 名古屋市立大学名誉教授・ユマニテク医療福祉大学校
②演 題;「耳と血圧と電気刺激」
講 師; 田中 邦彦 先生 岐阜医療科学大学 保健科学部 放射線技術学科 教授
③演 題;「耳鳴の鍼灸治療 -効果的な鍼灸治療とは?-」
講 師; 佐々木 和郎 先生 鈴鹿医療科学大学 鍼灸学部 学部長
≪一般口演≫
・糖尿病、消化管の不定愁訴、アルコール性肝硬変、アレルギー性皮膚炎、眼瞼痙攣、線維筋痛症、
関節リウマチの鍼灸治療の各症例報告
・不妊症の鍼灸治療集積報告、花粉症の鍼灸治療調査報告、鍼の事故予防カウンターの開発、
心拍変動解析を指標とした鍼治療の自律神経反応評価、鍼灸院における睡眠・頸肩腕痛患者の調査
三重大学医学部附属病院麻酔科(統合医療・鍼灸)外来における調査報告
などなど19題の発表が行われました。
(そのうち、東洋医学研究所グループの発表が11題でした)
この学術集会は名古屋駅からすぐ近くの会場で開催されたわけですが、たいへん便利でした。が、相当、会場使用料がお高いようでした。利便性をとるか、少し時間がかかっても、少し遠くをとるか、ですかね。遠方から車で来る人のことを考えると駐車場がないというのが難点ですが…(周辺コインパーキングだと相当、料金とられますしね)。
参加者は161名だったそうです。中部支部学術集会としてはたくさん来場された方でしょうね。通常は鍼灸の専門学校や大学が多い場所は学生動員もすると、参加者が非常に多く見えるトリックがあるのですが、今回は、学生動員しなしでこの人数ですから、多くの鍼灸師の皆さんが勉強に励んだということになりますね。
学術集会や講習会、研修会に、時間とお金を使って自分に投資するのは当たり前なんです。
八百屋さんでも、魚屋さんでも、その日の新鮮な野菜や魚を、お客さんの笑顔のために、お客さんに喜んで食べてもらえるために、毎日、朝早くから市場に出かけて仕入れてくるわけです。
ということは、ここに集まって勉強している鍼灸師は当たり前の鍼灸師ということになります。それが普通なのですから。そうして患者様のため、自分の仕事の糧となる新しい情報や方法を仕入れてくるんですからね。
そんな話をしていたら長くなってしまいますので止めますが、確かに儲けなくてはやっていけないのですが、どんな形でも常に貪欲に勉強する姿勢の鍼灸師に患者様がついていくのも、これまた真理でしょう。そして、神様はそこを見ているんじゃないですかね、と私は思うのです。
さて、特別講演では耳に関する講演が2題ありました。耳鳴りや難聴など耳の症状を持つ人は多いんですよね。当院でも多いです。耳症状の鍼灸診療を行う際のヒントがいくつかあり勉強になりました。耳と血圧なんてのも面白い考え方でした。東洋医学では耳は腎に属し、腎は人体の水分を調整することも一つの大きな機能ですから、そんな意味でも科学と東洋医学は繋がるところがあると感じました。
特別講演 会場の様子
一般口演に関しては、明生鍼灸院の不妊症に関する報告のところで、いくつか質問させて頂きました。やっぱり名古屋まで来たんだから何かを得て帰らないと、自分としても納得できないし、患者様の利益にもなりませんしね。ということで、何点か質問させて頂き、不妊症に関する治療のヒントを得てきました。
その後、懇親会でも発表した先生の食べる時間を少し割いて、不妊症に関するディスカッションをさせて頂きました。
一般口演 会場の様子
また、三重大学附属病院麻酔科(統合医療・鍼灸)外来での報告でも質問させて頂きました。鍼灸外来が出来て1年が経過して、患者様には好評であり、新患さんも増加しているようでした。各地域の鍼灸師との連携もこれからとっていくようです。ドクターサイドには、認知して頂ける先生と、理解して頂けない先生が存在するようで、これから継続していく中で、鍼灸外来が浸透していくように努めるようでした。
病院に鍼灸外来ができることで、危機感を持っている鍼灸師の先生から質問がありましたが、私の考えとしては病院には、どんどん鍼灸外来ができるべきだと思います。国民の中で鍼灸にかかる人の割合はほんの7%ほどです。その掘り起こしになりますし、自分を常に高めておき、医学、医療の基礎的なことを勉強し、東洋医学に関する勉強、あるいは技術を磨いていれば、逆に、鍼灸院は勝ち残っていけると感じます(勝ち残るという表現が適切かは分かりませんが…)。そのように心がけている先生方にはチャンスだと思いますね。だから三重大学のこの取り組みは価値あることだと感じます。
意外だと思いますが、大学病院や大病院で東洋医学科や統合医療科などを併設しているところもけっこうあるんですよ。
勉強の後は懇親会。
会場は、学術集会会場に隣接する「ホテル キャッスルプラザ」 4階 鳳凰の間。
懇親会の様子
当初、参加する予定はなかったのですが、師匠であります東洋医学研究所所長の黒野先生が出席するということで、急遽、参加することにしました。
これが一杯入ると、いろんな話ができるものです。いろんな皆さんと、ここでもいろんな話をして、収穫してきました。
有意義な時間でした。
以上、中部支部学術集会の報告で~す
二葉鍼灸療院 田中良和
(社)全日本鍼灸学会 第29回中部支部学術集会
日 時:平成23年9月25日(日) 午前10時30分~午後4時30分
テーマ:『国民に理解される鍼灸科学性の確立』
主 催:(社)全日本鍼灸学会
担 当:中部支部
会 場:愛知県産業労働センター(ウインクあいち)10階
愛知県名古屋市中村区名駅4-4-38
中部支部長 富山の津田先生 開会の挨拶
内 容:
≪特別講演≫
①演 題;「経絡の形態学的表現について ~視床下部-下垂体系もう一つの濾胞星状細胞の存在~」
講 師; 曽爾 彊 先生 名古屋市立大学名誉教授・ユマニテク医療福祉大学校
②演 題;「耳と血圧と電気刺激」
講 師; 田中 邦彦 先生 岐阜医療科学大学 保健科学部 放射線技術学科 教授
③演 題;「耳鳴の鍼灸治療 -効果的な鍼灸治療とは?-」
講 師; 佐々木 和郎 先生 鈴鹿医療科学大学 鍼灸学部 学部長
≪一般口演≫
・糖尿病、消化管の不定愁訴、アルコール性肝硬変、アレルギー性皮膚炎、眼瞼痙攣、線維筋痛症、
関節リウマチの鍼灸治療の各症例報告
・不妊症の鍼灸治療集積報告、花粉症の鍼灸治療調査報告、鍼の事故予防カウンターの開発、
心拍変動解析を指標とした鍼治療の自律神経反応評価、鍼灸院における睡眠・頸肩腕痛患者の調査
三重大学医学部附属病院麻酔科(統合医療・鍼灸)外来における調査報告
などなど19題の発表が行われました。
(そのうち、東洋医学研究所グループの発表が11題でした)
この学術集会は名古屋駅からすぐ近くの会場で開催されたわけですが、たいへん便利でした。が、相当、会場使用料がお高いようでした。利便性をとるか、少し時間がかかっても、少し遠くをとるか、ですかね。遠方から車で来る人のことを考えると駐車場がないというのが難点ですが…(周辺コインパーキングだと相当、料金とられますしね)。
参加者は161名だったそうです。中部支部学術集会としてはたくさん来場された方でしょうね。通常は鍼灸の専門学校や大学が多い場所は学生動員もすると、参加者が非常に多く見えるトリックがあるのですが、今回は、学生動員しなしでこの人数ですから、多くの鍼灸師の皆さんが勉強に励んだということになりますね。
学術集会や講習会、研修会に、時間とお金を使って自分に投資するのは当たり前なんです。
八百屋さんでも、魚屋さんでも、その日の新鮮な野菜や魚を、お客さんの笑顔のために、お客さんに喜んで食べてもらえるために、毎日、朝早くから市場に出かけて仕入れてくるわけです。
ということは、ここに集まって勉強している鍼灸師は当たり前の鍼灸師ということになります。それが普通なのですから。そうして患者様のため、自分の仕事の糧となる新しい情報や方法を仕入れてくるんですからね。
そんな話をしていたら長くなってしまいますので止めますが、確かに儲けなくてはやっていけないのですが、どんな形でも常に貪欲に勉強する姿勢の鍼灸師に患者様がついていくのも、これまた真理でしょう。そして、神様はそこを見ているんじゃないですかね、と私は思うのです。
さて、特別講演では耳に関する講演が2題ありました。耳鳴りや難聴など耳の症状を持つ人は多いんですよね。当院でも多いです。耳症状の鍼灸診療を行う際のヒントがいくつかあり勉強になりました。耳と血圧なんてのも面白い考え方でした。東洋医学では耳は腎に属し、腎は人体の水分を調整することも一つの大きな機能ですから、そんな意味でも科学と東洋医学は繋がるところがあると感じました。
特別講演 会場の様子
一般口演に関しては、明生鍼灸院の不妊症に関する報告のところで、いくつか質問させて頂きました。やっぱり名古屋まで来たんだから何かを得て帰らないと、自分としても納得できないし、患者様の利益にもなりませんしね。ということで、何点か質問させて頂き、不妊症に関する治療のヒントを得てきました。
その後、懇親会でも発表した先生の食べる時間を少し割いて、不妊症に関するディスカッションをさせて頂きました。
一般口演 会場の様子
また、三重大学附属病院麻酔科(統合医療・鍼灸)外来での報告でも質問させて頂きました。鍼灸外来が出来て1年が経過して、患者様には好評であり、新患さんも増加しているようでした。各地域の鍼灸師との連携もこれからとっていくようです。ドクターサイドには、認知して頂ける先生と、理解して頂けない先生が存在するようで、これから継続していく中で、鍼灸外来が浸透していくように努めるようでした。
病院に鍼灸外来ができることで、危機感を持っている鍼灸師の先生から質問がありましたが、私の考えとしては病院には、どんどん鍼灸外来ができるべきだと思います。国民の中で鍼灸にかかる人の割合はほんの7%ほどです。その掘り起こしになりますし、自分を常に高めておき、医学、医療の基礎的なことを勉強し、東洋医学に関する勉強、あるいは技術を磨いていれば、逆に、鍼灸院は勝ち残っていけると感じます(勝ち残るという表現が適切かは分かりませんが…)。そのように心がけている先生方にはチャンスだと思いますね。だから三重大学のこの取り組みは価値あることだと感じます。
意外だと思いますが、大学病院や大病院で東洋医学科や統合医療科などを併設しているところもけっこうあるんですよ。
勉強の後は懇親会。
会場は、学術集会会場に隣接する「ホテル キャッスルプラザ」 4階 鳳凰の間。
懇親会の様子
当初、参加する予定はなかったのですが、師匠であります東洋医学研究所所長の黒野先生が出席するということで、急遽、参加することにしました。
これが一杯入ると、いろんな話ができるものです。いろんな皆さんと、ここでもいろんな話をして、収穫してきました。
有意義な時間でした。
以上、中部支部学術集会の報告で~す
二葉鍼灸療院 田中良和