二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

「今そこにある危機」を認識させるには! 平成23年10月 東洋医学研究所コラム

2011年10月12日 | 東洋医学研究所 コラム
東洋医学研究所のコラムが更新されました

 『「今そこにある危機」を認識させるには!』 

      東洋医学研究所グループ 山田鍼灸院(愛知県安城市)  院長 山田 篤 先生

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今回の東日本大震災において、私たちが記憶している中では最大規模の津波が押し寄せました。
災害の際、今が異常な状態だと分かっていても逃げ遅れるのはなぜなのか?ということを考え、そこから医療についても考えてあるコラムです。

その心理状態を「正常性バイアス」と言うようです。

いわゆる、今、危険な状態であっても、何の根拠もなく「安全だ」「大丈夫だ」と思いこみ、心を平静に保とうとする心理状態だそうです。そんな心理状態の人が周囲にたくさんいると、余計に逃げ遅れるでしょう。また、それだけではなくて、今回の場合は、逃げることができなかった状態というのもあるんでしょう。

さて、「釜石の奇跡」ということがメディアを賑わしたことがありました。釜石市にある釜石東中学校と隣接する鵜住居小学校の生徒が全員無事に津波の被害を免れたというニュースです。

釜石東中学では4年前から授業に群馬大学などと協力して「津波防災教育」というのを授業に取り入れていたそうです。また、2年前から隣接する鵜住居小学校と合同で避難訓練を行い、まず「小学生を先導すること」と「高台に逃げること」を徹底されていたようです。訓練と授業の積み重ねで、自然に身体が動くようになっていたこと、それを真剣に行っていたことで、自分で考えて行動できるようになっていたのだろうと思います。先生方の先導もさらに行き渡っていたのだろうと思いますね。

そうした行動が「命」を救ったのでしょう。また、集団で助け合う結束力も、大きな力となったのだろうと思います。
何もない時から、常に何かあった時に真剣に備え、それを自然にできるまでの訓練することの大切さを私も教えてもらいました。

また、こんな話を聞いたことがあります。津波が来る前は、昔の人は海辺へ走ったそうです。今回は地震があったのでそんなことはできなかったでしょうが、潮が引いた浜辺に魚がたくさん取り残されるから、それをとるらしいのです。しかし、津波で被害にあわれる方はいなかったとか…どこまでが危険か肌で、自然の感覚で分かったのでしょうね。昔って、私たちのおじいちゃん、おばあちゃんより、さらに上の年齢の方です。

そんな「命」に対する人間の本能、自然との一体感というのが、今の人間の中で失われていることも今回の被害で考えないといけないことなのではないかと思います。それは、自然界にない物質を産生して、人間の文明を維持するためのエネルギーをつくる原子力発電にも言えることでしょう。その物質により人間のみならず、自然界のすべての生物や鉱物を汚染するわけですから、利権に絡んで物事を言っている人は考えて頂きたいと思いますね。

そういう意味では、防災に関しても、人間としての本来の姿にしても、東日本の地域の人だけでなく、日本人皆で考えていくことが大切でしょうね。日本はどこにいても地震や火山活動の影響など災害が起きる可能性があるんですからね。


どうぞ、東洋医学研究所コラムをご覧になって頂き、日々の生活に役立てて頂きたく思います。


二葉鍼灸療院 田中良和