二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

ワタミ株式会社 会長 渡邉美樹さん 講演会 3

2011年11月01日 | 経営って何?!
10月10日(月祝 体育の日)、金沢歌劇座で開催された、ワタミ株式会社 渡邉美樹 取締役会長の講演会の内容を書いています。


 渡邉 美樹会長


では、続きを書きます。

「今」何も希望や夢を持たなければ、何もできないし、元気も出ない。誰かに任せるのではなく、我々が「今」何ができるか、自分を変えていこうということで、陸前高田市において復興に向けての最大のイベントである『陸前高田市 復興街づくりイベント~街づくり 夢づくり~』が8月27日、28日の両日に開催された。被災にあった、あるいは被害を受けた地元の約70店舗以上、あるいは全国より参じて頂いた店舗を合わせ100店舗以上が集まり、お店を開いた。
もう一度、「今から」「ここから」、商売をする喜びを感じて頂き、商売を再開するきっかけづくりになってもらいたい。また、そんな嬉しい顔を見たいという渡邉さんの思いもあった。両日、合わせて7000人の街に17500人が集まり賑わいを見せた。

皆、この場所(イベント会場)に来て「元気にやってたんだね」「本当に無事でよかった」と喜び合った。またチラシに店舗の情報を載せたところ、そこで、被災に合ってどうしているだろうと思っていたお店が名前を載せていることに、安否が分かったという思いがけない効果もあったそうです。

このイベントで再開した皆さんは、ただ手を握りあっていたということだった。渡邉さんは、私たちの想像を絶するような体験をされた人に、安易に言葉なんてかけることができない。この状況を頑張って耐え抜いている皆さまに、出てくる言葉もない。ただ手を握って、傍にいてあげることしかできないと話された。そして…時を待つこと。

ちょっとした差で生死を分け生き残った皆さまが思っていることは、”この命を大切に生き抜き、次に繋げていくこと。”

このイベントの運営は電通にお願いしたのですが、その担当者の方が「私もこのようなイベントを300以上も手掛けてきました。でも、こんなに温かく、笑顔があふれ、みんなが優しいイベントは初めてです」と言われたそうです。

カンボジアには、孤児院や学校建設のために12年ほど関っている渡邉さん。ここでは、いつもやってあげるという意識はなく、常に勉強させてもらう学びの場であると話された。

例えば、カンボジアの渡邉さんの建設した学校に通う少女に「他に何か必要なものはありますか」と聞いたところ、「食べることができ、寝る場所があり、勉強ができます。他に何が必要でしょうか 本当にやって頂いていることに感謝しています」と言われたそうです。そして続けて、「もしできることなら日本語を勉強したい。そして、今後、このような活動の架け橋となれるようにカンボジアと日本を繋げる仕事をしたい」と言われたそうです。
そこで、あるものに感謝するということは、こういうことなのだと学んだ。普通の時に、あるものに感謝できる生活を心がけようと。

カンボジアでは、その給食の食材確保や地域の皆が食べていけるように農業も開発し、そこに雇用を生み出している。

東北の被災者が「今」何が一番欲しいか。それは雇用であり、仕事をすることができる場所である。渡邉さんが今、すぐにできる仕事としてコールセンターを立ち上げたそうです。また、陸前高田市、気仙沼市、大船渡市、これらいずれも壊滅的被害を受けた地域の、もう一度商売がしたい皆さんを1000人集めて、講習会を何度も繰り返し、経営計画書を書かせて、その中から、本気で商売をやりたい50名を選出して、資金面などの交渉を行い、商売ができるようにする取り組みも行ったそうです。そこを起点に大都市からの集客、そして世界へ打って出ようという考えがあるとか。

陸前高田市の戸羽市長は、復興の暁には、現在2万人の人口を10万人に増加させるため意欲満々で、復興事業に取り組んでおられる。

風車(風力発電)を30~40建てるとグループの30分の1の電力が賄える。そんな構想もある。なぜ、そんなことが思いつくかというと、「これをやりたい」と強く思うことで、イメージが湧き、挑戦する。そうしてやってきたから、グループ全体の年商1500億円、従業員5000人、パートのおばちゃんまで合わせると3万人のグループが出来上がった。

渡邉さんの姿勢は、まず自分が実行して、実践して、国にもの申すことである。

  自分の好きな人生を生きるための五カ条 

第一条「どうしてもこれをやりたい」と思うこと
・ワタミグループは、社員5000人すべての人が、この思いで夢を実現してきた会社だと思っている。
・お客様が全員やすらぎの場所だと思って頂けるように皆が仕事に取り組んでいる。その中には苦情や問題、お褒めの言葉など様々なことが起きてくる。しかし、「どうしてもこれをやりたい」と思っているからこそ、その部分から今後の課題や対策が生まれ、そこに工夫が出てくる。

※渡邉さんは「利他の精神」という言葉は嫌いで使っていないということであった。自分の仕事や行為などは、確かに結果的には人に喜ばれることなのだが、最終的には「自分のため」なのです。だから自分のためにやるのに、利他、利他とそれを前面に出すのは変だと感じるということでした。言葉の捉え方でしょうが、商売を拡大しながら、「ありがとう」を頂くため実践してきた渡邉さんだから言える言葉でしょう。「自他利の精神」とでも言いましょうか。

※ある密着取材をした雑誌の記者に「ワタミグループは、渡邉さんが、そうしたいから、そうしている、そんなグループなんですね」と言われた。私は、これは深い言葉だと思った。「そうしたいから、そうする」そこには天に従うというか、誠の道というか、精神的バックボーンに支えられた「そうする」がないと、これだけ社会に貢献しながら、事業を拡大していくということはできないと思った。

自分の欲望のコップを大きくしない。事業が大きくなればなるほど、大きな家に住みたい、高級車に乗りたいなど、自分を満たす欲望が増えてくる。それはそれで悪いことではないが、自分だけが満たされる欲望は小さい方がいい。コップが小さければ、利益という水が増えてくれば、溢れ出てくる。溢れ出たら、どんどん溢れ出させて、それを地域や国、あるいは世界にどんどん溢れさせていけばいい。そうすれば、そこに流れが出来て、さらに大きく事業や会社が育っていくのではないか。
この話は本当に腑に落ちました。


講演会、本当に感動したもので、どんどん書いていますが、私のメモとしても残しておきたいので、ブログは続きま~す。続きはパート4で書きますね。

「ほんと、長いブログやな~」と思われた方、すいません。お付き合いして頂ける方はパート4も読んでくださいね


二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワタミ株式会社 会長 渡邉美樹さん 講演会 2

2011年11月01日 | 経営って何?!
10月10日(月祝 体育の日)に行われた、東日本大震災チャリティー講演会、ワタミ株式会社 取締役会長の講演会の内容について書いていきたいと思います。


 司会は、МRO(北陸放送)の長田哲也アナウンサーでした



渡邉さんがステージに登り、演題に立たれた時の私の印象は、「いい笑顔」「温かさに包まれている」「しかし、芯があって強い」「行動によって結果を出している人の自信というか余裕がある」そんなことを講演に入る前に感じましたね。

さて、講演内容は箇条書きで書いていきますね。

まず、東日本大震災が起きた時から、その後の支援、そして復興へとお手伝いさせて頂いた経験の中でのお話がありました。そして、演題にもあるように「夢を持ち続けて生きる!」ために、私が実践してきたことで大切だと思うことのお話がありました。

では…

まずVTRで、テレビで放送された震災直後の陸前高田市、大船渡市の状況とともに、東日本大震災が起きてから、すぐに物資を調達して現地へ向かい、その後の被災地での支援活動、あるいは現場の状況を見ての渡邉さんの心境などが紹介された。また、学校経営などの様々な分野で、どんな気持ちで仕事を行っているのかが紹介された。

3.11は、東京都知事選挙に出馬していた渡邉さんは、その真っ只中だった。そして、大きく選挙の流れが変わった日でもあった。出馬しないと言われていた、石原さんが出馬を発表した日だった。それまで出先機関の調べでは渡邉さんが、人気ではトップであった。石原さんが出馬するとなると様相が違ってくるので、その日、記者会見を夕方から行う予定だった。その準備が整った所で起きたのが大震災であった。記者はビルの壁が剥がれ落ちる映像を撮影して帰っていったので、記者会見にはならなかった。という話を講演の導入部で話された。

①大震災当日、関東もほとんど交通網がマヒしていた。ライフラインも滞っていた。渡邉さんも東京から自宅(神奈川だったと思ったが…)まで歩くことにした。歩く道中、ほとんどの店が閉まっていて、電気も消えていた。社員のみんなどうしているかなと思いながら歩いていると、『和民』(何店かは忘れました)の電気がついていて、歩いている皆さんが入っていくそうです。「何やってるんだ」と渡邉さんが店に入ると、”食事や飲み物は出せませんが、トイレや休憩に使ってください”ということだった。そこの店長が判断して行ったそうです。
②また、『和民』の仙台にある店は、震災後、4・5日で商売を始めたそうです。ライフラインが確保できないのに…ガスコンロを使用してできる「キムチ鍋」一品で始めたそうです。
この①②ともに、渡邉さんから常々「ありがとうを貰うためなら、集めるためなら、何をやってもいい」と言われていることが全店に行き渡っている証拠でもあります。『和民』に限らず、グループ企業の5000人の社員が、そのことを意識し、考え、行動できているから、いいモノづくりができるんですよと話されていた。
お客さまからのクレームに対する社員の行動に関しても、徹底していることもエピソードなどを交え話されていた。それもやはりクレームをも「ありがとう」に変えるために、どんな心で応対したらいいかということも勉強になった。

渡邉さんは、東京都知事選真っ最中であったが、「まず被災地の支援だ」ということで、数日後に様々な物資を調達して現地へ向かった。(私はこれが、力を持っている人の、真の、誠の行動だと感動した)現地へ到着してみると、報道されているよりも遥かに悲惨な状況であった。まさに戦争状態という言葉がふさわしい状況だった。
渡邉さんたちが現地に入ろうとした時「ここより先は入らないでください」と自衛隊の人に言われた。「海の上には無数のお亡くなりになられた方々が漂っているんです」ということであった。津波の凄まじさを感じるとともに、絶句してしまったということでした。

支援の形も、はじめは「水が欲しい」から始まり「レトルトのお米が欲しい」、「レトルトのおかずが欲しい」「有機野菜が欲しい」と徐々に支援物資にも変化があり、徐々にではあるが復興に向かっていることを実感しているということであった。

またVTRにて、被災地に取り残された老人施設の高齢者の映像があった。若い職員は被災にあったり、逃げるので精一杯だったりで、施設の人も家族が引き取っていったりしたが19名が取り残されていた。調べてみると、もう食料もほとんど底が尽きていた。自治体の方から渡邉さんへ支援の要請があり、すべての人を無償で渡邉さんの老人施設へ迎え入れることにした。
その時のエピソードで、取り残された高齢者の皆さまは、出発のバスに乗る際は無表情で固い表情をしていたが、バスを降り施設に到着し、バスから降りて地に足を付けた瞬間、皆さん「ありがとう」と”号泣”されたそうです。これまでの不安や恐怖、私たちには分からないいろんなものが込み上げてきたのでしょう。というお話でした。(私も今までの話や映像とともに、思わず涙が出てしまいました…今もブログを打ちながら目頭が熱くなってます)

渡邉さんは、現地によく足を運んで、被災者の人たちと対話したり、また、そこで頑張る役所の人たちと話をする機会が多くあるそうです。多くの被災者の皆さまの心境は「私たちの幸せは、今ある”命”であり、今ここにいることで、今あるものに感謝をしている」ということでした。そして、「悲しみを乗り越えて、今ある感謝や温かい気持ちを、後世に繋げていかなければならない」という気持ちでいるということでした。

陸前高田市は街全体が壊滅状態です。そこへ陸前高田市の戸羽市長から復興参与として力を貸して頂けないかという要請があり快諾したそうです。東京都知事選挙に出馬したのも、この27年間に培ってきた経営のノウハウを何か国民のために活かせないかという思いで出馬したので、このような形で要請を受けたことは願ってもないことであった、と話されていた。

復興参与として役所の皆さまと復興に向けて話し合いをする中で実感したことは、「資金がない」ことだった。がれきを撤去し、土地を整備し、など復興に向けてすぐやらなければならないことがたくさんあるが、なんせ「資金がない」ということに尽きた。まず何をやるにしても、これだけの予算を付けて、資金をそこに投入してはじめて行動に移せるというもの。市長の話によると、今現在であっても、現地の補償や必要予算など、国、政府には、何も伝わっていない状況だということでした(もし聞いていたとしても、意思表示、行動で示せないのだから)。
この大地震は、過去に例がないほど甚大な被害を出している。そんな時は、すぐに様々な対応ができるよう法律を改正し、すぐに予算付けをして、それぞれの自治体とともに復興へ向けて進まなければならない。なのに…政府の現在の状況を見ていると分かりますが、対応が遅く、後手後手にまわり、まだ何も決まっていない状況である。そんな政府、そんな国では、夢や希望が見出せず、元気がなくなる。

※(これは私の意見)現在も復興財源の確保に、様々な増税、復興債の在り方などを論議しているが本当にノロいと思う。まったく前例がないので、被災にあった都市や市民は決まるまで待ってなさいという態度に見えて仕方がありません。確かに約90兆円もの国家予算に税収が約40兆円、その他は国債で賄っていること自体、なにか国家予算そのものに無理があるとは思いますが、だから増税なんてことは、あまりにも短絡というか、国民を欺いている感じがしますね。

また、現在、円高で為替介入が日銀により行われていますが、お金を刷り、アメリカ国債を購入するわけです。その資金は、外国為替資金特別会計から拠出されます。そこにプールされているお金が外貨準備高です。日本の外貨準備高は1.1兆ドルあり、その多くはアメリカ国債となっています。為替介入とは、このお金でアメリカ国債を買うということです。
2007年から2011年までの4年間に、外貨準備での為替評価損失は45兆円もあるそうです。短絡的ではありますが、この損失がなければ復興にはいくらか当てることができたのではないでしょうか。また、特別会計からの見えないお金は埋蔵金としてプールされるのですが、そのお金を各省庁が少しづつでもいいから出せば、まず、初動のための資金となったのではないでしょうか。



すんませ~ん熱くなりまして。長くなってますので、パート3へ移ります。

お付き合い頂ける方は、パート3も読んでくださいね。


二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする