5月4日(水祝 みどりの日)、この日も朝より星稜高校野球部グランドへ行き、選手のケア(トレーナー活動)を少し行い、選手に帯同し、ともに石川県立野球場へ向かいました
この日は、春季 北信越地区高校野球石川県大会の決勝戦。
なぜか最近、風の強い日が多い。この日も、毎年大勢が訪れる「九谷茶碗まつり」などが強風のため中止。前日は雨が心配でしたが、そう強くも降らず、朝方にはやんでいましたので、昼に近づき風が強くなるのだけが心配な晴天という天候の中の試合でした。
やはり決勝までくると選手の疲労は抜けきらない所があります。が、選手たちは連戦にも関らず、出発前は、いい声が出ており表情も明るかったので、いい試合をやってくれるだろうという期待感を持ちました。
ここまでの展開、星稜は、小松大谷、金沢、遊学館と私学の強豪を破り決勝まで駒をすすめました。北信越本大会はもとより、夏の石川県大会に向けても大きな自信と学びになったと思います。そんな意味でもここまでの選手、チームの成長は大きいものがあると思います。
その勢いでの決勝戦ということになりました
第134回北信越地区高校野球石川県大会 ~決 勝~ 星稜 金沢商業
平成28年5月4日(水祝 みどりの日) 石川県立野球場
決 勝 星 稜 金沢商業
一 二 三 四 五 六 七 八 九 計 H E
金 商 1 2 0 0 0 0 1 0 0 4 9 3
星 稜 0 0 0 0 1 0 0 0 3x 5 7 0
星稜高校 4季ぶり35回目の優勝(春は19回目の優勝)
星稜は準決勝に引き続き後攻をとりました。
試合展開は序盤から5回までは金沢商業ペースに。5回から終盤は星稜ペースに。そして最後は連日の逆転サヨナラ勝利という劇的な勝ち方となりました。チームスタッフの皆様、私もそうですが、序盤からアドレナリン全開で臨めるような展開にもっていかないと、心臓がいくつあっても足らないくらいハラハラ、ドキドキ感です
観戦している観客の皆様や高校野球ファンの皆様はエキサイティングで面白い試合かもしれませんが・・・
序盤、星稜2年生エース 清水君は、私も全力で身体の疲労や緊張を軽減させるため準決勝に施術させていただきましたが、160球を投げた筋肉の回復には、やはり時間がかかります。当初から早めの継投を考えていたようですが、本人もやるき満々で迎えた決勝は、変化球はそこそこ切れていましたが、ストレートに球威がなく、ややコントロールも甘いところがありました。
金沢商業の打線は監督の指導がいいのか、私学に負けないほどの鋭いスイングをしており、長打も量産できる強力な打線です。そんなに身体は大きくありませんが夏に向けて、やはり最警戒しないといけないチームの一つでしょう。
そんな打線が、序盤から清水君の甘いストレートや投球が単調になったところの変化球を強打され、2回で4安打3失点をくらいました。なんと言っても金商では、1番の元地君が5打数3安打2打点と大当たりで、きっちり真芯に当てて振り切り、強く鋭い打球を連発していました。いやらしく恐い1番バッターの存在が序盤の試合の流れをつくっていったと思います。
星稜は、3回から3年生のアンダースロー(サイドスロー)前井君にピッチャー交代。7回に2アウトから3連打で1点を失うものの、失点はこの1点だけでした。テンポいいリズムと、内側、外側にうまく散らしたピッチングで、終盤の反撃のリズムをつくっていったと思います。
金商の先発投手 小林君はそう球威はありませんでしたが、変化球と緩急をうまく使い星稜打線に内野ゴロの山を築いていきました。打てそうなんだけど、なかなかタイミングが合わないという、なんとも歯痒い感じでバックネット裏から観ていました。
しかし、星稜のバッターは大ぶりしたり、軸を大きくぶらしたりすることなく、タイミングを狂わされていましたが振り切っていた結果が内野ゴロだったと思います。フライも少なかったし、どこかで捉えられないかという思いでいました。小林君も投球数は少ないとはいえ、連投でしたので疲労もあったと思います。彼も序盤の金商のリズムをつくった一人でしょう。
5回表が終了し、確か金商が6安打、星稜が2安打ほどだったと思います。
序盤試合が動き、その後、両投手の投げ合いで中盤までゲームが動かない、金商にとってはこのままいって欲しい、星稜にとっては何となくイヤな展開となってきました。
5回裏は、絶好調男 木倉君から始まりましたが凡退。1アウトでキャプテンの虎谷君。
やや疲れがみえて若干高目に浮いたストレートを、逆風・強風もなんのそのライナーでレフトスタンドへ運ぶホームランを放ちました
これは大きな一撃でしたね。翌日の新聞にも林監督の談話で載っていましたが、このホームランがなければ、あの試合展開にもっていくには点差的にも、気持ち的にも厳しかったと思います。
さすがキャプテンです。いい仕事してくれます。
この感動を『北斗の拳』風にタイトルを付けるなら
星稜の虎が目を覚ます!
俺の一撃が流れを変える!!
てなところでしょうか。
5回を終了して1-3で金商リード。
6回裏には星稜はエラーを絡め、1アウト二・三塁とチャンスを迎えますが、3番 佐々木君 三振。四番 寺西君は強くいい当たりでしたがセカンド正面のライナーで得点が入りませんでした。
ピンチの後にチャンスあり
先ほども書いた通り、7回表には、金商が3連打で1点をとり追加点は金商へ・・・
7回裏には金商のピッチャー小林君は、やや球威が衰え、コントロールが乱れてきたところで福田君に交代。ストレートはキレがありいい球を投げますが、球質が軽そうな感じの投手でした。でも、なかなかいい球を投げます。
星稜ピッチャーの前井君8回、9回は打者を3人でリズムよく打ち取り、星稜のサヨナラ劇場の流れをつくっていたと思います。終盤は、相手バッター胸元の球をうまく使い安打もほとんど許しませんでした。
さて、8回裏。
ピッチャーから交代してファーストを守っていた清水君に代わり、代打 越中君
越中君は、3回戦からラッキーーボーーーイな役割を果たしてきたバッター。何かやってくれそうな予感は星稜側の皆が感じていたかもしれません。星稜、逆転劇場の序章が幕開けです。
そしてガチコーンと打った打球は左中間へ。普通ならレフトライナーだったかもしれません。風に押し戻されレフトの前へ落ちるツーベースヒット これもしっかり振り切って、いい音を響かせているから起こる事件なのです
続く9番 川岸君がライトへヒットし(エンドラン)ランナーは一・三塁。1番 森田君のショートゴロゲッツー崩れの間に、1点を加点し2-4としました。
1アウト1塁から畑中君がエンドラン。打球は低い弾道でライトの後ろへ飛ぶ難しい打球でしたがキャッチされました。
先ほどのラッキーな越中君のヒット以外は、多くの内野ゴロをさばく内野手、さっきのライトのような外野手ともに守備に関しても監督イズムが浸透しているチームだなと感じましたね。
その後、3番 佐々木君がファーボールを選びますが、4番の寺西君はセカンドゴロに倒れ、9回裏の攻撃を残すのみとなりました。
9回裏、この試合ここまで当たりのなかった今大会絶好調男の木倉君がライト線へツーベースヒット。
6番 虎谷君が三遊間を破り、ノーアウトランナー1・3塁。
7番 ピッチャーの前井君に代わり、代打 真弓君。彼は、すごく身体もごつくて雰囲気のあるバッター。実際、長打力のあるバッターです。が、意識は良かったのですが、ボテボテのセカンドゴロの間に1点を加点し3-4としました。
ここで8番 越中君。ガチーンと打った当たりはファースト側ファールグランドへの大きなフライ。ありゃ~と思っていたら風に押され押され戻ってきてファーストはキャッチできませんでした。その後、デッドボールで出塁し、1アウト1・2塁。
ツーアウト2塁とワンアウト1・2塁・・・9回裏のプレッシャーは全然違ったものだったでしょう。
ここで、また今大会、ラッキーーボーーーイな働きをしている川岸君。キャッチャーとしても抜群の仕事をしています。
私もここはどんな作戦で来るだろう 次の森田君はここ数試合当たっていないし、今日もフライが多いし・・・バント・・・エンドラン・・・来ました、3塁線へのセーフティーバントでした。
やや強い打球でしたが三塁線へキレイに転がっていきました・・・サードのスタートが少し遅れましたが、慌てなければファーストはアウトにできるタイミングでした・・・が、サードがファーストへ悪送球
ここで一気に2人のランナーが帰り、5-4と逆転 星稜逆転劇場の幕が劇的に閉じ、ゲームセットとなりました。
この勝利は、清水君の後を受け継いだ前井君の好投と、やはりこの強風の中で対応し予測しプレーできた星稜の守備にあるかなと思います。星稜はいくつかフライが内外野に飛びましたがエラーはありませんでした。同じ風の中でどう対応できたかという点。気象に関してはどちらのチームも同じ条件です。
また、バント処理。準決勝の遊学館戦でもそうでしたが、大事なところでのバントシフト-ホースアウトでピンチをしのぐ場面がいくつかありました。今日の前井君のバント処理もそうでした。そんな守備が相手のスクイズ失敗にも繋がっていくんだと思います。この点は、いい動きだったし、日頃からよく鍛えられていると感じましたね
その守備の上においての今大会はよく打ちました。今日も虎谷君がホームランを打ちました。
決勝こそ、1ケタ安打に抑えられ、さすが金商ですが、ここまで5試合すべて2ケタ安打、長打が多いというゲームでした。これも優勝するための条件だったように思えます。
さて大会が終了し、今後、レベルアップ、ステップアップして甲子園で勝っていくチームになるためには、まだまだ改善、修正していく点がたくさん発見だきたことだろうと思います。今後は追われる立場となります。そんな中でも志高く、さらに極みを目指し、常勝集団となるために成長していって欲しいと思います。
私も選手を全力でバックアップできるようにトレーナーとして臨床家としてレベルアップしていかないと と強く刺激をもらいました
第134回北信越地区高校野球大会は、福井県営球場とフェニックススタジアムを会場に6月4日(土)~7日(火)にかけて開催されます(抽選日 5月26日)。石川県からは決勝を戦った2校が出場します。
星稜:3季ぶり54回目の出場(春 26回目)
金沢商業:3季ぶり12回目の出場(春 5回目)
ここでも頂点を取り、久しぶりに石川県から優勝したいなと思うところです。
また皆様の応援よろしくお願いします
熊本県(鍋ヶ滝)
長文お読みいただき、お付き合いいただき、ありがとうございます。