6月22日(日)午前中に、青森県六ヶ所村に建設され、今年の7月に稼動予定の放射性廃棄物再処理工場を備えた核エネルギーリサイクル施設を巡る、地域住民の活動や葛藤を描いた映画『六ヶ所村ラプソディー』を観に行ってきました。
長年にわたる国との交渉、反対運動、時間の経過とともに変化してくる住民意識、少なくなりながらも頑なに原発、あるいは再処理工場稼動反対を貫き通している人々など、新聞やテレビでは知ることのできない真実の姿を観ることができるドキュメンタリー映画でした。
映画のあと、監督の 鎌仲ひとみさんのトークショーもあり、非常に勉強になり充実した時間を過ごさせて頂きました。素晴らしい芯を持った女性で、活発に全国を駆け巡っている監督さんで、いや世界を駆け巡っている監督さんのようです。この映画の輪はどんどん広がりを見せているようで、世界各国でこの映画が上映、上映予定が決まっています。
明るくエネルギッシュで、目的に向かって我を忘れて突き進んでいる監督に脱帽とともに、素晴らしいエネルギーを頂いた感じです。
この映画で展開されている問題は人事ではありません
私の地元、石川県にも原子力発電所があります。お隣、福井県には更に多くの原発があります。日本のエネルギーの30%は原子力により作り出されています。国は原子力発電の割合を高めようとしています。二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーだと宣伝しています。果たしてそうなのでしょうか。
原子力エネルギーに使われるのはウラン235です。しかし、天然ウランには核分裂を起こしにくいウラン238が約99.3%を占めており、235はわずか0.7%しか含有されていません。これを分離し3~5%程度まで濃縮させたものを発電所で使用します。これを核分裂させ臨界を起こさ、莫大な熱エネルギーから蒸気を発生させタービンを回して電気エネルギーを作ります。
まず分離した段階でゴミが出ます。これが劣化ウランです。これは無償でアメリカへ譲渡されます。これが劣化ウラン弾に変身します。劣化ウラン自体は放射性物質はほとんど出しませんが、ミサイルの先に装着され戦車などの装甲を破り衝撃を受けた時、酸素と反応し猛毒の酸化ウランとなります。この物質の半減期は45億年と言われています。この酸化ウランが内部被爆を起こすと白血病、ガン、遺伝子異常などの重大な被害を及ぼします。イラク戦争、アフガン戦争、コソボ紛争、ボスニア戦争などにも多量の劣化ウラン弾が使用されました。多くの世界の人々が被害にあわれています。私たちが豊かさを享受している電気エネルギーで、多くの劣化ウラン弾が製造され、多くの人々が苦しみを味わっているとしたら、原子力発電はクリーンエネルギーでしょうか私たちは戦争の加害者と考えてもおかしくありません。
また、原発には煙突がありますが、そこからは放射性物質が空気中に放出されています。また原発は必ず水のある所に存在します。燃料棒というところで核分裂が起こるわけですが、この熱たるや2400度の高温になるので、そのような高温では構造自体が持たないので冷却水により280度まで冷やされ、そこに蒸気が生まれるのです。その冷却水は冷まされ、放射性物質を除去したのち海や川、湖に排出されます。しかし本当にすべての放射性物質は除去されているのでしょうか。冷まされたと言っても高い温度であることは事実です。1分間に何十トンという温排水が河川、湖、海に流されますから、水温を上げ、生態系や環境に悪影響を及ぼしているとも言われています。
原発でエネルギー抽出のため使用されたウランからは核のゴミである低レベル・高レベル放射性廃棄物が出てきます。今後、これらは六ヶ所村の施設に集められ、低レベルの方はドラム缶につめられ300年間管理されます。高レベルの方からは、核分裂の遺産であるプルトニウムが抽出されます。国、あるいは原燃はこれをエネルギー利用しようとしています。これは生物の生活圏からは完全に隔離しておかなければいけない猛毒物質であり(名前の由来も、ブルートー《地獄の王》のような物質)、その技術は確立されていないようです。このプルトニウムをエネルギー利用しようと実行されたのが「高速増殖炉 もんじゅ」ですが事故を起こしました。アメリカ、イギリス、フランスという原子力大国も、このエネルギー利用から撤退しました。
プルトニウムという物質は1立方センチメートル(小さい角砂糖1個)の量で2000万人が死んでしまうという怖い物質です。内部被爆すれば、ほぼ100%の確率で肺ガンを起こします。そして大気中に出てテクネシウムという物質になると、さらに毒性を増すそうです。また、プルトニウムの半減期は24000年です。
プルトニウムを取り出した後の高レベル放射性廃棄物はどろどろの廃液状態でガラスとともに固定され頑丈な金属容器に入れられます。その後、30~50年間冷却し続けます。熱が冷めるまで時間がかかるのです(放射能は出ています)。それから地中深くに埋める計画ですが、現在もその候補地すら決まっていません。
原子力は本当に未来を支えるエネルギーなのでしょうか。石油はこのまま使い続けると60年で枯渇すると言われています。ウランは64年と推定されています。だから、プルトニウムを利用するのでしょうか。疑問です。国民の一人としては不安です
長くなりましたので、その2 で続きを書きます。
つづく・・・
二葉鍼灸療院 田中良和
長年にわたる国との交渉、反対運動、時間の経過とともに変化してくる住民意識、少なくなりながらも頑なに原発、あるいは再処理工場稼動反対を貫き通している人々など、新聞やテレビでは知ることのできない真実の姿を観ることができるドキュメンタリー映画でした。
映画のあと、監督の 鎌仲ひとみさんのトークショーもあり、非常に勉強になり充実した時間を過ごさせて頂きました。素晴らしい芯を持った女性で、活発に全国を駆け巡っている監督さんで、いや世界を駆け巡っている監督さんのようです。この映画の輪はどんどん広がりを見せているようで、世界各国でこの映画が上映、上映予定が決まっています。
明るくエネルギッシュで、目的に向かって我を忘れて突き進んでいる監督に脱帽とともに、素晴らしいエネルギーを頂いた感じです。
この映画で展開されている問題は人事ではありません
私の地元、石川県にも原子力発電所があります。お隣、福井県には更に多くの原発があります。日本のエネルギーの30%は原子力により作り出されています。国は原子力発電の割合を高めようとしています。二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーだと宣伝しています。果たしてそうなのでしょうか。
原子力エネルギーに使われるのはウラン235です。しかし、天然ウランには核分裂を起こしにくいウラン238が約99.3%を占めており、235はわずか0.7%しか含有されていません。これを分離し3~5%程度まで濃縮させたものを発電所で使用します。これを核分裂させ臨界を起こさ、莫大な熱エネルギーから蒸気を発生させタービンを回して電気エネルギーを作ります。
まず分離した段階でゴミが出ます。これが劣化ウランです。これは無償でアメリカへ譲渡されます。これが劣化ウラン弾に変身します。劣化ウラン自体は放射性物質はほとんど出しませんが、ミサイルの先に装着され戦車などの装甲を破り衝撃を受けた時、酸素と反応し猛毒の酸化ウランとなります。この物質の半減期は45億年と言われています。この酸化ウランが内部被爆を起こすと白血病、ガン、遺伝子異常などの重大な被害を及ぼします。イラク戦争、アフガン戦争、コソボ紛争、ボスニア戦争などにも多量の劣化ウラン弾が使用されました。多くの世界の人々が被害にあわれています。私たちが豊かさを享受している電気エネルギーで、多くの劣化ウラン弾が製造され、多くの人々が苦しみを味わっているとしたら、原子力発電はクリーンエネルギーでしょうか私たちは戦争の加害者と考えてもおかしくありません。
また、原発には煙突がありますが、そこからは放射性物質が空気中に放出されています。また原発は必ず水のある所に存在します。燃料棒というところで核分裂が起こるわけですが、この熱たるや2400度の高温になるので、そのような高温では構造自体が持たないので冷却水により280度まで冷やされ、そこに蒸気が生まれるのです。その冷却水は冷まされ、放射性物質を除去したのち海や川、湖に排出されます。しかし本当にすべての放射性物質は除去されているのでしょうか。冷まされたと言っても高い温度であることは事実です。1分間に何十トンという温排水が河川、湖、海に流されますから、水温を上げ、生態系や環境に悪影響を及ぼしているとも言われています。
原発でエネルギー抽出のため使用されたウランからは核のゴミである低レベル・高レベル放射性廃棄物が出てきます。今後、これらは六ヶ所村の施設に集められ、低レベルの方はドラム缶につめられ300年間管理されます。高レベルの方からは、核分裂の遺産であるプルトニウムが抽出されます。国、あるいは原燃はこれをエネルギー利用しようとしています。これは生物の生活圏からは完全に隔離しておかなければいけない猛毒物質であり(名前の由来も、ブルートー《地獄の王》のような物質)、その技術は確立されていないようです。このプルトニウムをエネルギー利用しようと実行されたのが「高速増殖炉 もんじゅ」ですが事故を起こしました。アメリカ、イギリス、フランスという原子力大国も、このエネルギー利用から撤退しました。
プルトニウムという物質は1立方センチメートル(小さい角砂糖1個)の量で2000万人が死んでしまうという怖い物質です。内部被爆すれば、ほぼ100%の確率で肺ガンを起こします。そして大気中に出てテクネシウムという物質になると、さらに毒性を増すそうです。また、プルトニウムの半減期は24000年です。
プルトニウムを取り出した後の高レベル放射性廃棄物はどろどろの廃液状態でガラスとともに固定され頑丈な金属容器に入れられます。その後、30~50年間冷却し続けます。熱が冷めるまで時間がかかるのです(放射能は出ています)。それから地中深くに埋める計画ですが、現在もその候補地すら決まっていません。
原子力は本当に未来を支えるエネルギーなのでしょうか。石油はこのまま使い続けると60年で枯渇すると言われています。ウランは64年と推定されています。だから、プルトニウムを利用するのでしょうか。疑問です。国民の一人としては不安です
長くなりましたので、その2 で続きを書きます。
つづく・・・
二葉鍼灸療院 田中良和
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