二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

花粉症に思う 2 ~森林からの考察~

2008年04月10日 | 花粉症
林野庁はホームページで、スギの植林について国土保全、地球温暖化防止、水源涵養など公益的機能を持っているので、伐採すればよいという問題ではないと書かれてありました。果たしてそうなのでしょうか。

地球温暖化防止という観点では、「スギは二酸化炭素の吸収量が多い樹種の一つ」と説明してありました。しかし、スギでなければいけないのでしょうか。何でもかんでも温暖化防止に結びつけるという短絡的な考えでは国民は納得しないのではないかと思います。

スギは樹齢40年ほどで伐採されます。その3分の2は途中の段階で間伐されます。樹齢30年を過ぎた辺りから花粉を盛んに飛ばすようになります。70~80年代にスギの人工林面積が急増したことを考えると、夏が暑いとかという環境的な要因よりも、やはり花粉を飛ばすスギ自体が多く、手付かずのスギ人工林が多くなれば飛散量も増えるというものです。ちなみに、間伐によって1ヘクタールあたり66%のスギの本数を減らすことができるそうです。

また、国土保全、水源涵養といいますが、台風や大雨において、がけ崩れなどの災害が多いのはスギやヒノキなど単一植林を行った場所であるという事実もあります。日本の国土にもそれぞれ潜在自然植生(その土地にあった木や草)というものがあり、そこに適しているから地中深く根を張るそうです。また、針葉樹、常緑広葉樹、落葉広葉樹など多くの種類の木々によって森が形成され、その落ち葉や倒れた木が森の土地に水を吸収させるために働いているのです。自然の森は、スギ単独、ヒノキ単独では存在せず、その林の土地は疲弊し、根もはらず、落ち葉も落ちず、間伐もされないので、水を吸収することなく雨は全て川へ流れ出てしまいます。

スギやヒノキを植林することは、その土地の植生や様々な観点から見て判断されなければ、これからも花粉症の患者さんは減ることがないでしょう。

国としても様々な対策を行っているようです。その中で花粉の出ないスギを作るというものがありますが、これを人間に例えると精子を作らない男をつくるということになるのではと考えてしまいます。人間の都合でこのようなことを考え、実行することは、人間自らが大自然の生態系を崩してしまっているような気がして仕方ありません。また、薬剤により雄花を減少させるという技術が開発されているそうですが、何か人間の世界を見ているようで怖くなってきます。

当院にも花粉症で来院される患者さんもいれば、違う疾患で治療にきているが花粉症を持っている患者さんが多くいらっしゃいます。師匠である黒野先生は免疫の研究も行っており、鍼治療は適度な刺激により免疫を活性化することを確認しております。低下しているものに対しては活性化し、過剰なものに対しては制御するということだと理解しています。

というのも、鍼治療により多くの患者さんは、症状が軽減したり、消失したりするからです。患者さんが「グスッ」と鼻をすすっていても話をお聞きすると「去年よりずいぶん楽だよ」「ほとんど症状はないよ」「気分がいい」という答えが返ってきます。

鍼治療は確実に”花粉症”に対しては免疫系に作用を及ぼして、症状軽減に身体を推移させるのだな~と最近実感しています。

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