さてトレーナー活動報告の第2弾です
今年の大会前半は雨が多くほんとうに天気の変わりやすい近畿地方でした。試合は2日間順延され、星稜高校も8月10日の試合が12日とずれ込みました。
選手の士気には全く問題なく、いい形で試合に入ることができたと思います。大きなケガもありませんでした。
早朝4時半に選手とともに起床し、食事や準備の中で選手の身体の動きや元気さをチェックしながら宿舎を出発。8時15分には阪神甲子園球場に到着しました。試合開始予定は10時30分なのですが、早朝の雨、連日の雨によるグランド整備等の事情により試合時間が少し遅れるようでした。
高架下のバス発着場に到着。監督、部長、選手はこのまま大会役員の方に先導されて甲子園球場の中に入っていきます。
バスで一緒に甲子園球場に来た私を含めコーチなどは、これから試合まで甲子園球場の外で待機です。試合は星稜高校が三塁側ベンチなので内野席のベンチの上の席で観戦する予定なのです。できるだけ選手とともにという感じでしょうか
第96回全国高校野球選手権大会 ~1回戦~ 天気:曇り 試合開始:11時03分
星稜 静岡 (試合時間:2時間9分 観衆:46000人)
一 ニ 三 四 五 六 七 八 九 合計
静岡 2 1 0 0 0 0 1 0 0 4
星稜 1 0 1 0 0 0 2 1 X 5 (16年ぶりの勝利)
静岡高校の印象は投手の辻本君を中心としてまとまったチームだなと思いました。星稜と良く似たチームカラーかなとも感じました。スターティングラインナップは両チームともレギュラー9名のうち2年生が4名、1年生が1名という若いチームで、学年構成も一緒だったんですね
試合は1回から動きました。初回、2年連続甲子園出場とは言っても初戦の初回は緊張するものだと思います。ヒットと四球で溜めたランナーを、バッテリーミス2個と、緊張していたのか動きの悪かったサードのキャンパスよりの打球…ヒット?で2点を献上してしまいました。
が、今年のチームのいい所は、気持ちを切り替えて反撃に転ずることができることです。その裏、2番の中村君がレフトへヒット、その後、3番の福重君が素晴らしいバッティングで右中間へ2塁打を放ち1点を取り返しました。理想的な形で得点できました
2回には2本のヒットと四球で再び静岡に1点を献上。今年の星稜は粘りがあります。3回には内安打と福重君のショートゴロを遊撃手が後逸し、再び1点差に詰め寄ります。前半は静岡が先制し、星稜が離されないように後を追う形でした。
星稜エース岩下君も相手投手の辻本君も、試合の中盤は徐々に調子は上がっていきました。
両チーム、四球やヒットでランナーは出るものの、両投手がしっかり要所を抑えていました
守備のミスではバッテリーミスのエラーが3つありました。次の試合への課題でしたね
試合は終盤7回に入り動いてきます。どうやら終盤に試合が動くだろうという予測は星稜スタッフの間でシュミレーション済みだったようです。どこのチームもそうなのですが試合前には対戦相手についていろいろ情報を集めます。そしてチーム状態を照らしあわせて、試合の流れの予測も行うわけです。
さて7回は静岡は、ツーアウトから出たランナーをヒットで返し1点を追加しました。ツーアウト後のピッチング、簡単に点を取られてしまう、このあたりもエースとして今後、上へ勝ち進んでいくためには課題の部分ではなかったかと思いました。
1点を取られた7回裏、ワンアウトから登場したのが石川県大会から何か運を持っている、”何かやってくれそうな”雰囲気を持つキャプテンの村中君・・・内安打で出塁。9番横山君はセカンドゴロ・・・が、エラーで出塁。1番谷川君はファーストゴロ・・・が、ファーストが2塁へ悪送球で村中君ホームインで4-3。ここで今日、調子がいい中村君がきっちりレフトへ打ち返し終盤に同点に追いつきました。
相手のミスが続いたとは言え、そこできっちり仕事をしてくるのが今年のチームの素晴らしいところです。欲を言えば、後続のクリーンアップで突き放していきたいところでしたね
さて8回、地方大会からよく報道で耳にする名称は『ミラクル星稜』『奇蹟の星稜』『逆転の星稜』。まあ、あれだけインパクトのある決勝戦を繰り広げてきたのですから、話題に上らないはずはあえりませんが・・・ しかし相手にも少なからぬプレッシャーはあったと思いますね。
岩下君、表をきっちり3人で打ち取り、その裏の先頭バッター5番梁瀬君がセンター前ヒットで出塁。送りバントの後、7番岩下君が右中間へ2塁打を放ち5-4と逆転しました
最後はエースが自分で勝利をつかみ取ってきたという感じでしょうか 逆転の星稜は甲子園でもその力を発揮したことになります
9回、静岡の最後の攻撃も岩下君が三者連続三振に打ち取るという気合いの入りよう。7安打5四球、7奪三振という内容でしたが149球を投げ抜き完投。 星稜高校野球部はあの松坂大輔投手(現 福岡ソフトバンクホークス)を擁して全国制覇を果たした横浜高校と3回戦で対戦した平成10年夏以来の16年ぶりの勝利をつかみ取りました
【甲子園2014】 ハイライト 星陵(石川)VS静岡(静岡)
校歌
やっぱり甲子園できく校歌は最高です
1勝・・・この場所で勝つということはたいへんなことです。思えば昨年、甲子園1回戦で大敗を喫してからを思うと、岩下君はじめ皆、すごく成長しました。その証がこの1勝なのだと思います。常笑集団、必笑チームの見事な逆転勝利です
この高校野球の聖地である甲子園で日頃磨いてきた成果、パフォーマンスを切磋琢磨して、競い合ってくれた静岡高校の野球部の選手、チームスタッフや関係者の皆様にも感謝いたしたいと思います
感動しました・・・と同時に、さらにトレーナーとして、これからの選手の調整に責任感がのしかかっているという自分も存在していました。
スタンドで観戦していた在校生やOB、保護者の皆様、ファン、卒業生、地元で応援していただいた皆様にも満足していただけた試合ではなかったか。そして、石川県の他の高校の分もまずは1勝で力を示せたと思います。
勝利で湧く甲子園を選手とともにあとに宿舎で遅めの昼食をとり、その後が私の仕事です
初戦というのは緊張と興奮で身体のダメージは相当あるものです。特に甲子園という大観衆の前ですから余計ですね。
しっかり治療させていただき、次の試合に向けて調整していかなければなりません。
順調に日程が進むと休養を5日はさんで8月18日が試合となります・・・私も治療院を開院している身ですから、ずっと休診というわけにもいきません んん~今後の予定、今後の予定 ない頭を絞り出し、8月14日・15日は金沢へ帰り診療、その後、大阪へ返して、16日から再び大阪入りという予定で決定しました
長くなりましたが、次の第3弾は2回戦、鹿児島県代表 鹿屋中央高校との戦いまでを回想していきたいと思います。
長文をお読みいただき、ありがとうございました
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