二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第27回 加賀・三策塾(合同学術研修会) 参加

2009年12月14日 | 鍼灸
12月6日(日)、加賀・三策塾が午前10時~午後12時まで、(財)東洋医学臨床研究所 2階にて開催されましたので参加しました。

つい数時間前まで青年部の親睦会で飲んでいたので、起きれるかな~と思っていましたら、起きよう!と思えば起きれるものです。若干、遅刻はいたしましたが、しっかり眠らずに勉強させて頂きました。

◎内 容
 ・江戸時代の按摩手技~按腹図解の文献的考察~
              ときわ鍼灸院 大内ミチゲイ先生
 ・みそ灸の実践
     野本 清 先生

 ・鍼灸・医療最新ニュース




 発表する&質問を受ける大内ミチゲイ先生

最初は、大内ミチゲイ先生が、太田晋斎の記した『按腹図解』から、按摩とくに腹部を施術する「按腹」についてと、按摩・マッサージ・指圧に関する簡単な歴史を調べた発表がありました。『按腹図解』からは家法按腹十三図解という十三の技法を解説して頂きました。この技法の特徴としては、「全身按摩を行った後に按腹に入る」「施術前に必ず腹診を行う。その際、「虚・実・動悸・攣急・血塊」を診断して治療の適否を決定する」「被術者は仰臥位、施術者は被術者の左に座す」などがあるようです。全身の按摩を行ってからと書かれていますが、これは鍼灸の腹診にも役立つのではないかと感じました。「按腹」とは按摩の一技法ですが、上記のような施術前後の状態を把握して行うということは、これは腹診を伴った医療的価値がある施術方法であると話がありました。
按摩・マッサージ・指圧に関しては、現在、国家資格を取得していない、”カイロや手技療法、整体”などの無資格施術を行っている人たちとの問題があり、法治国家である日本において、医療を扱う分野で無資格者が横行しているというのはいかがなものかと思いますが、この経済状況を踏まえると、本当は法律に則れば無資格営業はやってはいけないことなのですが、今すぐ禁止というのは難しい問題だと思います。
そうした時に、このような医療的価値のある施術方法、治療効果のある施術方法を勉強し、スキルアップし、無資格業者との差別化を図ることが大切だと思います。いわんや、これは患者様のためであるので、その要求に応えられるように自分の技を磨いておかなければいけないのは、国家資格を取得し医療を行うものにとって当然のことなんですけどね


 大内先生をご指導する常盤先生


 「みそ灸」について話す野本先生

お次は、野本先生による「みそ灸の実技」でした。味噌と塩を混ぜて土台をつくり、その上に超特大のお灸をのせ、煙が出なくなるまで(約40分)燃焼させ、その味噌の土台の成分と温熱効果(味噌田楽のような美味しそうな匂い効果)により治療効果を引き出す治療方法です。疼痛性(炎症性)疾患、化膿性疾患には良好な効果があるということでした。

私も鍼灸師を19年ほどやってきましたが初めて見るビッグサイズなお灸でした。患者様が初めて驚かれるのもうなずけるザイズです。

 ライターの大きさと比べてみてくださ~い

非常に非効率的な治療ですが、じっくり患者様と向き合って時間をかけて治療する先生には取り入れても面白い治療方法だと思いました。このモグサの量と、煙の多さ、など自分としてはなかなか取り入れるのは難しい治療方法だなと感じました。



 腰へ実際にお灸をしてみる、温灸ですので非常に心地よいのです
 味噌と塩(天然塩)の成分もしみ出してきますよ~

 膝にもしてみる

お灸でもいろんなやり方あるんだなと感じましたし、これを同じように取り入れられないにしても、ここから何か応用できるかもしれませんから、聴いていおいて損な話などないと思います。味噌と塩を混ぜた土台が堅いとお酢を少し入れるのですが、研修した部屋は「お料理教室」といった感じの匂いが充満しておりました。
それにしても、日本の発酵食品は多くありますが、こんなところにも力を発揮するんですね~ 発酵食品恐るべしですね。
はじめての講習会での実技でしたが、実践するところを見ることができて、自分の臨床に活かせる先生も多かったと感じます。これからも実技を何回か講習会の中に入れていくのも面白いですね。

加賀・三策塾終了後、1時半より(社)石川県鍼灸マッサージ師会の理事会、そして、鍼灸界の共同組合についての講演会、その講師の先生を囲んでの懇親会と、この後も長い…いやいや楽しい一日を過ごしたのでした。いや~帰ったら、そっこースイマーが迫ってきましたが充実した一日…二日でした(土曜日も含め) 


二葉鍼灸療院 田中良和

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