四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

口語短歌・水曜サロンの会 (その2)

2021年09月22日 08時30分03秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その2)   ― 皆様の投稿を歓迎します ―

「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うコーナーです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」目指したいと
 思っています。皆様の投稿を歓迎します。

  「白花曼殊沙華」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。


  「酔芙蓉 一重」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

☆哀しみはわれのブログの記事読みて娘の寄越す「書くな」のメール
☆哀しみは家族がわれの若嫁のころの哀しみ理解せぬとき
☆哀しみは月に一度の結社誌の校正コロナで行けなくなるとき

                          びこさん

【解説】
 大手の短歌結社に所属され「文語旧仮名遣い」の短歌を、専門に詠まれる
 びこさんの「口語新仮名遣い」への挑戦の短歌です。幕末の歌人が始めたと
 言われる「独樂吟」の様式にのっとり詠まれた短歌です。
 びこさんは「哀しみは」で始まる短歌を、「独哀吟」とも命名しています。

☆浅間山 たなびく雲が 綿景色 晴れ渡る空 秋の羊雲
☆脇役の ジャックネッタ 美人顔 シェイクスピアは 薔薇をも作る

                    浅間山明鏡止水(kencyan)さん

【解説】
 秋空の下、浅間山・山頂たなびく噴煙と、羊雲を「ロマンティックに」
 詠んだと作者は語っています。その雰囲気はよく表現されていると思います。
 シェイクスピアの「恋の骨折り損」の脇役の娘さんに、ちなんで命名された
 薔薇「ジャックネッタ」。その花に寄せて詠まれた短歌でもあります。
 「シェイクスピアは 薔薇をも作る」が、この短歌の面白さを支えています。

☆ゆらゆらと 風に吹かれて 百日紅 育てて見入る 母の横顔
                        yokiさん

【解説】
 百日紅の木を育てながら、お母様はいつも嬉しそうに、その木を
 眺めていたとのこと。お母様に寄せたYokiさんの思慕が滲む歌でもあります。

☆ありがとう しあわせと言った 母の手を 握り落涙 最後のダンス
                        あんりさん

【解説】
 先月逝去されたお母様の大好きだった、越路吹雪の「ラストダンスは私に」の曲。
 お母様に届けたいとの思いから、生まれて初めて詠まれた短歌とのことです。
 葬送の際に流された曲によせて詠まれた、深い思いが滲む短歌です。
 詠まれた短歌を少し整理してみました。ご参考になれば嬉しいです。
【ご参考】 ★母の手を握り締めつつ涙する 「ラストダンス」は葬送の曲

☆今年また中止になった秋祭り打ち上げもなく一人酒飲む
☆温泉の只今閉鎖の看板にあきらめ顔で帰る侘しさ

                       Oraiさん

【解説】
 写真と俳句を専門とされ、かつ堪能なOraiさんの短歌への挑戦、
 第二弾です。「一人酒飲む」に寂しさと無念さがにじみます。
 「一人酒酌む」等の表現もありかと思います。

☆哀しみは 詠む術(すべ)知らず才がない!皆の投稿 楽しみですよ
☆ウクレレの 言い訳空し秋の夜 それでも我は 前を向くのみ

                       すずさん

【解説】
 ウクレレ演奏の説明の過程で、つぶやきから生まれた短歌。
 この「つぶやきが歌となる」ことは、短歌の千年を超える歴史の中でも、
 和泉式部の「なお夕暮れはものぞ悲しき」をはじめ、多くの歌人に
 よって詠まれてきた経緯があります。
 「それでも我は 前を向くのみ」に、前向きな決意も覗き素敵な短歌に
 なっていると思います。

☆ネットから口語短歌の波に乗り心の丈を素直に詠う
                       リコさん

【解説】
 リコさんは伝統ある短歌結社に所属され、通常は「文語旧仮名遣い」で短歌を
 詠まれておりますが、このサロンに参加して頂きました。
 私も歌人の方が「口語新仮名遣い」に挑戦することは意義のある試みと思います。
 記紀万葉の時代から、大和言葉も多くの変遷を重ねてきましたが、挑戦なくして
 進化は無いと思いますので…、リコさんの挑戦を歓迎します。
 「心の丈を素直に詠う」は、私たちの目指す短歌の最終形と思っています。

☆カサカサと 風に追われて 晩夏行く ハラリと舞った 落ち葉食む吾子(クロ)
☆燃える空 赤く映りし 今朝の峰 やがて晴れるか そよぐコスモス

                        クロママさん

【解説】
 読む方に、いずれも良く分かる短歌と思います。なお、短歌は主題を一つに
 絞ることで「主張」を、より明確に伝えることが出来ると考えます。二首目を
 「朝焼けの峰」を主題に、少し整理してみました。ご参考になれば幸いです。
【ご参考】 ★朝焼けを 映して燃える 今朝の峰 晴れる予感に 心華やぐ

☆星を抱く 銀河の胸は果てしなく 晩夏の夜空 さらに広げて
                       ポエット・M

【解説】
 晩夏と共に、星空が澄み渡って見える夜。銀河にいだかれる広大な星々の
 煌めきの共演を詠んでみました。

  「ハイビスカス」

嵯峨哀花 著 「五行詩」「痛みの変奏曲」より転載
1.哀しみよ今日は(3)
  哀しみは
   雪降る道の
    彼方へと
   去り行く君の
    長き黒髪

     哀しみは
      夕べ鏡に
       頬紅を
      落とす乙女の
       心のかげり

    哀しみは
     麓にて鳴く
      山の鳩の
     声さえかすか
      嵯峨に咲く花

    哀しみは
     かの日かの時
      かの君の
     手より賜いし
      貝殻(かい)の潮騒

   哀しみは
    この人生を
     ただ影の
    夢まぼろしと
     知りたる心


  「小紫式部」
コメント (27)
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