四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

見据える明日を

2021年09月26日 09時49分08秒 | 短歌
かつてから幾たびか訪れた京急油壺マリンパークが、この9月末をもって
閉館されるとのことで、一昨日細君共々行って参りました。



現在私が住む三浦半島は、半島の東端に位置する観音崎を起点に、北側は
東京湾に面し、南側は相模湾に面しています。
南側の岬の突端に位置する、京急油壺マリンパークは、西に相模湾が広がり、
江ノ島、富士山、伊豆半島そして伊豆大島まで一望できる風光明媚な場所でも
あります。



1968(昭和43)年の京急電鉄創立70周年記念事業として開業され、開業当時、
東洋一といわれた大回遊水槽をはじめ、 魚の生態をいろいろな角度から示し、
魚や自然への理解を深め、科学教育の一助とするという、世界でも例を見ない
水族館として運営されてきました。



園内ではエリアごとにいろんな生き物や珍しい展示をみることができます。
大型のサメを常設する「魚の国」、全天候対応型 屋内大海洋劇場ファンタジアム 、
三浦半島の自然がつまった「みうら自然館」、三崎マグロを味わえる
「三崎マグロのレストラン Log Terrace」、さらにあしか島、ペンギンたちが
暮らすペンギン島などもあり、子供たちも大人も楽しめる施設になっています。



しかしながら、建物や設備の老朽化が著しく、これ以上の維持管理は困難との
ことで、2021年9月30日(木)をもって、閉館されることになりした。
なお、京急油壺マリンパーク側は、動物類については、他の施設と受け入れに
ついて協議を進める一方で、閉館後も、飼育・施設管理に必要な要員・体制を維持し、
すべての動物類の移譲を完了するまで、責任をもって対応する旨を表明しています。



当日は諸々の用事もあり、午後3時30分のイルカ・アシカのショーに間に合うようにと
2時過ぎに車で出かけました。シルバーウィーク後半の最中とあって、油壷までの
道路は夏休み並みの混雑でしたが、何とか3時前には到着することが出来ました。

しかし、正規の駐車場は満車とのことで、第2第3の駐車場の隅にやっと入れました。
閉園するとの報に触れ、かつてのフアン達も含めて、名残を惜しむ観客が押し寄せて
連日の「満員御礼」のようです。



お目当ての、大海洋劇場ファンタジアムでの「イルカとアシカショー」は既に満席との
ことで、入場は叶いませんでした。この見学がメインの目的でしたが、あきらめざるを
得ませんでした。しかし、カワウソの森、ペンギン島、大型のサメが回遊する「魚の国」、
さらに、相模湾に面する園内の散歩や、眺望を楽しみながら一時間ほどでマリンパークを
後にしました。

なお、このようなお出かけはまれで、外出自粛の日々、散歩等で体力維持を図って
います。その道すがら秋の訪れを鮮やかに告げる曼殊沙華が少し遅れて咲き初めて
いました。この曼殊沙華は「相思花」と呼ぶ事を友人にかつて教えて 頂きました。
花が咲き終わってから葉が出て、共に相まみえることがないことから、花は葉を思い、
葉は花を思うことが、この花の名前の由来との事です。
 秋の柔らかな木洩れ日をまとい、静かに揺れる相思花。この花を眺めていると、
深い思いをこの命名に託した、先人の心のありようが切なさと共に浮かんで参ります。

こんな思いも込めて、日々の徒然に即興で詠んだ短歌を掲載いたします。

 ☆夕映えに冴え冴え燃ゆる曼珠沙華 蕊の先にも闇は迫りて
 ☆花と葉の互いを想う相思華の 時たがえるは人の世に似て
 ☆精密な曲線描く曼殊沙華 さやかな秋を招きいるかに
 ☆長月の闇に響ける虫の音に あゆみおぼろな来し方思おゆ
 ☆夕映えにひぐらしの声溶けゆくや 寂しさ誘い懐かしさして
 ☆立秋を過ぎてなお啼く蝉しぐれ 命の絶唱 こよみも超えて
 ☆何もなく暮れゆく日々の夕映えを 留め染まるや酔芙蓉の花

 ☆石碑は何をかたるや 災害の重き歴史を 今にとどめて
 ☆サルビアは休耕田に燃えいるも 営農止める人の無念も
 ☆ささやかな賑わい戻るも遊歩道 なじみになるも その顔知らず
 ☆虫の音は闇の底から響きくる 見えぬコロナに想い沈むも
 ☆この夏もコロナ戦争終わらずに コップの嵐に籠る政権
 ☆カカ・ムラド 見据える明日を民継ぐや タリバン超えて大地とよもす
              カカ・ムラド:故 中村哲氏
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする