四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「痛みの変奏曲」鑑賞(2)

2021年09月15日 09時13分55秒 | 短歌

嵯峨哀花著「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞(2)

前回のブログで、嵯峨哀花著「五行詩」「痛みの変奏曲」の五行詩の一部、五首を
紹介をさせて頂きました。その際、投稿短歌を鑑賞する「サロン」的なコーナーを
作れないかとの提案を、ブログ友Kenさんをはじめ、少なからぬ方から頂き、ここに
発足させて頂きました。

「水曜サロン」の発足
このブログにお立ちより頂いている皆様の短歌の投稿と、その作品の鑑賞を行う
「水曜サロン」を、以下の通り発足させたいと思います。皆様の投稿を歓迎します。

 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載し皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 初心者の方からベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
   投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思います。
 (6) 投稿して頂いた作品に、拙いながら「解説」「ご参考詠」等をしたためさせて
   頂きます。的外れの解説になりました場合は、ご意見等をコメント欄に
   お寄せ頂ければ幸いです。



「水曜サロン」(その1)

  この一週間に投稿頂いた皆様の短歌と、私の拙い「ご参考」の短歌と、解説等を
  合わせて掲載させて頂きますが、皆様から感想等を、コメント欄にお寄せ頂ければ
  幸いです。

  ☆薔薇の花 レイクガーデン 返り咲き 睡蓮水面に モネの色彩
                           Kenさん

   「ご参考」 詠う対象を「薔薇」に絞って表現してみました。
     ★薔薇さえも秋に先駆け帰り咲く モネにささげる命の極み
   
  ☆楽しみは写真撮ること載せることいいねコメント眺めるひととき
                            Oraiさん

   「解説」幕末の歌人、橘曙覧が始めたと言われる「楽しみは~とき」の
       「独楽吟」の短歌は、私も学んでみたいと思っていました。
       写真で詩を謳い、俳句とのコラボを図る作者の「独楽吟」を、
       じっくりと味わいたいと思います。

  ☆窓際で外が気になるクロ目線 ベランダ叩く雨音止まれ
                            クロママさん 

   「解説」愛犬家の「クロママ」さんの、眼差しが伺える優しさに
       溢れた短歌です。「クロ」が愛犬である旨の表現が入ると
       作者の眼差しが、さらに生きてくると感じます。

  ☆母の声 重ねて唄う ふたり歌 想い出の歌 今も心に
                           yokiさん

   「ご参考」「歌」の重なりが気になるとの作者の感想がありましたので…。
     ★声重ね 母と二人の ハーモニー 思い出の曲 今も心に

  ☆おいしいとひと言へば妻われが喜ぶことを知らぬか君は
                          びこさん

   「解説」妻の立場からは常に抱く思いを、素直に詠まれた味わい深い
       短歌でもあります。
       お互いに確固たる信頼と、愛情があるゆえに詠める短歌とも思います。
 
  ☆秋雨に濡れつつ開く酔芙蓉 逝く夏惜しむ寂しさもまた
                          ポエット・M(Shou)



嵯峨哀花 著 「五行詩」「痛みの変奏曲」より転載
1.哀しみよ今日は(2)

  哀しみは
   母を亡くした 
    少年の
   絵本をめくる 
    右手の汚れ
 
    哀しみは
     窓に書を読む
      乙女子の
     涙でひかる
      胸の十字架

     哀しみは
      ライムライトの
       幕が引け
      雨に濡れつつ
       帰るバレリーナ

    哀しみは
     当て無き人を
      待ち侘びて
     夕陽に影を
      落とす絵日傘

   哀しみは
    忘れな草を
     接吻に
    託してこぼす
     瞳の真珠
                次号に続く


 
                      了  

コメント (36)
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