嵯峨哀花著「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞(2)
前回のブログで、嵯峨哀花著「五行詩」「痛みの変奏曲」の五行詩の一部、五首を
紹介をさせて頂きました。その際、投稿短歌を鑑賞する「サロン」的なコーナーを
作れないかとの提案を、ブログ友Kenさんをはじめ、少なからぬ方から頂き、ここに
発足させて頂きました。
「水曜サロン」の発足
このブログにお立ちより頂いている皆様の短歌の投稿と、その作品の鑑賞を行う
「水曜サロン」を、以下の通り発足させたいと思います。皆様の投稿を歓迎します。
(1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
(2) おひとり様 3首まで(1首でも可)投稿願います。
(3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載し皆様から感想等頂ければ幸いです。
(5) 初心者の方からベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思います。
(6) 投稿して頂いた作品に、拙いながら「解説」「ご参考詠」等をしたためさせて
頂きます。的外れの解説になりました場合は、ご意見等をコメント欄に
お寄せ頂ければ幸いです。
「水曜サロン」(その1)
この一週間に投稿頂いた皆様の短歌と、私の拙い「ご参考」の短歌と、解説等を
合わせて掲載させて頂きますが、皆様から感想等を、コメント欄にお寄せ頂ければ
幸いです。
☆薔薇の花 レイクガーデン 返り咲き 睡蓮水面に モネの色彩
Kenさん
「ご参考」 詠う対象を「薔薇」に絞って表現してみました。
★薔薇さえも秋に先駆け帰り咲く モネにささげる命の極み
☆楽しみは写真撮ること載せることいいねコメント眺めるひととき
Oraiさん
「解説」幕末の歌人、橘曙覧が始めたと言われる「楽しみは~とき」の
「独楽吟」の短歌は、私も学んでみたいと思っていました。
写真で詩を謳い、俳句とのコラボを図る作者の「独楽吟」を、
じっくりと味わいたいと思います。
☆窓際で外が気になるクロ目線 ベランダ叩く雨音止まれ
クロママさん
「解説」愛犬家の「クロママ」さんの、眼差しが伺える優しさに
溢れた短歌です。「クロ」が愛犬である旨の表現が入ると
作者の眼差しが、さらに生きてくると感じます。
☆母の声 重ねて唄う ふたり歌 想い出の歌 今も心に
yokiさん
「ご参考」「歌」の重なりが気になるとの作者の感想がありましたので…。
★声重ね 母と二人の ハーモニー 思い出の曲 今も心に
☆おいしいとひと言へば妻われが喜ぶことを知らぬか君は
びこさん
「解説」妻の立場からは常に抱く思いを、素直に詠まれた味わい深い
短歌でもあります。
お互いに確固たる信頼と、愛情があるゆえに詠める短歌とも思います。
☆秋雨に濡れつつ開く酔芙蓉 逝く夏惜しむ寂しさもまた
ポエット・M(Shou)
嵯峨哀花 著 「五行詩」「痛みの変奏曲」より転載
1.哀しみよ今日は(2)
哀しみは
母を亡くした
少年の
絵本をめくる
右手の汚れ
哀しみは
窓に書を読む
乙女子の
涙でひかる
胸の十字架
哀しみは
ライムライトの
幕が引け
雨に濡れつつ
帰るバレリーナ
哀しみは
当て無き人を
待ち侘びて
夕陽に影を
落とす絵日傘
哀しみは
忘れな草を
接吻に
託してこぼす
瞳の真珠
次号に続く
了