先月3月28日、多くの方に惜しまれつつ71歳でこの世を去った坂本龍一さん。
2014年に中咽頭がんと診断されて以降は闘病生活が続いていましたが、最後まで
音楽家、社会活動家として闘い続けた方でした。
マドンナや「BTS」のSUGA、さらには、たけしなど、世界有数のアーティストから
寄せられた追悼文の数々に象徴されるように、尊敬を集めるゆえんは、音楽活動での
実績だけではないと考えます。
環境・平和問題についても自らの影響力を自認し、先頭に立って発言してきました。
特に、2011年の東日本大震災後には積極的に支援活動に携わり、“脱・原発”を目指した
活動も行いました。
さらに、ウクライナのヴァイオリニストであるイリア・ボンダレンコとの
コラボレーション曲「Piece for Illia」を、破壊されたウクライナの地で演奏し、戦争反対と
人々の癒しを求める感情的な叫び声を表現しました。
また、根源的な「自由」への想いも強く、それを力をもってねじ伏せるものへの
怒り、さらには「非戦」への想いを抱き、その実践の先頭に立ち闘った人でも
あったと考えます。
アカデミー賞の作曲賞を受賞するなど、数多くの名誉と栄光を手にしたアーティストで
ありながら、社会貢献への思いを抱きつつ実践に身を投ずる。その姿勢は、ほかの音楽家
たちの模範的な存在であったばかりでなく、市井に暮らす私たちにとっても「希望の灯」
でもありました。
改めて心からの尊敬と共に、その御霊に哀悼の誠をささげたいと思います。
一首捧げます。
☆ひたすらに「非戦」の想い曲にこめ 坂本龍一「清明」に逝く