第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110)ネット歌会
短歌の返歌を歓迎します!!
☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
☆☆☆ 「ネット歌会」について
「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
「秋明菊」
☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
注) ☆:元歌 ★:返歌
☆秋深し紅燃ゆる塩沢は 文豪愛する文化の香り
浅間山明鏡止水さん
★文豪の旧居は奈良の高畑に「暗夜行路」を編みしサロンは
夕庵さん
☆誰を待つ、 ポツンとひとつ 椅子一つ 木洩れ陽ひかる 枯葉舞う道
クロママさん
【詞書】山口美由紀さん著の「フィーメンニンは謳う」というマンガがあります。
ある日主人公の少女が道で、少年が椅子を作っているところに出会います。
その後、少女は椅子にすわって物語が展開してゆくんですが、この
ファンタジー作品の導入部の大事なシーンだし、好きなシーンなので印象に
残っているんです。クロママさんが見られた椅子も、かつて誰かが景色を
みてもらおうと置いたものだったりして…。と思い、このマンガのこのシーンを
連想したので作った歌です。
★「花を見て」と 椅子を置きたる少年が
出て来るマンガを思い出したり
ちがやねこさん
☆真榊のおまけに付いた紙垂と紙「ほんのきもち」と記されてあり
西BOOさん
★のし袋に「ほんのきもち」とひらがなで 100円ショップにやさし日本語
夕庵さん
★100均に売っていると頼まれて 商品見ると220円
西BOOさん
★ダイソーは楽しい迷路買うことを忘れ便利な品に目移り
夕庵さん
★多種類の便利グッズが100円で 国の豊かさ実感すなり
西BOOさん
★飢餓に泣く子らの映像見るにつけ 飽食の日本 TVの堕落
夕庵さん
★イスラエル病院爆破 地獄絵図 せめて子どもを殺すの止めよ
西BOOさん
★国連よ 今こそ義務を果たすとき 血にさまよえる民を救えよ
夕庵さん
☆七日間服用するも完治せずあと二週間にて完治をめざす
西BOOさん
★予定表一週間後の紅葉を旧友(とも)と会うべくはやる心は
夕庵さん
☆父逝きし寒夜の月を見上ぐれば 凍へんばかりに我が身震へし
みっちっちさん
★幾たびぞ月を見上げて願いしは この身の脱皮を夢見た日々よ
夕庵さん
【詞書】卓球の試合に負けた日を詠みました
★月光に試合の負けを慰めむ 明日には脱皮せし我を見よ
みっちっちさん
★駆けよりて涙の勝利に酔うときも明日には受けて立つ身とならむ
夕庵さん
★本物の実力持てば必勝ぞ 明日を目指して努力の日々ぞ
みっちっちさん
★贋物を鋭きまなこで透視する 古き器の弘法市に
夕庵さん
★冬空へ背をまつすぐに少女騎手 前を見据へる鋭きまなこ
みっちっちさん
★背の丸き友の背ぽんと叩きやる 互いの姿鏡に映して
夕庵さん
★仲良しの夫(つま)を亡くせし友の背のちさく震へて涙を誘ふ
みっちっちさん
★もの言わぬ動物の目の愛しさよ限りある命ともに生きむと
夕庵さん
★もの言へぬ病人らをも追ひ込みてガザの病院いかになるやも
みっちっちさん
★亡き人は布団の下に紙切れの「すまぬ」の一言残して逝きしと
夕庵さん
★亡き母は眠り続けてふと起きて 吾の顔じっと見つめて逝きぬ
みっちっちさん
★一時間違えて起きてまだまだとラジオのスイッチ入れて二度寝を
夕庵さん
「咲き初める 山茶花」
☆亡き父の温き胡座に包まれて可愛ひがられし 我今もなほ
みっちっちさん
★ほっこりと胡座にまるく位置占めてしばしの夢にまどろむ子犬
夕庵さん
★その場所は誰(た)にもやらぬと幼き日 父の胡座に眠りし我よ
みっちっちさん
★少女らは胡座をかいて車座にすらりと伸びた素足眩しき
夕庵さん
★大地蹴り子ら冬空へ倒立す 天へ届けと足まつすぐに
みっちっちさん
★街頭に反戦のうた繰り返し 天に届けと声はりあげて
夕庵さん
★冬空にジョンレノンの歌 響きたる 平和を祈るイマジンの歌
みっちっちさん
★難病に倒れし君の「愛は勝つ」と叫びの声は永久に響きけり
夕庵さん
★カラオケで「愛は勝つ」を熱唱せし君の笑顔は今も忘れず
みっちっちさん
★デュエットの君は今でも変わらない素敵な紳士ね そっと肩組む
夕庵さん
【詞書】朝ドラ「らんまん」であいみょんが歌った「愛の花」毎朝楽しみでした。
★万太郎夫婦の愛の花の歌 ほつこりと観し朝のひととき
みっちっちさん
★名も知らぬ花いち輪を手折りきて話しかけたり朝のひととき
夕庵さん
★夕闇の四条通りに肩触れし 気になる君よ 名も知らぬのに
みっちっちさん
★碁盤目の京都の地図は上ル下ル 方向音痴はそれでも解せぬ
夕庵さん
★地図見れば 京都の右側 左京区で 左は右京区 不思議なるかな
みっちっちさん
☆冬空へ背をまっすぐに少女騎手 前を見据える鋭きまなこ
みっちっちさん
★背の丸き友の背ぽんと叩きやる 互いの姿鏡に映して
夕庵さん
☆母の名の消えかかりたる木製の 物差し今も裁縫箱に
みっちっちさん
★木製の玩具は在りぬ兄弟の 手垢が残す成長のあと
夕庵さん
★ふるさとの家の柱に弟と 背丈はかりし跡そのままに
みっちっちさん
★鳩時計律儀に時刻(とき)は知らせどもきみも老いたか籠もりがちなる
夕庵さん
★このところ籠りがちなる近隣の友と笑顔を交はすゴミの日
みっちっちさん
★明晰なカラスはゴミの日鳴き立てて仲間を連れて偵察にくる
夕庵さん
★カラスらはテニスコートにゲーム観て我ミスすれば仲間と笑ふ
みっちっちさん
★「人」の文字飲み込んだ後の発表はミスなく終わりほっと息つく
夕庵さん
★後ろから靴音響く冬夜道 家近づかばほつと息つく
みっちっちさん
★靴音で 家族とわかる愛犬の 聴覚人の4倍なりし
夕庵さん
☆秋去りて冬の気配の濃くなる日 優しき小花のパジャマを縫いぬ
夕庵さん
★夜なべして瑠璃色セーター編みくれし 亡き母の背の丸きを偲ぶ
みっちっちさん
★夜なべせし母の姿の尊けれ 指ぬきいまは吾の手に添いぬ
夕庵さん
★母の名の消へかかりたる木製の物差し 今も裁縫箱に
みっちっちさん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆
「秋蝶とキバナコスモス」
【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・
★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
頂きありがとうございます。
短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
お寄せ頂ければ嬉しい限りです。
【運営にあたって】
(1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
(3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
了
ポエットMさんへの返歌です。
⭐️滅びにもあらがひ燃ゆるもみじ葉よ 森の夕映え その身に集め
ポエットMさん
★悴みにあらがひ燃ゆるもみじ葉は 母の胸なる子の手の温み
みっちっち
よろしくお願いいたします。
☆まほろばの山冬めきてけものらは命抱きて丸く眠れり みっちっちさん
★猟犬は熊を追い立て吠えながら山へと返す仕事をこなす 夕庵
☆暁光の狭庭に集ふ色鳥よ 我が家の米に恙なくあれ みっちっちさん
★渡り鳥旅の疲れを休めるか湖(うみ)のさざなみゆりかごならむ 夕庵
よろしくお願いします。
☆上を向く写真が撮れず紅葉の葉が治癒を待ち散らざりしかも 西BOOさん
★ほどほどのしあわせがよい 上見てもシャネルのバッグは不釣り合いなり 夕庵
よろしくお願いします。
⭐️トンネルのメタセコイヤを仰ぎ見る ゆれる狭間に冬の陽ひかる
夕庵さん
★廃線の残る真暗きトンネルを 抜けて もみじの山道ゆかむ
みっちっち
(福知山線の廃線トンネル ハイキング楽しかったです)
⭐️猟犬は熊を追い立て吠えながら山へと返す仕事をこなす
夕庵さん
★街角の風にさざんか香り ふと 盲導犬を停めたる主よ
みっちっち
よろしくお願いいたします。
⭐️渡り鳥 旅の疲れを休めるか 湖(うみ)のさざなみ ゆりかごならむ
夕庵さん
★夕暮れの伊根の舟屋の灯は揺れて さざなみ超へて小舟帰りぬ
みっちっち
よろしくお願いいたします。
みっちっちさんへの返歌です。
★悴みにあらがひ燃ゆるもみじ葉は 母の胸なる子の手の温み
みっちっちさん
★母の胸 もみじに似たる手をそえて 眠る幼子なにを夢見る
ポエット・M
よろしくお願い致します。
☆街角の風にさざんか 香りふと 盲導犬を停めたる主よ みっちっちさん
★長い髪ゆらして街を行く人よ 男か女か もはや思わず 夕庵
☆廃線の残る真暗きトンネルをぬけてもみじの山道ゆかむ みっちっちさん
★廃線にトロッコ列車 秘湯へと紅葉ただ中 山狭いの里 夕庵
よろしくお願いします。
⭐️長い髪ゆらして街を行く人よ 男か女か もはや思わず
夕庵さん
★さざんかの香の移りしや 黒髪を かき上ぐる 背に もの思ひたり
みっちっち
⭐️廃線にトロッコ列車 秘湯へと紅葉ただ中 山狭いの里
夕庵さん
★もみぢ葉のひとひら舞ひて トロッコの 子らの笑顔の咲く嵐山
みっちっち
よろしくお願いいたします。
☆夕暮れの伊根の舟屋の灯は揺れて さざ波越えて小舟帰りぬ みっちっちさん
(みっちっちさんのこのお歌好きです)
★夕凪の磯釣船は一掃の墨絵となりて ぼうと動かず 夕庵
よろしくお願いします。