四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171)

2025年03月12日 05時57分17秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「26.少女(おとめ)朝顔の君」
 源氏はなおも朝顔の姫君に言い寄るが、姫君のかたくなな態度は
 変わらない。一方、祖母大宮の元で養育されていた源氏と葵の上の子、
 夕霧が十二歳となり元服した。源氏は勉学を身につけさせるために、
 六位という下級の官位に留めおいた。大宮も夕霧もその処置に不満で
 あったが、発憤した夕霧は異例の早さで昇進した。同じころ、斎宮の
 女御が立后した。源氏は太政大臣に、かつての頭の中将は内大臣に
 昇進した。斎宮の女御の立后にあせる内大臣は、次女雲居雁の入内を
 考えるが、雲居雁は夕霧と相思相愛の仲になっていた。そのことを
 知った内大臣は雲居雁を自宅に連れ戻す。源氏は夕霧の後見を
 花散里に依頼する。夕霧は容姿はふつうだが気立てのよい花散里に
 心を許す。源氏は四季の町からなる六条院を完成させた。春の町を
 紫の上、夏の町を花散里の邸とし、秋の町を斎宮の女御の里邸とした。
〇かけきやは 川瀬の波も たちかえり 君が禊の 藤のやつれを 光源氏
註)思いもかけませんでした、今日、禊の日が立ち帰り、あなたの
  藤色の衣(喪服)を見るとは
〇藤衣 着しは昨日と 思ふまに 今日は禊の 瀬にかはる世を」朝顔の君
註)喪服を着たのはつい昨日のことと思っていましたのに、今日それを
  脱ぐ禊をするとは、世の中の移り変わりは早いものですね
(返歌)
☆姫君は 物思いにと 所在なく 思い出すこと 桂の木にも
☆しみじみと 源氏の君は 返歌こそ 所狭しと 品々贈る
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 作者の説明にもあります通り「少女」の巻における光源氏と朝顔の君の
 関係は、相変わらず微妙で複雑なものです。光源氏は朝顔の君対して
 変わらぬ情愛を持ち続けていますが、彼女はその進展に対して非常に
 慎重で、距離を保ち続けています。
 光源氏が朝顔の君に詠んだ歌には、彼女の喪が明けたことを祝うと
 ともに、深い思いが込められています。しかし、朝顔の君はその歌に
 対しても慎重に対応し、心の中で揺れ動く感情を抱えながらも、
 自らの立場をしっかりと守ろうとしています。
 この巻では、光源氏の求愛に対して朝顔の君が応じることなく、むしろ
 距離を置こうとする姿勢が強調されています。彼女は自分の気持ちを
 明かさず、決して光源氏に心を許さないことで、自らの誇りと立場を
 守ろうとする意志を貫き、物語の中でも印象的なシーンとなっています。
 源氏物語の中でも、朝顔の君との関係は常に緊張感を孕んでおり、その
 微妙な駆け引きが物語の魅力の一つとなっていると考えます。
 このような背景を前提としながら、作者の二首の返歌を鑑賞しました。
 一首目の歌、結句の「桂の木」は、物語の中で象徴的な存在として登場
 します。朝顔の君が住む邸宅には桂の木が植えられており、彼女自身を
 象徴する存在となっています。桂の木は夜に麗しい香りを放つことから、
 朝顔の君の清らかで高貴な人柄を表現しています。
 二首目の歌は、光源氏の思いに寄り添い、その思いを肯定して詠まれて
 います。今回も、それぞれの立場から率直な想いを詠んでみましたが…。
【ご参考】
★桂木の香り仄かに漂いて 深まりゆくも 君への想い
★みそぎにも漂いきたる香りあり 妖し誘(いざな)い切なきものよ

【詞書】妣(はは)で三首、出詠いたします。
☆春月のやはらに妣のこころ見ゆ 吾(あ)に降りそそぐ孤高の光
☆白梅の名残は妣の愛しさよ 一花一花の梅が香甘く
☆闘病の妣へパジャマを買ひしこと 小花模様の春色哀し
                         みっちっちさん
【解説】
 今回は、今は亡きお母様(妣)への想いを三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、上の句の「春月のやはらに」で、春の月光が柔らかく
 降り注ぐ情景が繊細に描写されています。「妣のこころ見ゆ」では
 「妣(はは)」という言葉が使われていることで、亡きお母様の深い
 愛情や思い出を想起させ感動的です。下の句では、月光が降り注ぐ
 様子を「孤高の光」と表現することで、作者の孤独感とともに、母の
 愛情が静かに自分に降り注ぐ感覚が描かれ、深い情感が感じられます。
 総じて、自らに降り注ぐ柔らかな月光と、亡き母が注いでくれた愛情を
 繊細に結び付けた、感動的な歌と感じます。
 二首目の下の句「一花一花の梅が香甘く」の表現がいいですね。
 三首目の「小花模様の春色哀し」の「哀し」に込められた作者の想いの
 深さに打たれます。再び巡ってこなかった「春」への無念の思いも
 滲んでいます。

     「名残りの 白梅」

【詞書】3月1日の暖かかった日を詠みました。
☆陽春の庭に出でれば紋白蝶 梅が咲いたと触れ回るなり
【詞書】お水取りを詠ませて頂きました。
☆三月に入りて三寒四温とて 二月堂では滞りなく
【詞書】世界情勢を詠ませて頂きました。
☆ゼレンスキー・トランプ会談決裂は プーチン喜ぶ結果となるのみ
                         西BOOさん
【解説】
 今回は「紋白蝶」「お水取り」「ゼレンスキー・トランプ会談」と
 ホットなテーマについて三首詠んで頂きました。
 一首目の歌は、第二波に渡った最強寒波も和らぎ、春らしい日和と
 なった様子を詠み、好感のもたれる歌となっています。擬人化された
 蝶は、さながら作者の想いともリンクし、春の訪れを心から喜んでいる
 様子が素直に表現され共感を誘います。
 二首目の歌、前にも触れさせて頂きましたが、東大寺のお水取り本行は
 3月1日から14日に行われています。詠まれているように、気象状況に
 関わりなく「とて…滞りなく」実施されていますね。「とて」の表現に
 作者の
想いが滲んでいます。春の訪れを示す象徴的なイベントは本物の
 春を
招く力強いサポータとも感じます。
 三首目の歌は、詠まれている通りですね。作者の先週の歌への解説でも
 触れさせて頂きましたが、ゼレンスキー大統領は、アウエー感に満ちる
 アメリカ大統領執務室で、国を背負う者の矜持を保ちつつ自らの主張を
 毅然と述べられた事に清々しさを感じました。国連憲章を乱暴に踏み
 にじったロシアを利する、いかなる役割も、アメリカは果たすべきでは
 ないと思います。また、ウクライナの国と国民の将来を、己の卑小な
 利益と栄誉の為の手段にすべきでないとも考えます。

【詞書】椿二首
☆落ちてなお形崩さぬ椿あり 声かくときの息のむためらい
☆春を待ち乙女椿の名をもつも 花びら縁より朽ちてゆくなり
【詞書】春雨を聞きながら・・
☆しめやかに春雨降りつぐ枕辺に 白鳥しずかに羽根をやすめり
                         夕庵さん
【解説】
 今回は「椿」と「春雨」をテーマに三首の歌を詩情豊かに詠んで
 頂きました。
 一首目の歌は、落ちた椿の花の美しさとその静寂さを描写しています。
 椿の花が落ちても彩どりを保ち、形を崩さない様子は、自然の中での
 一瞬の永遠性を
感じさせます。なお、落ちた椿に対して声をかけようと
 する時の
「息のむためらい」という表現は、その椿の花の静けさと
 美しさに
対する、作者の繊細な美意識と畏敬の念を感じさせます。
 また、上の句と下の句が対比的で、美と静寂、動と静のコントラストが
 見事に表現されています。さらに、花の儚さとその中に宿る命の永遠性が
 余情と共に表現されています。
 二首目の歌、花の持つ美しさと儚さ、さらに残酷さが「縁より朽ちて」
 に凝縮され、鮮やかに表現されています。

     「乙女椿」 

【詞書】YouTube短歌:戦争をもたらす者
  ホルスト 組曲「惑星」より「火星」
☆力を得し者は更なる力のために戦う
            宿業の中で
                         自閑さん
【短歌解説】自閑さんご自身の説明です。
 ロシアーウクライナ戦争が、トランプの登場で更に見通しが分からなく
 なったと思います。EUも困惑し、日本も対岸の火事ではいられなく
 なったと思います。
 イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」は、占星術に
 インスピレーションを得て1914年から1916年に作曲しました。
 それぞれ惑星の名前とサブタイトルが付けられており、「火星」は、
 「戦争をもたらす者」が付いています。
 弦楽器とハープ、ティンパニー、ゴング、ファゴット、フォルンが
 奏でるリズムとトランペットとホルンを掛け合いを聴いていると、
 トランプ大統領による力での制圧を思い浮かべてしまいました。
 カナダ、メキシコ、EUに対する関税強化などはその典型だと。トランプ
 大統領とゼレンスキー大統領の会談を、副大統領を參入させ場内を
 混乱させるプロレスの樣にも見え、未だ未だ何が起きようとして
 いるのか不明な時となっています。ただ確かな事は、世界の人々は、
 この曲の様に不安になっているのは間違いはないでしょう。
 「戦争をもたらす者」なのか?力で「平和をもたらす者」なのか?
 主題が一端終って、徐々に楽器が演奏に加わって大きくなっていく、
 休戦後も燻り続ける野望の様に聞こえました。フィナーレには
 累々とした屍の荒野だけが残っていると。
 以下URLに、曲を貼付しておりますので、御視聴頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/aaed429af12909c8e6c50f5b5b2aa985
【解説】
 ご紹介頂いたホルスト作曲の『組曲「惑星」より「火星」』のYouTubeを
 視聴させて頂きました。曲全体を通して急激な強弱の変化があり、戦争の
 爆発的なエネルギーと突然の静寂が描写されています。特に強力で不規則な
 リズムは、戦争の不安定さと予測不可能性を反映し、5拍子のリズムが、
 緊張感と不協和感を強調しています。さらに、戦争の爆発的なエネルギーと
 突然の静寂は作者の解説にもありますように「累々とした屍の荒野」の状況
 を描写しているように感じました。
 この曲を踏まえて詠まれた歌には、歴史や人間の業を見つめた深い洞察が
 感じられます。勝ち得た力に満足せず、更に力を求め続ける姿は、歴史の
 中で営々と繰り返され、いまなお続く多くの権力闘争を象徴しています。
 また、
「宿業」という言葉が示すように、これは歴史の舞台で踊った、
 さらに、踊りつつある
個々の人間の問題ではなく、人類全体に普遍的に
 存在するテーマだという
ことが詠われています。
 また、自由律で詠われていますが、全体のリズムも心地よく「得し者」
 「更なる」「宿業」という言葉の選び方に工夫が感じられ、強いメッセージ
 性と詩的な美しさを兼ね備えた歌と感じます。さらに、ホルスト「火星」の
 曲と響きあい深い印象と、示唆を与える歌と考えます。

【詞書】3月8日(土)は「国際女性デー」で、それを象徴するミモザをよく
  目にしました。その日私は宇治北の平和堂(フレンドマート)や
  コーナン、ドラッグユタカなどに買い物に行った時に100均に寄ると、
  ミモザの柄の小皿が目に入り、「8日やしなー」と思わず一枚衝動買い…。
  行きしなに去年今頃綺麗にミモザが咲いていた近所のお宅は
  まだ咲いてなさそうだったこともあって…変わりと言っちゃ
  何ですが…でしたが。(帰りにそーっと見に行くとバッサリ切られた
  のか、凄く剪定したのかちょっと見当たりませんでした)そして、
  この日の朝日新聞の朝刊も、ミモザが満開の枠の中に題字が有る
  という素敵な特別デザインでした。新聞自体の内容もよく見かける
  「Think Gender」というタイトルを付けた記事がいつもより多かった
  かなと思います。
  まだまだ女性も生き辛さを抱えることも多い昨今、多少なりとも声を
  あげることが可能になりつつあるだけ昔よりはいいのかなと思い
  ながらも、いやそこで止まったらあかんのやろうな…とも思います。
  子供(女の子たち)も含めて哀しい、悲しい、辛い、しんどい思いをする
  女性が少しでも減りますように…。(自分の幼い娘に性被害を行う
  父親よ呪われろ!💢)
☆ミモザ柄の小皿を100均で買った日の朝刊
              題字もミモザ満開
【詞書】いや~、3月8日は新聞の題字も驚きでしたが社会面(テレビ欄の前)
  を開いて「うわああ~!!」と思わず歓喜の叫び…。
  大阪府堺市の大山古墳(伝・仁徳天皇陵)へ3/7に「歴史、考古学系の
  17学会・協会」の代表者さん達が墳丘に立ち入り、現状を観察した…
  とのこと。戦後、学会関係者のこの古墳への立ち入りは初めて
  だそうです。
  宮内庁職員さんの案内で、ボートでお濠(ほり)を渡って墳丘に
  上陸して視察したとか…。もう、記事を読む間「うひゃあ~」とか
  「うわぁい!」とか、端に居た母はうるさかったやろなあと思うぐらい
  大騒ぎして読んでいました。2008年に「陵墓」の立ち入り観察が初めて
  許可されて、今回18箇所目だったそうな。いや~…「やった~!!🎉」
  みたいに快哉を叫んだ学者先生たちはきっと多かったかと思います。
  (いや「やっとか~!」だったりして…)考古学者の先生方って、長年
  「我々は墳墓の調査をしたいぞー!」「掘らせろー!」「おー!」って
  感じで調査が出来ることを願ってたでしょうから…。…森浩一先生が
  健在で居られたら、きっと墳丘に足を踏み入れた学者先生達と共に
  視察したかっただろうなあ…という気がします。(私だって見てみたい!
  高校はすぐ横を電車で毎日通っていたし、大学やバイトの時でも電車
  から墳丘の上の木々を見ながら通ってましたし…)しかし、昔母が
  人から聞いた話で、大雨や台風の時に近くのお店の人とかが、埴輪が
  流れて来たと言ってたとか言ってなかったとか…。え゙~っ?!
☆学者達
  「調査させろ!!」と願ってた
     大山古墳へ“上陸”果たす!
【詞書】3月10日の「東京大空襲から今年で80年」というのを聞いたり
  見たりしていると、「3月14日の大阪大空襲からも80年やねんな…」と
  思い、「空襲で逃げてた時に軍手していて火が付いて手に火傷した」
  という話は、それを聞いたという姉から聞いたものの、本人が存命の
  間に「手のどこ?」とか「どうして助かったん?」とか詳しく聞かんかった
  なあ…と思ってました。とはいうものの父の死後、家の事とか保険や
  何かの事とか仏事、お寺の事とかetc.…事細かに父が書き残した物の
  中に、空襲から逃げた話や疎開先での話、大阪で会社に入った当時の
  事など、「忘れてしまう前に思い出せる事を書いておく」感じで少し
  ですが書いたものを見つけました。今ならば父が父親(私の祖父)と
  焼夷弾による炎の中を逃げ、手や足に何カ所か火傷を負った事、
  逃げる途中爆風に飛ばされて頭を打った事、気を失った後に介抱され
  (頭も治療してもらって)祖父と合流できた事、梅田まで何とかたどり
  着いて阪神電車で兵庫県の伯父さんの家に行った事、痛みも忘れて
  逃げていて、伯父さんの家で牛乳を貰ったけど吐いてしまい、その後
  1週間ほど朦朧としていた事、家の様子を見に
行った祖父に家が全焼
  していたと聞いた事、伯父さんの家にしばらく
居た後、島根の親戚を
  頼って疎開した事(父の弟と妹3人は先に行って
いたという。父には
  昭和40年代に外国で客死したお兄さんが
居ましたが、戦中は出征して
  いたそうです)、空襲が無くてほっとして
いた事、…あと、疎開先で
  大阪弁をからかわれたり、いじめられたけど
先生達は優しかった事、
  労働奉仕は辛かった事、高校を卒業して
祖父は大学に行って欲しかった
  みたいだけど、商社に就職できて
嬉しかった事、始めのうちはお金に
  苦労した事…等々を知り、ドラマを
見るようにその場面を想像する
  ことができます。…ちらちらと途切れ
途切れに聞いてはいましたが、
  まとめて一連の話としてははっきり
聞いてませんでしたから、身内の
  辛くとも貴重な戦時中の体験の
話ならばちゃんと聞いておいたら
  良かったなあ…しかし、父がその
戦火を生き延びたから私が居るんよ
  なあと3月14日を目前にして
思った次第です。(母は父が疎開した近くが
  実家ですが、低く飛ぶ
B29に乗っていた派手なスカーフをした
  パイロットを見たと言って
ます。空港とかあったらしいから全く静か
  でもなかったやろうと
思いますが…。9日の天声人語にありましたが、
  結構有る話や
そうです。パイロットの顔が見えたって…凄い話や……)
☆大阪大空襲で負った火傷跡(あと)
        聞けないまんまで父亡き今年
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「国際女性デー」「大山古墳」「大阪大空襲」をテーマに、
 最新の時事情報を掘り起こし三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、今年は花の開花がなべて遅れていますね。ミモザも少し
 遅れていましたが、ここ二三日でようやく開花し始めました。
 国際婦人デー(3月8日)は、女性の社会的地位向上や平等を祝う日で
 あり、ミモザの花が象徴的な役割を果たしていますね。この日の
 朝日新聞の題字は、詠われているように「ミモザが満開」に彩られて
 いました。ジェンダー平等の実現と、女性の権利向上への意識を高める
 ための取り組みと闘いの歴史を学びながら、今何をすべきかを考える
 出発点の日としたいですね。それらを意識する歌でもあると感じます。
 二首目の歌、今年の3月に行われた大山古墳(仁徳天皇陵)の上陸調査は、
 歴史的・考古学的に非常に重要な出来事でした。この調査は、作者の
 詞書でも述べられているように、戦後初めて学会関係者が墳丘に立ち
 入る機会となり、17の歴史・考古学系の学会・協会の代表者が参加
 しました。調査の結果、墳丘の保存状態は良好であり、今後の保存・
 管理に向けた具体的な対策が検討されることとなり、古代日本の歴史や
 文化を理解する上で重要な一歩となると考えます。歌には身近な関係者の
 一人として、この調査への作者の喜びが率直に表現されています。
 三首目の歌、「東京大空襲」の4日後、「3月14日の大阪大空襲」が
 アメリカ軍のB29によって強行されましたが、お父様がその被害者の
 一人であったと初めて知りました。その後島根県への疎開等々でご苦労
 された話は、まさに戦中戦後の個人史としても明確に書き残したい貴重な
 歴史と感じます。
 1945年3月に行われた東京大空襲、大阪大空襲等、さらに8月の広島、
 長崎への原爆投下はアメリカ軍による大規模な無差別爆撃であり、
 数十万人を遥かに超える市民が犠牲となりました。この攻撃は一般市民を
 対象としたものであり、国際法違反であり、さらに戦争犯罪と考えます。
 このような、歴史的な出来事を記すことは、戦争の悲惨さや愚かさを後世に
 伝えるために重要ですし、せめて「一つの証言」として個人としても詠い
 継ぎ、記していきたいと思います。

☆澄みわたる空に伸びるや木蓮の ためらい開く白き花びら
                         ポエット・M
【解説】
 第二波に及ぶ最強寒波によるものでしょうが、今年の春の花はなべて
 平年よりも開花が遅れていると感じます。それでもここ二、三日の温かな
 日差しに誘われるように白木蓮が、ためらいがちに開花し始めました。
 青空を背景に未だ吹く北風の中へ、すっくと枝を伸ばし純白の花弁を
 開く様は「本物の春」の到来を告げているかに感じます。
 そんな、きりっとした白木蓮の咲き初める様を詠ってみました。


     「咲き初める 白木蓮」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(9)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    なみだなみだ
    不思議なるかな
    それをもて洗へば心戯けたくなれり

    呆れたる母の言葉に
    気がつけば
    茶碗を箸もて敲きてありき

    草に臥て
    おもふことなし
    わが額に糞して鳥は空に遊べり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は文字数制限により割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了


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7 コメント

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ポエット・Mさんへ (西BOO)
2025-03-12 06:20:42
おはようございます。
早速、三首出詠させて頂きたいと思います。

フレッツテレビを契約したことを詠まさせて頂きました。
我が家にてフレッツテレビ開通す 虎ジョの君へテレビ大阪

月ヶ瀬の梅のニュースを見て詠ませて頂きました。
月ヶ瀬の梅がようやく咲き始む 一万本の花の共演

福島第一原発を詠ませて頂きました。
廃炉作業 真夏も厚い防護服 従事者数は四千人超

よろしくお願い致します。
返信する
Unknown (Unknown)
2025-03-12 07:06:30
おはようございます

エコーでお腹の中の赤ちゃんが日々大きくなるのが分かる様子は感動的です。
嬉しい誕生を待つ春の日を詠みました。

⭐️陽春の胎児のエコー 母の腹 蹴り成長のいのちの神秘

受験生を見守る母の気持ちを詠みました。

⭐️団欒の椅子ひとつ空く受験子を見守るのみの母の茶断ちよ

春月を見ながらポストまで歩いた夜を詠みました。

⭐️春月と共に歩かむポストまで 君への文を出すや迷ひつ

よろしくお願いいたします。
返信する
短歌投稿 (knsw0805)
2025-03-12 08:08:52
25年3月12日分短歌を午前2時43分「水曜サロン170」に投稿しました。よろしくお願いします。
返信する
Kenさんへ (ポエット・M)
2025-03-12 08:55:58
Kenさん おはようございます。

いつも、早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。

本作品の解説、歌評等は3月19日(水)付け「水曜サロン その172」に
掲載させて頂きます。

これからもよろしくお願い致します。
返信する
西BOOさんへ (ポエット・M)
2025-03-12 08:57:10
西BOOさん おはようございます。

いつも、早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。

本作品の解説、歌評等は3月19日(水)付け「水曜サロン その172」に
掲載させて頂きます。

これからもよろしくお願い致します。
返信する
みっちっちさんへ (ポエット・M)
2025-03-12 08:58:27
みっちっちさん おはようございます。

いつも、早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。

本作品の解説、歌評等は3月19日(水)付け「水曜サロン その172」に
掲載させて頂きます。

これからもよろしくお願い致します。
返信する
今週の詠草です。 ( 夕庵)
2025-03-12 17:43:08
こんばんは。

詞書
春浅い日の一日を詠みました。

☆ドア押せばカウベルのなるカフェあり プレート置かれた指定席見ゆ

☆卓の上(へ)に春をさきがけ菜の花が 誰を待つのかもう開きたり

☆窓の外北の空には七つ星 誰と話そう七つの神話

◎乙女椿の可憐な写真 ありがとうございました。

よろしくお願いいたします。
返信する

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