PRINCOの今日のパチパチ
Sidosso Princoちゃんの思わず拍手パチパチ記録
 



先日、ラジオを聞いてたら、『春木屋理論』という超マニアックな言葉がさらりと紹介されていて驚きました。パチパチ!
そして、調べてみて、さらにびっくり。ラーメン用語として立派に認知されていたんですね(^^;)
「春木屋理論」のメディア初出は『超凄いラーメン』で、故・武内伸さんの造語です。



「春木屋」のラーメンの旨さの秘訣は、第一は現状に妥協することなく、常に味の研鑽を重ね、変革し続けているという点である。
初代の主人、今村五男氏は、お客に「この店の旨さは昔から変わらないねぇ」といわれると、ニヤリと笑って「そうですか、ドウモ」と答えたという。
 昭和二十四年に開業。主人は、「どんどん食糧事情が良くなっていく世の中で、いつも同じく変わらない味を出していたら、舌の肥えてきたお客様からは、かならず味が落ちたといわれてしまう。変わらない旨さだといわせるためには、常に味を向上させることだ」と決意したという。
 私はこの話を聞き、以来、「春木屋理論」と命名し、私の人生の座右の銘としている。
『超凄いラーメン』武内伸・著より


ここで武内さんとの思い出にお付き合いを。

私が初めて武内さんにお会いしたのは学生時代。
「ほぼ毎日ラーメンを食べている。多い日は5,6杯食べる」
という言葉に驚き、
「そんなにラーメンばっかで、身体壊しませんか?」
「うん。だからぼくは健康のために、いろいろな種類のラーメンを食べてるんだ」
「、、、、。」

御三家、麻布高校卒だけあって、見た目とは裏腹に(失礼)非常に知的で、わずかな会話の端々に数々の名言を残してくれました。
「腹いっぱいで食えないラーメンなんて大したこと無いね。ホントにうまいラーメンはテトリスのように隙間を見つけてくるんだよ」
「ラーメンはね、3つのガラ、つまり鶏ガラ、豚ガラ、そして店主の人ガラで出来てると僕は思うんだ」
などなど。

大手工務店を退職し、新横浜ラーメン博物館に転職したと聞き、まだ赤ちゃんだった娘を連れて遊びに行きました。
「医者と坊さんを知り合いに持て、と小さい頃から聞いていたから、増○君が坊さんになってくれてうれしいよ。医者は従兄にいるんだ」と歓迎もそこそこに、凄まじいラーメン関連の蔵書、雑誌の小さな切り抜きまで披露してくれました。
「ぼくねえ、全国どこ行っても…、け、け、経費でラーメン食べれるんだよぉっ!!!」
とニコニコしながら話してくださいました。ああ、これが好きなことを仕事にするということなのだなあ、とあきれた感心したことでした。
その後、年賀状だけのお付き合いだったのですが、急に、来ない年があり、どうしたのかなーと思っていたところでの、訃報。
まだ40代。当時、二人のお子さんは学生だったはずです。 

しかし、こうやって没後10年たっても、発した言葉は生き続け、我々に人生の指針(ちょっと大袈裟かな^^;)を与えてくれていることに、何かこう深い感銘を覚えます。人は思い出と共に生き続けるなーと。
そして、お寺も、いつまでたっても変わらないと言われるためには、常に向上していかないと。えいえいおーっ。




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